第73回 社楽の会報告    第72回へ   第74回へ
                                  報告者 布袋中 土 井

  6月12日(木)布袋北学供にて、第73回の社楽の会を開催しました。参加者と社会科(生活科)の担当学年を紹介します。土井(中1)、高橋先生(小2)、奥村寿先生(小3)、大藪先生(中1・3)、尾関先生(中2)、勝村先生(小6)、大島先生(中1)、野呂先生(小6)、高田先生(中2)、岩田先生(中2・1)、初参加・木東小の岡崎先生(小5)の11名です。

☆ 土井より、アイデア募集のお願いです。『社会科教育 10月号』(明治図書)の原稿依頼が来ました。特集“授業をおもしろくするこの名言・名句 100選”というテーマで、土井の担当が「江戸時代をイメージ化する名言・名句のbT」3ページです。うまく授業に取り入れると、江戸時代をうまくイメージ化できる名言・名句をご紹介ください。
・ 次に携帯地球儀の紹介をしました。つくば市にある国土地理院の売店で買った直径27pのビーチボール型の地球儀で、見やすくつくられています。メジャーがついているので距離もすぐわかります。\2,600 問い合わせは、且O恵  09437-8-3332

☆ 高橋先生からは、6月7日に岐阜県長良西小学校で行われた“第8回21世紀の社会科を考える会 社会科フォーラムin岐阜”の参加報告をしていただきました。長良西小の高橋秀典氏、そしておなじみ向山洋一氏、有田和正氏の3名の授業の報告をしていただきました。
 ・ 高橋氏は、肉をスーパーより高い専門店で買う事例から児童が課題を作成し、教師が準備した資料を使って解決していくという授業の流れでした。よく鍛えられた子どもたちで、活発に、無難に授業が流れたが、筋書き通りで、ややドラマ性に欠けたそうです。
 ・ 向山氏は、よく雑誌などで紹介されている「地球環境を考える」授業でした。農薬の害の紹介の後、公害問題と環境問題の違いに気づかせ、環境問題は全員が被害者であり加害者であること、しかもNASAの例から、解決方法がないことをおさえました。続いて、“サイクル図”でゴミを自然に戻す第4次産業の重要性、“自然のサイクル”図で微生物の存在に気づかせ、EM農法につなげるという流れでした。内容が豊富すぎて、説明の授業になっていたそうです。
 ・ 有田氏は、有名な「一寸法師」の授業でした。一寸法師や鬼、姫が象徴しているものを考え、下剋上、三英傑につなげています。楽しさは味わえるが、それ以上ではないという感想を持たれたそうです。
・ 次に、第1回「授業研究の会」公開研究集会の案内です。齋藤喜博の流れを汲み優れた実践を積み上げている同会の、数少ない公開研究集会です。8月10日(日)〜11日(月)にコミュニティ嵯峨野で行われます。会費は\21,000、定員は100名、申し込みは、白銀一彦氏( 0471-70-1525)まで。
・ 『社会科教育』に連載されている小西正雄氏(鳴戸教育大助教授)の論文を紹介していただきました。6月号には、はやりの‘共生’の授業の2つの落とし穴をうまく指摘しています。

☆ 尾関先生より、NIEについて、作品募集、新聞切り抜き作品の作り方を紹介していただきました。高田先生は、犬中の社会科部会で中日新聞のNIE担当者を招いて、説明を聞いたそうです。NIEは情報収集・分類を主眼においており、考察部分はあまり必要がないということでした。集めた資料を、柱をもとに、いかに能率良く分類できたかが勝負です。
・ 次に、愛知県三の丸庁舎内にオープンしたあいち国際プラザの紹介です。(財)愛知県国際交流協会が主催するもので、6月17日にはオープン記念ジンポジウム、21,22日にはプラザフェスティバルが開かれます。国際理解教育を進めるには、たのもしい味方になりそうです。  052-961-8745、FAX 052-961-8045、E-mailaia@pref.aich
・ 書籍紹介です。別枝篤彦『世界の教科書は日本をどう教えているか』(白水社\2,200)各国別に、日本をどう記述してあるかが具体的に紹介してあります。国際理解教育をすすめるためには、ぜひ目を通しておきたい1冊です。
・ 6月23日に行う予定の社会科学習指導案(中2)を提案していただきました。以前、高田先生がやられたときのものがベースになっています。琵琶湖と淀川水系の利水の様子を調べた後、琵琶湖の汚染状況・汚染の原因を考えさせます。さらに、琵琶湖の自然環境を守る人々の苦労を知り、琵琶湖の水不足の影響を調べます。それぞれの段階で、具体的なイメージが持てるよう資料を工夫されていますが、他によい資料、おもしろい方法がありましたら、尾関先生まで連絡してください。
・ 環境関連の新聞記事の紹介です。6月8日朝日には「ごみとたたかう 1」としてダイオキシン、6月11日読売には「地球環境はいま 1」として温暖化について特集されています。いずれも連載です。
 環境問題の記事に関連して、高田先生から『指導と評価 43』(日本教育評価研究会)に「環境教育は、一人の人間(自分たち)が環境を破壊する存在であることを自覚させることからはじまる」という内容の論文があったという話がありました。

☆ 奥村先生からは、江南JCでの講演で使用する環境についてのアンケート集計結果です。小学校5,6年生の環境問題の知識をまとめていただきました。
 認知度の高いものは、ゴミ問題、エコマーク、砂漠化、酸性雨、オゾン層、逆に低いものとして、藤前干潟、水質汚染、があがっていました。

☆ 勝村先生からは、6月7日に実施するために考えた、小学校6年生用の環境学習指導案を3例紹介していただきました。
 A 向山氏の“サイクル図”でとぎれている部分を考えるもの
 B アルミ缶のリサイクルの必要性を考えるもの
 C 犬山市のゴミ収集方法について討論し、今後のごみ処理のあり方を考えるもの
結局、3クラスともCの指導案を採用し、そのビデオを市の生活環境課へ贈られた そうです。社会に働きかけている点が評価できます。

☆ 大藪先生より、情報活用能力についてまとめていただきました。
 社会が求める能力が、これまでは受動的な記憶だったのに対して、これからは的確な表現と伝達する力であり、文部省も、情報活用能力は「読み、書き、そろばん」と並ぶ基礎・基本として位置づけているということでした。
 このほか、「情報化社会における学校教育・生涯教育の目標」、佐藤隆博氏の「情報化社会における学校教育・生涯教育の目標」も紹介していただきました。

☆ 社楽の会のホームページができました。といっても、まだ雑な作りですが、次回の日時と場所がわかるようになっています。また、報告集、社会科リンク集、環境問題のページへリンクしています。今後は、「伝統・文化」「平和教育」のページもつくっていきたいと考えています。
 

      問い合わせは 土井謙次  syaraku@tcp-ip.or.jp