第136回 社楽の会報告    第135回へ   第137回へ
                                  報告者 木曽川東小 土 井
2000年9月7日(木)布袋北学供にて,第136回社楽の会を開催しました。参加者(勤務校)を紹介しましす。
土井(木東小)、岩井先生(大北小)、高橋先生(木東小)、坪内先生(犬北小)、山田先生(古東小)、奥村先生(江南市ことばの教室)、木本先生(江南市ことばの教室)、大島先生(犬東中)、勝村先生(犬山中)、野呂先生(岩倉中)、野口先生(楽田小)、尾関先生(江北中)、名古屋市からおみえの稲垣さん、農文教の吉井さんの14名です。

☆ 土井より拙稿「トラック協会のCMから見る日本の今」『社会科教育9月号』(明治図書)を紹介しました。
 ・ 今回のレシピは「くらべる」。基本の基本です。物流のパターン図を、長さを測ることで、その効率性を理解させようとしたものです。
 ・ 日本の今では、トラック協会も環境に気をつけていることを紹介しました。
 ・ CMとしては、トラックの日のイベントなども広告の一つであることを紹介しました。

● 次に,このたび新しく作成したWebサイト生涯学習事典を紹介しました。
 生涯学習ミニ用語辞典や関連法令集は便利ではないかと自画自賛しております。また,生涯学習MLを設立したのがポイントです。全国の担当者とネットワークが作れたらと思っています。ぜひご覧下さい。
    http://www.tcp-ip.or.jp/~syaraku/manabu/index.htm  

● 第37回教育者研修会 体験発表報告をしました。
 8月20日、名古屋市サン笠寺にて50分間話をしてきました。もちろん「何も見ない、何かを見せる」、したがって原稿はなし。その場で組み立てながら、時間通りにまとめました。
   参加されていたある校長先生から、次のようなうれしい残暑見舞いを頂きました。

  残暑お見舞い申し上げます。とてもいい話をありがとうございました。いい勉強
をさせてもらいました。どう教えるかよりも、大人一人一人の生き方が問われる時
代です。土井先生の生き方に感動をしました。ますますご活用をお祈りします。

● 中野重人氏(日体大教授)講演要旨 を紹介しました。 第37回教育者研修会  2000.8.20 サン笠寺
 いつもながら,きわめて明瞭なお話はさすがです。
    内容はここ

● 恒例便利Web
(1)調べ学習をする前に 
http://www.page.sannet.ne.jp/lebaldu/homepage/index.htm 
(2)政界人・財界人などの教育語録
http://www2.starcat.ne.jp/~kzykysd/goroku.htm 
(3)日本人は英語をあきらめよう(逆説的日本人英語論)
http://world-reader.ne.jp/renasci/another/s-suzuki-000822.html 
(4)日本文化総合情報サイト
http://www.cul-net.com/ 
(5)寿小学校
http://www.osumi.or.jp/sakata/default.htm 
(6)教室掲示について
http://homepage1.nifty.com/moritake/sonota/keizi/keizi0.htm 
(7)教育関連サイト・インデックス
http://www.idu-e.com/ 
(8)国際理解教育センター
http://www.try-net.or.jp/~eric-net/ 
(9)開発教育協議会
http://www.apicplaza.ne.jp/odango/decj/cover.htm 

● 書籍紹介 河合純一 著『夢 追いかけて−全盲の普通中学校教師 河合純一の教壇日記−』(ひくまの出版 \1,400)
 図書案内より「日本でただ一人の全盲の中学校教師河合純一先生は、声だけで生徒の名前を覚えなければならない。夢に向かって挑戦を続ける先生と、生徒たちが展開する感動の学校ドラマ!」
土井の感想:新任時代の教師の新鮮な気持ちを失いかけた教師に読んでもらいたい本。教えるということはどういうことか、生徒とのコミュニケーションとは?など、考えさせられることは多い。河合先生は社会科なので、特に社会科教師におすすめします。
   河合先生は、シドニー・パラリンピックに出場します。応援しましょう!
 『夢追いかけて全盲の普通中学校教師・河合』(ひくまの出版) も発売中!

● 教師自身の英語の学習にいかが?
 天声人語の日本語版と英語版の読み比べができます。コピー&ペーストで、[英文対照]天声人語の即日版の自分本を作れます。前者は、「朝日・岩波・NHK」の朝日新聞、後者は、ASAHI Evening News のホームページから、配信しています。
天声人語と VOX POPULI, VOX DEI の
URL: http://www.asahi.com/paper/column.html 
URL: http://www.asahi.com/english/asahi/index.html#top のVOX POPULI, VOX DEI から入ります。

例として,一部引用して紹介します。
August 9, 2000
`Kodomo Itazura Mura'' (Children's Village for Harmless Pranks) was open for its annual six-day summer camp this year. The program was organized by Takashi Hayakawa, a 49-year-old teacher at a school for disabled children. On the first day of the camp, Hayakawa took the campers-children and their parents-to a mountain stream about five minutes on foot from the ``village.''

