埼玉県春日部市立谷原中(生徒数315)は、学期ごとに実施される中間・期末試験を今年度から廃止した。学校側が「日々の授業に緊張感が増した」と成果を強調する一方で、保護者からは「家で勉強しないので心配」という声が漏れる。
定期テストの廃止は1998年、栃木県鹿沼市立東中が全国の公立中に先駆けて打ち出し、注目された。だが、その試みはほとんど波及していないのが実情だ。文部科学省や県教委も「他の例は聞いたことがない」と話す。
谷原中が廃止を決めたのは前任の校長の提案からだった。新学習指導要領が導入され、生徒への評価が相対評価から絶対評価に変わるのを前に昨年末、教職員に打診した。「定期テストの成績に重点を置く従来のやり方では、新しい評価の徹底を図れない」という観点からだった。
「教職員の間でも不安が大きかったが、最終的には意識改革を訴える校長の主張を受け入れた」と斉藤彰男教頭は振り返る。4月に赴任した野尻国雄校長も「正直言って不安だった。だが、いったん決まった方針を覆すわけにはいかなかった」と説明する。
定期テストを廃止する代わりに同校は、科目ごとの小テストや単元テスト、それよりも長いスパンでの理解度を見る「あゆみ診断テスト」のほか、学力診断テストを1・2年生は年1回、3年生は3回実施することにした。評価はこうしたテストの結果だけでなく、日々の授業態度やレポートの提出状況などにも重点を置くことも確認した。
斉藤教頭は「教員の負担は3、4倍になったが、その分、授業態度に緊張感が増した」と話す。同様の方法を取り入れている鹿沼市立東中は「進学状況もいい方向に向いている」(三添憲公校長)という。
一方、保護者の間には不満がくすぶっている。1年の女子生徒の母親は「自分のことを振り返っても、テストがあるから勉強していた。早く復活させてもらいたい」と訴える。2年女子の母親も「不安に思っている親の方が多い。塾に通わせるようにした家庭も増えた」と話す。
学区内の小学生の保護者の中には、子供を私立中に進学させようとする人も少なくない。6年男子の母親は「公立の地盤沈下が叫ばれているのに定期試験がなければ、なお不安。周りでも私立進学の動きが目立つ」と話している。
生徒たちの反応は複雑だ。「廃止と聞いた時はうれしかった」「授業をまじめに聞くようになった」と話す生徒がいる一方で、「進学を控えているのに大丈夫かなあと思った」と打ち明ける3年の生徒もいる。3年のあるクラス全員に取材すると「廃止になると聞いた時、よかったと思った」のは79%、「今現在、よかったと思っている」のは18%に減っている。
ここまで詳細なレポートはありがたい。これから導入を検討している学校に参考になるだろう。新しい学力観一本で行くのなら、この学校の方針は正しい。ペーパーテストはほとんど知識・理解しか計れないことは、良識ある教師は知っている。ただ、知識=学力観が抜けきらない大人を説得させることは、さらに、高校や大学入試にどう対応するかは大きな課題だろう。
効率的かつ効果的な公共サービスの提供を図るという行政改革の一環で始まったPFIと学校建設が相容れるかは以前から議論になっていた。古川市の勇気?ある取り組みには注目したい。
NTT−Xは、NTTドコモのM−ステージを利用してPDA向けのモバイルeラーニングの実証実験を始めた。企業の業務用PDA向けの有力コンテンツにするため、来年2月25日まで実験を行う。NTT−Xが日本語版を提供している英国の「クエスチョンマーク社」のeラーニングソフト「パーセプション」を利用して、テスト教材を配信・採点するサイトをネット上に構築。利用者はドコモのPHS網を通じてサイトにアクセスし、学習を行う。回答を入力し送信すると、自動的に正解、解説が表示される。管理者はサイトで生徒の成績、進行具合などを確認できるほか、個別指導も可能な双方向性を取り入れた。実験中にパソコンなどによるアクセスも実現する。
京都市教委は、来年度から市立の幼稚園・小中学校で2学期制の導入を認める。3学期制を定めている管理運営規則を年内に改定し、校長が2学期制、3学期制のどちらかを選ぶ。2学期制では9〜10月をめどに1年を前後期に分割。夏休みを短縮して秋休みを設けるなど、校長の裁量で長期休業を設定できるようにする。
