第97回 社楽の会報告           第96回へ    第98回へ
                                   報告者 布袋中 土 井

 7月16日(木)布袋北学供にて、第97回の社楽の会を開催しました。参加者、及び社会科・生活科の担当学年をお知らせします。土井(中2、中3選択)、日比野先生(小4)、高橋先生(小4)、水野先生、岩井先生(小3)、高田先生(小5)の6名でした。

☆ 高橋先生から、「交通事故からくらしを守る」児童の願いを紹介していただきました。児童は、まず“交通安全のための施設は、住民の願いを自治体と警察が連携して実現する”という学習をしました。その後、グループごとに“校区で1カ所施設を作るとしたら?”という課題で話し合い、その願いを文で表現しました。
  Hさんは、次のように書いています。一部紹介します。
  ジョルダン前に信号をつくって下さい。それは、ジョルダンの前は車がたくさん通るし、カネスエへ入る車道をまがる車がいて、車の重なりになるからです。ちょっと前にインタビューをしに行った時に大人の人に聞いたら、「ジョルダンの前に信号。ここは車が多く通るから、ここには絶対信号をつけてほしい」と言っていました。出校日に役場に出かけて、作文を届けるそうです。
  このような学習活動は、次の点で評価できると考えます。
 @ 社会参加型であること…大人へのインタビュー・役場への働きかけなど、共に生きる社会を創るための主権者としての意識を育てる、貴重な社会参加の体験である。
 A 情報発信型であること…情報発信型授業は、学習意欲と表現力の向上、個性伸長が望めるが、この例は1つの典型である。  
役場の対応が楽しみです。

☆ 岩井先生からは、プリント“取り組んでみよう夏休み自由研究作文”を紹介していただきました。内容は次の通りです。
 1 さあ、取り組もう
 2 テーマを決めよう … 「ふしぎだな」「こんなことやってみたいな」
 3 研究を進めよう … テーマを決める、方法を決める、道具をそろえる、研究にとりかかる
 4 研究をまとめよう … まとめ方の例
 5 研究作文を出そう
  裏には、マップづくり・町探検・店や工場を調べようなど、社会科での自由研究アドバイスが具体的に書かれています。特に、いこいの家・作業所へは日を指定し参加を呼びかける内容になっています。

高田先生からは、研究構想の提案がありました。 
  はじめに、研究実践の中で育てたい能力を3点挙げています。
 @問題解決能力…社会生活上の困難な問題を解決していく対応能力
 A発展表現能力…新しい課題を深め表現していく自己実現能力
 B共生実現能力…自他の心を理解し、ともに支え合って生きる能力
  次に、これらを育てる指導の観点を次の3点です。
 @横断的・総合的な学習を通してグローバルで柔軟な考え方を持つ。
 A体験学習をもとに、発想を広げ解決の方向性を持つ。
 Bかかわりを通して共感性・協力性・新しい価値観を持つ。 
  参考文献『教職研究7』(「社会的知能」が生きる総合学習 ニューポート大学院教授  扇田博元)
      『小学校社会科指導資料 新しい学力観に立つ社会科の授業の工夫』
        (文部省平成7年10月)

☆ 土井より7月9日に行った オーストラリアへ行こう第1時 授業記録&生徒の感想を紹介しました。指導案は前回提案しましたが、“オーストラリアの中学生は日本語を勉強しているのに、私たちはオーストラリアの知識はほとんどない。相手を理解するためには実際に行けばいい。それならば、ある立場の人になりきって現地へ行く計画を立てよう!”というのが基本的な考え方です。
  4クラスで実践しましたが、どのクラスも「本当に行くの?」という不安と期待の混じった雰囲気でした。何人かは本当に信じてしまい「土井先生が連れていってくれるそうだ」という話になってしまいました。実際に、パスポート申請書を書かせたのが効果的?だったのでしょうか。
  生徒の感想はおおむね好評で、ほとんどが「楽しそう」「がんばりたい」というものでした。
・ 次に第2時VTR「オーストラリア発見」視聴記録を紹介しました。調査活動に入りましたが、ほとんど全員がビデオすべて視聴しました。ここではその視聴記録を紹介しました。やはりまず概観を知りたいと考えたのか、それともコンピュータ室の冷房が目当てだったのかはわかりません。普段のビデオより、しっかり見ていました。 
・ 次にMLグローバーズ・オーシャンズを紹介しました。ML(メーリングリスト)グローバーズ・オーシャンズは、会員にオーストラリア在住日本人が多く、オーストラリアを調査するためには貴重な情報源といえます。ここでは、日頃の交信のようすを紹介しました。
・ 次に、プリントオーストラリアの人へメールを出そう!を紹介しました。電子メールを出す目的、相手、方法を紹介しています。今回の学習活動(オーストラリアでの現地調査のシミュレーション)では、現地の情報が不可欠です。特に、オーストラリアの人々の生活を調べる生徒にとっては、文献もなく、電子メールだけが頼りになります。私自身が連絡を取った在住日本人、日本語学部学生を紹介しました。
  日本語学生は、本人の写真付きレポートを紹介したため、生徒の関心を一段と高めたようでした。
・ 22〜30日のオーストラリア発見の旅 コースを紹介しました。
  8月23日…シドニー市内観光、ブリーフィング?
   24日…ハイスクール社会科授業見学
        レセプション
  25日…高齢者ケア施設見学、NSW州訪問、
  26日…キャンベラ 国会議事堂、戦争記念館等見学、連邦政府教育省訪問、
        レセプション、ホームスティ
  27日…スポーツ省訪問、駐豪日本大使館訪問
  28日…メルボルン アボリジニー文化センター、Healesville自然保護区訪問 
  29日…オージーフットボール見学
・ 最後に沖縄県中学生副読本『沖縄の歴史』を紹介しました。沖縄三育中学校のホームページからメールでお願いした中学生のための歴史読本『沖縄の歴史』が届きました。
 琉球王朝を中心に、太古以来の沖縄の歴史がわかりやすくまとめられています。
  〒905-0003 沖縄県名護市旭川837 沖縄三育中学校  望月正樹先生


  お問い合わせは 土井謙次 syaraku@tcp-ip.or.jp  まで