There is no dam upstream of this 3-meter-wide brook. The campers waded in its water and hiked along its banks for about an hour. Being the dry season, the flow was only about knee-deep.

Some spots, however, were deep enough for a dive. Many of the pre-school toddlers were initially terrified of wading across the stream and clung tearfully to their mothers.

But after hiking on for perhaps 300 meters, the kids began to get a hang of how to stay away from potentially dangerous spots. This gave them the confidence to let go of their mothers' hands.
(以下略)

8月 8日 ◇天声人語◇
 きのうに続き、子どもたちが合宿して遊ぶ「子どもイタズラ村」の話。ことしの夏合宿は5泊6日だった。村を主宰する養護学校教諭、早川たかしさん(49)は初日、宿舎から歩いて5分ほどの川に、参加した親子を連れて行った。
 上流にダムのない、幅約3メートルの渓流。その中や岸辺を1時間くらい歩き回った。渇水期の夏は水量も少なく、ひざ程度。しかし、飛び込める深さのところもある。幼稚園の年長組くらいだと、沢を歩いて渡るのを怖がり、母親にしがみついて泣く。
 しかし300メートルも進むうちに、どのくらいの深さなら自分でも歩けるかがわかってきて、親から離れる。
(以下略)

● 中学校の部活はどうなる?必ず読みたい保健体育審議会答申
スポーツ振興基本計画の在り方について− 豊かなスポーツ環境を目指して −
(保健体育審議会 答申) http://www.monbu.go.jp/singi/hoken/00000255/ 
  ○総合型地域スポーツクラブの全国展開 到達目標
   ・2010年(平成22年)までに、全国の各市区町村において少なくともひとつは総合型  地域スポーツクラブを育成する。
     その他、部活動の記述も多い。ぜひ読んでおきたい答申です。

●  またまた著作権について あるメーリングリストより
> 先日、曲集を見ていたら、
> 楽譜のコピーは、授業に使用する場合のみに可能だとありました。
> クラブ活動は、不可だそうです。
> では、クラブ活動で使う場合は、一人に一冊ずつ購入しなくては
> いけないのですか。
 原則的にはそうなります。詳しくは次のウェブを参照してください。
   http://www.cric.or.jp/casestudy/CS03.html 

「文化祭等で、演劇の上演や音楽の演奏を行う場合、著作権者の許諾を得ておく必要がありますか。」への回答が載っています。
結論のみ引用すると、著作権者への
  非営利での上演・演奏   →許諾は不要。
  非営利でも脚本・楽譜の複写→許諾が必要。
 これによると学芸会・文化祭の演奏はほとんどが違法???

● メルマガ紹介 
  子どもと自然  -環境教育メールマガジン-
NPO 法人 学校ビオトープ・ネットワーク(全国組織) 【vol.1】2000.09.01
http://www.kyobun.co.jp/biotope      現在の会員数:1477人
土井も会員です。

「ミレニアム・プロジェクト」により転機を迎えた「学校教育の情報化」
 
    ―「総合的な学習」中心から「教科教育」中心へ―
        平成12年7月 文部省学習情報課
見やすいサイトができました。
   http://www.saip.ne.jp/ogura/monbusho/index.htm 
ぜひ目を通しておいて下さい。

  文部省ニュース   2000年8月29日夕刊  Asahi.COMより
 学習指導要領、随時見直し
「学力低下」懸念受け文部省が方針転換
 子どもたちに学校で何を教えるかを定める学習指導要領について、文部省は、10年に1回程度のペースで改定している現在の方式を改め、内容の見直しを随時行う方針を固めた。2002年度から始まる次の指導要領では、ほとんどの教科で学習内容が3割程度削減されるが、教育関係者にはそれが子どもたちの「学力低下」を招き、将来に問題を残すのではないかという指摘がある。文部省内にも「絶対に正しい選択だったとは言い切れない」「10年先まで改定しないという姿勢でいいのか」という意見があり、必要に応じて数年単位で内容を見直すという考えでまとまったという。
 文部省は、情報、環境といった新しい分野についても、社会状況に応じて随時指導要領に組み込むようにしたい考えだ。教育課程を見直す基礎データにするため、全国規模の学力テストについても随時実施する方向で検討を始めた。

