第78回 社楽の会報告    第77回へ   第79回へ
                                  報告者 布袋中 土 井

  9月22日(月)犬山市立東部中学校にて、第78回の社楽の会を開催しました。参加者と社会科(生活科)の担当学年を紹介します。土井(中1)、木本先生(小5)、大藪先生(中1・3)、尾関先生(中2)、北川先生(中1)、岩田先生(中2・1)、大島先生(中1)、高橋先生(小2)、高田先生(中2)、光崎先生(中2)、添田先生(小5)、勝村先生(小6)、和田先生(小5)の13名でした。犬山中の佐野先生、犬東中の井戸先生などのご協力もいただきました。

☆ 土井より、『社会科教育 1997/10』(明治図書)より、拙稿「江戸時代をイメージする名言・名句のbT」を紹介しました。江戸時代は長く、江戸時代のイメージも時期により異なるため、中学校用の教科書の区分に従って江戸時代を4つに分け、まずそれぞれより一つずつ選ぶことにしました。しかし自分では決めかねたため、実際に私の授業を受けた生徒に決めてもらうことにしました。その結果は次のものでした。
  @ たぬきおやじ…授業では、家康を‘たぬきおやじ’と思った人々とその理由を考えさせながら、江戸幕府の支配体制のイメージを広げていきました。 
  A 後家倒し…千歯こきが‘後家倒し’と言われた理由を考えさせた後、そのほかの比喩を作らせました。「価格建設」(越後屋)、「黄金幼虫」(蚕)、 「散金行隊」など、なるほど思えるものもいくつかでてきました。
  B 胡麻の油と百姓は絞れば絞るほど出るものなり…授業では、幕府と農民のそれぞれの立場からの立場討論をさせました。
  C 太平の眠りを覚ます上喜撰 たった四杯で夜も寝られず…文句なしの名作ですね。これら以外に、印象深かった言葉が次のものです。
  D 義であるが私…赤穂浪士に対する賛否を生徒に話し合わせた後に、この荻生狙徠の言葉を紹介しました。言葉の重みに気づいた生徒の目が、印象に残っています。
・ 次に、文化祭体験講座について紹介しました。布袋中では、地域の方々にふれるために、毎年、文化祭の中で体験講座を行っています。講師を地域の方にお願いし、生徒は希望の講座を受講します。今年度の主な講座を紹介します。
 和菓子作り、ギター教室、エアロビクス、アレンジメントフラワー、布袋の歴史を探る(フィールドワーク)、スポーツマッサージ、アウトドアロープ術、座禅、わらじ作り、点字教室、手話教室、護身術、アウトドアロープワーク 等
・ 最後に、布袋中50年記念展について紹介しました。記念式典、および文化祭の際に公開するもので、2教室分の展示を行います。内容は、総合年表や校舎・施設の変遷、学校行事の変遷など14のテーマに分かれて写真や図表のパネルを展示します。また、歴代の教科書や卒業証書、PTA新聞、学校新聞、卒業アルバムなども併せて陳列します。さらに、校内各所に飾られている絵画や書などの美術品、太政官札、かつての校名プレートなどの史料も展示します。

☆ 大藪先生から、9月20日に行われた、愛社研第2回研究専門委員会の報告がありました。「21世紀を見据えた社会科授業のあり方」のテーマのもと、各地区がどのように取り組んでいるかの報告書をいただきました。
 ここでは、各地区のテーマと授業実践の単元を紹介します。
 名古屋…「環境問題を自分と社会との関わりで考える子どもの育成」
小5「今後の自動車工業」、中2「藤前干潟とゴミ問題」
 一宮 …「変化の激しい社会を豊かに生きる子どもの育成」
      小5「これからの工業と環境」、中2「中央部から日本を考える」
 中島 …「未来を豊かに生きる子の育成」
      小6「明治維新」、中1「アメリカ合衆国」
 海部・津島…「周りの友達と共感し合って社会事象を探求することができる子どもの育成」
      小4「火事を防ぐ」、中2「東海地方」
 知多 …「社会に目を向け、よりよい生き方を発見する社会科学習」
      小3「わたしたちの愛知県」、中「自然保護とリゾート開発」
今年の冬季研修会は来年1月31日(土)名古屋市教育館です。

☆ 勝村先生より、犬山西小学校第6学年の「環境学習 1学期の実践」のまとめを紹介していただきました。
 環境学習を「授業づくり」「活動づくり」「環境づくり」の3点からせまります。「授業づくり」では、総合学習単元「地球環境の現状と保護」(22時間完了)として組み立ててみえます。授業と並行して、こどもエコクラブの活動を行い、また、地域へも働きかける実践は、環境教育および総合学習としてのモデルとしても高く評価できるものではないかと考えます。  
「活動づくり」では、3つの活動(ふれあう活動・知る活動・働きかける活動)を設定し、エコクラブのほか、特別活動、「地球に優しいコンクール」への参加など、幅広い取り組みを計画しています。
「環境づくり」では、3つの環境「ゆさぶる環境」「とり入れる環境」「呼びかける環境」を設定しています。
 研究指定校にも匹敵する実践を、前向きに取り組む姿勢には感心させられます。これらの実践から、学ばさせていただきたいと思います。

☆ 木本先生から、授業の報告がありました。伝統工業の発表が終わった後、それぞれの発表に共通することを挙げさせたところ、“古い、値段が高い、材料がいい、後継者不足”などがでました。さらに、なぜ後継者が不足するかについての問いには、“生活で使わない、高いから売れない、一人前になるのに時間がかかる”などの意見が出ました。しかし、ほとんどの児童が、“伝統工業がなくなるのはいけない”と考えており、今後は、手紙やEメールでどんな努力をしているのか調査していくことになったそうです。

☆ 参加者で、インターネットにのせる「伝統・文化のページ」をIBMホームページビルダーを使用して作成しました。この日は‘瀬邊功山氏の竹工芸’‘扶桑文化会館’‘犬山鵜飼’‘つま折り傘’などを作成しました。子供たちの調査活動に役立つような環境を整えていきたいと考えています。
 

      問い合わせは 土井謙次  syaraku@tcp-ip.or.jp