 学習指導要領は、「どの学年でどんな内容をどのように教えるべきか」を定める教育課程の「国家基準」で、各学校ではこれに従って教育が進められる。指導要領は、戦後日本が独立して以降、10年に1回の改定を目安に、「1958−60年」「68−70年」「77−78年」「89年」の時期に見直されてきた。現行の問題点を見極め、新しく編成するには10年程度の期間が必要というのが理由だった。

 ただし、最近は学習指導要領のあり方に対する批判も多く出ている。近年は詰め込み型から「内容の精選」へと路線を変えているが、2002年度から始まる次回の指導要領では、学校の完全週5日制に合わせて小中学校のほとんどの教科で内容の約3割を削減した。
 しかし、大幅な教育内容の変化について、文部省内にも「ゆとり路線を定めた指導要領を絶対視すべきではない」という声がある。

 大学生なのに分数の計算が解けない、簡単な漢字の読み書きができない、といった「学力低下」は国民的な議論になっている。こうした中で文部省は、「後々に禍根を残さぬように検証のスピードを速め、問題点が見つかれば早めに手を加えるべきだ」と判断したという。数年単位で教育課程を見直し、教える内容を増やすことも視野に入れている。

 大島先生より、生き方を学びながら、豊かな心をもって自己形成をめざす生徒の育成−地域の教育力を生かして−を発表していただきました。 ここでは、「テーマについて」より、一部抜粋して紹介します。地域の教育力の持つ意味が、たいへんわかりやすくまとめられています。

地域とは、生徒にとって生活の全領域である。そこには学校を越えた多様な空間があり、関係があり、営みがあり、人々がいる。また、生徒たちはやがて地域社会の中で何らかの位置を占め、それなりの役割を担っていくことになる。いわば「将来にわたって生きる舞台」である。そうした地域に関わり、考え、行動することによって、次のような能力や姿勢を養うことができると考えている。
・ 地域社会の多様な人々の生き方にふれることで、社会的存在としての自分に気づき、自己の生き方を、社会との関わりの中で考える姿勢を身に付ける。
・ 自分たちの生活を支える人々の生の姿を見、声を聞くことにより、社会が成り立っていくためには相互の信頼と献身、責任ある姿勢が必要であることを理解する。
・ 社会への責任と義務の意識に支えられた生き方にふれ、将来のよりよい生き方を真剣に追求する姿勢を培う。
・ 地域の問題をとらえ、その解決を模索する活動を通して、地域の主人公としての意識と、地域に貢献し、地域づくりに参画していこうとする意欲を持つ。
・ 多様な経験を積み、多様な考え方にふれることで、他を認め合う心情や多面的で柔軟性のあるものの見方を身に付ける。
・ 人々とふれあい、積極的な自己表現をすることで、社会に生きるために不可欠なコミュニケーション能力を身に付ける。
・ 学校で学んだ事柄を実地に試し、フィードバックする経験を積むことで、より確かな学習姿勢を身に付ける。

 具体的な内容では、犬東中が取り組んできた犬山郷土学習、琵琶湖自然教室、働く人に学ぶ会、職業体験学習について紹介されています。
 
● 上記参考文献として、次の本を紹介していただきました。
 『子どもの社会力』門脇厚司著 岩波新書 \660
ここでいう「社会力」とは、一つの社会を作り、その社会を維持し運営していく力、社会生活とは相互行為の繰り返しであり、相互行為が繰り返されることが社会生活を成り立たせていることだそうです。地域の教育力を考えるには最適な本です。

☆ 木本先生より、教育論文について紹介していただきました。テーマは、個々の障害に応じた支援のあり方を求めて〜言語障害通級指導教室「江南市ことばの教室」の指導を通して〜です。 
 研究の仮説は、「障害の状況を3つの要素からとらえて、それぞれに対して効果的なアプロ−チを支援をすれば、児童自らが障害に立ち向かい克服に向けて歩み出すであろう。」
で、ウエンデル・ジョンソンの言語相関図が理論の根底にあります。
 この相関図は、X軸に障害の具体的な症状、Y軸に障害に対する周囲の人の評価や反応、Z軸が障害の症状や周囲の評価や反応に対しての自分自身の反応とし、それぞれの強さを一辺とした直方体の箱を作ります。その箱の大きさが言語障害の大きさ、箱の形が問題の質を表します。
 これは、あらゆるカウンセリングに応用が利くように思います。
 
このほか、インリアルアプローチ、キャットボール理論についてもお話をうかがいました。

● 次に休み中に読んだ本で良かったものを紹介していっただきました。
 『性の授業死の授業』金森俊朗 教育史料出版会 1996年1月出版 ISBN:4876523002
 \1,500
 『「死」を学ぶ子どもたち』種村エイ子 教育史料出版会 ISBN:48765253525 \1,600
 いずれも、人の命を教材にしたもので、ぜひとも全国の先生方に取り組んでもらいたいテーマだと思います。

● 関連として、布袋小学校の6年生が取り組んでいる総合的な学習の展開を紹介していただきました。命の尊さを知ることから、生きていることの意味とこれからの自分の生き方について考えるです。
 講話として「メイク・ア・ウイッシュ」伊藤さんより活動の内容を、また元江南市教育長野呂正光先生より戦争の体験を話していただくそうです。
 
☆ 高橋先生より「東っ子学びネット」を紹介していただきました。特技のあるないに関わらず、なんでも手伝ってみようという人を結集したいという願いで、授業や行事など学校のさまざまな活動を支援していただけるボランティアを募集するものです。

● 次に、秋の校外学習を紹介していただきました。、10月10日 萩原町の尾崎小と交流を行い、岐阜大学演習林で岐阜大の伊藤先生のお話を聞きながらネイチャーゲーム等で交流をするという内容です。また、詳細は後日。

☆ 勝村先生より、平成12年度カルチャー・フォーラムについて紹介していただきました。「未来に向かって、共に生きよう」をテーマに、総合学習をまとめる場として効果的な設定です。これも詳細は後日。

☆ 奥村先生が吉田綾子先生よりいただいた健康教育資料をいただきました。
日本学校カウンセリング学会研修会で実践発表した資料で、研究課題はすこやかに生きる子どもたちをめざして−『ストレス・マネジメント教育』の試みを通して− 金沢市立緑中学校養護教諭 藤森敦子さんの報告です。
 ストレス・マネジメント教育とは、

ストレスの本質を知り、自己の特性、ストレス耐性を理解し、ストレスの成立を未然に防ぐ手段を習得させることをめざした健康教育である。
 子どもたちが自分自身で自分の出会ったさまざまな困難に対して対処することを前提として、指導者は子どもたちが自分のストレスを自分で管理できるように、必要な知識や技能を提供する形で支援する。

 この資料は、5年生17時間、6年生10時間指導した実践記録です。 
 ストレスマネジメントのサイトははここ
● ことばの教室だより第12号を紹介していただきました。
“ことばをはぐくむ”には次のように書かれていました。「我々は普段何気なく言葉を使っているけれども、言葉を話すということがとても微妙で、張った筒sるまでに細かいステップがあって、とてもたいへんなことである。だから、少しくらいうまく話せないことがあるのは当然で、言葉はゆっくり時間をかけて成長するものであるということです。」

● 奥村先生がまとめられた 発音に問題のある子のことばの育て方 を紹介していただきました。
 6ページにわたる、ちょっとした言葉の事典です。この紙面では紹介しきれませんが、教育の根本でもあるので、近日中に独立してアップしたいと思います。資料 口と舌の体そう もいただきました。

● 書籍を紹介していただきました。『ポートフォリオで評価革命』 鈴木敏恵  学事出版  \2,000

☆ 坪内先生より、小学校実践の発表会終了報告がありました。これも詳細は後日に紹介します。

☆ 野口先生より8月8日に県庁西庁舎で行われました、学校教育のための治水施設見学会・午前の部 の参加報告がありました。
 県建設部河川課環境・海岸グループ 近藤主査からは、河川管理者として川に学ぶ社会を構築する意義についてお話がありました。具体的には、「子どもの水辺再発見プロジェクト(水辺の楽校、水辺の緑の回廊など)」など河川の環境に関わる事業を紹介していただきました。
 詳しくは、建設省河川局のHPから見ることができます。

 安城市立高棚小学校 石川満先生、川澄純子先生からは、稗田川の環境再生に向けた総合学習について紹介がありました。児童は、稗田川を自分たちの川ととらえ、直接川に触れたり地域の人々と交流することを通して、「なぜ?」「どうしたらいいの?」「どうあるべき?」かを考え“劇”として発表しました。
 額田町立大雨河小学校の荻野先生は、校庭に作った窯で炭焼を行い、出来た炭で学校横を流れる乙女川などの浄化を試みた実践、「水辺の学校の開催」、河川堤防への植樹などの事業を発表されました。
 
☆ 野呂先生より、中学校実践についての途中経過報告がありました。
 社会科の時間に、課題の見つけ方、課題解決の方法、発表などの表現力を養い、それを総合的な学習で発揮させること。総合的な学習の時間には、内容知・方法知・自己知を獲得することをねらうことなどが書かれています。
 今後、実戦が始まりますので、そのつど紹介していきたいと思います。

☆ 吉井さんより 教育経験者と農業関係者との連携による 地域と結んだ食と農の「学習事例」応募のお願い を紹介していただきました。
お問い合わせは 〒107-8668 東京都港区赤坂7-6-1 社団法人 農山漁村文化協会 文化部内「新しいライフスタイル等の形成に関する調査研究」係  TEL.03-3585-1149 FAX..03-3585-6466 E-mail nonaka@mail.ruralnet.or.jp
 詳細はここを クリック!

● さらに、すばらしいソフト『日本の食生活全集』を実際に紹介していただきました。農文協から出版されている同全集のCD版です。内容的には、ひとつの日本の文化遺産だと思います。値段は、……さすがです。

☆ 岩井先生より、パソコン用教材「使ってみよう国勢調査データ」を紹介していただきました。次のような特長があります。
 ・国勢調査データや社会生活指標データを各行政区単位に数値で見ることができます。
 ・行政区単位で表やグラフ、分布図を表示することができる。
 ・行政区(都道府県単位から町丁字単位まで)で人工ピラミッドを簡単に表示できる。
 ・住所検索機能で、指定したエリアの地図がすぐ表示できる。
 ・地図の背景に国土地理院の地図画像を重ねることができる。
 使いこなすことができれば、とても便利なソフトです。

〒107-0062 東京都港区南青山6-3-9 大和ビル2F
 財団法人 統計情報研究開発センター TEL 03-5467-0481  FAX 03-5467-0482
   http://www.sinfonica.or.jp/ 

☆ 山田先生より野田武男さんの著書『いのちの絵筆』(鹿砦社 \1,200)の紹介がありました。野田さんは、この会で何度も登場している方ですが、プロフィールを紹介します。

 1944年三重県津市生まれ。野田鉄工を興すが、83年仕事上の事故で7mの高さから転落、以来全身麻酔となる。87年5月、死を見つめる絶望の日々から立ち上がり、口に筆を加えて絵を描き始める。風景画、人物画に挑戦していくなかで、98年10月には、「暁」が三重県松阪市展に入選。その後、地域の公共施設などで絵画展を開き、その生命感あふれるに好評を博している。

 さっそく土井も購入し、イッキに読みました。生の証とは、絶望と希望、家族、夫婦・父娘などいろいろ考えさせられました。何カ所は涙が出そうになりました。野田さんのページはここ
 また、野田さんの肉筆画を紹介していただきました。明るく、赤ちゃんが飛び出してくるような生命感あふれる絵に圧倒されました。

● 次に、総合的な学習にかかわる論文を紹介していただきました。
 「総合的な学習と教科の関係−教科で学んだ基礎・基本を「総合」の現実的問題解決学習に生かす−」児島邦宏(東京学芸大学教授)
 要旨のみ紹介します。

・ 「知の総合化・知の実践化」という架橋によって、総合的な学習と教科の学習との基本的な関係は、お互いに支え合う相補の関係にある。特に教科は、現実的世界に立ち向かう総合的な学習の“武器”である。
・ また、分析的で因果論的な教科で育てられる認識の方法は、そのままでは複雑に入り組み、たえず変化する現実世界を見る眼へとはつながらない。教科の眼を総合する新たな認識の方法が求められてきている。
・ 特に総合的な学習では、「挫折や失敗体験を組み込める」という教科ではやりたくても難しい学習の方法が可能である。このことは生きる力の核心を占めるものである。さらに新たな教師の力量形成が期待されている。

「総合的な学習と教科の関係−教科のレベルでなく、内容レベルで適切な関連づけを!−」安彦忠彦(名古屋大学教授)

・ 総合的な学習と教科学習の関係を、教科というレベルでどうすべきかを論ずることには無理がある。教科の内部の単元ないし内容レベルで考えれば、多様な関連づけができる。こうでなければならないと考えるべきでない。
・ 試みに、手段型、横断型、総合型、分業型、並立型といった類型化を行ってみた。このどれかでなくてはならないのではなく、どれでも、またこれらの組み合わせでもよいのである。要は目的に応じて適切なものにすればよい。
・ この点では、教師の意識が明確になっていなければならず、関連づけをしっかりメモなどして忘れないように心がけなければならない。

  出典は共に『指導と評価2000.5』(日本図書文化協会)

      問い合わせは 土井謙次  syaraku@tcp-ip.or.jp