2学期制は全国で一部の私立学校や公立高校が導入済み。公立小中学校では、宮城県仙台市教委が全国に先駆けて今年度から実施し、大阪市教委や香川県丸亀市教委も導入を検討している。
京都市教委によると、導入すれば学期末などの行事の削減によって学習時間が確保できる▽長期的な授業計画を立てられる――などの効果が期待できるという。現在、市内の小学校約20校が導入を希望している。
仙台市に続き、京都も本格的に導入を始める。ユニークなのは統一しないこと。当然、休みや行事も学校によって変わってくる。その不都合が、学校の既成概念を取り払うのに一石を投じるかもしれない。
大阪府教委は今年、教員採用試験の社会人枠を創設した。社会人枠には236人が受験し、54人が合格(倍率4・4倍)。少年鑑別所教官、銀行員、ファストフード店長ら多彩な経歴を持つ人たちで、来春から大阪府内の公立小中学校などで教壇に立つ。
勤務先の銀行が2度も破たんした佐藤裕宣さん(35)は「悲観的にならず生きていれば、いいことがある。それを実感で伝えたい」。大阪少年鑑別所で約7年間、教官を務めた新本慶太さん(28)は元々、教員志望だった。「義務教育も十分受けていない子供たちを見てきた。自分なら、学力の低い子供たちにもきめ細かい教育ができる」と話した。ファストフード店長の宮城龍一さん(33)は高校卒業後、5年間アルバイトをして大学に入り、小学校の教員免許を取った。「挫折で味わったつらい思いを話してみたい」と期待を込めた。
民間のノウハウを学校運営に生かしてもらおうと、高知県教委は2003年4月、教頭、校長就任前の管理職教諭を県内企業に派遣、実務経験を積む「社会体験研修制度」を導入する。1年目は2人を対象に、2社に半年ずつ派遣の予定。大崎博澄教育長は「児童や生徒、保護者がサービスの対象者であるという認識が教育現場で広がれば」と期待している。
土佐経済同友会(横田英毅、日和崎二郎代表幹事)の提言を参考にした。企業的な経営感覚を教頭、校長に持ってもらうのが目的で、具体的には、現場でのサービスなどを経験するほか、業界団体の会議に参加して経営者の仕事を学び、経営感覚を身につける。学校に戻ってからは▽地域住民との交流を図るなどの企画を立案する▽学校予算の執行や教職配置をより合理的に行う――ことなどを期待している。
ボランティア体験や接客を通じて幅広い感覚を身につけてもらうため、県教委は97年度から採用2年目の教諭を対象に福祉、宿泊施設などで半年の社会体験研修を実施している。今回はいわば“管理職版”の民間派遣事業。文部科学省によると、教頭、校長予定者が民間企業で研修する例は少ないという。
高知もいろいろとやっている。教頭や校長にやらせることはいいことだ。そもそも税金でやっているものはサービス業だという発想が必要。学校もサービス業だと思うと、姿勢も変わってくる。
9 MM紹介
注目のMM(メールマガジン)を、その記事の一部を引用しながら紹介します。
(1)ごまめの歯ぎしり メールマガジン版 河野太郎の国会日記
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高円宮憲仁親王殿下葬儀。朝、七時半、バスで高輪宿舎発。八時十五分、第二議員会館を専用バス発。
九時前に豊島岡墓地着。
男子はモーニングコート(チョッキ、ネクタイは黒)または紋付羽織袴又は制服など。
女子は通常の喪服又は制服など。外套着用可。
休憩室には紅茶や緑茶が用意されている。トイレは、男子用2、女子用4の割合で設置され、参列者は圧倒的に男が多く、男子トイレは長蛇の列。式典前に並んでいると、たまたま森元総理の後ろになってしまった。おい、ちょうどいいところに並んだなと、トイレの行列待ちの間、いろいろとご指導を賜る。
九時十分頃、車が高円宮家を出発したとのアナウンスが流れ、着席して待つ。
以下段取り。
皇族が御参進 皇族が御着席 御列が総門前を御出発 御列が葬場前に御着(幔門を閉じる)
喪主、御列の皇族が幄舎へ(幔門を開く)喪主、御列の皇族が御着席 勅使、皇后宮使が幄舎へ
勅使、皇后宮使が御着席 奠饌幣 祭詞
勅使、皇后宮使が御拝礼、御退出 喪主が御拝礼、御復席
皇族が御拝礼、御退出(一部の皇族は御復席)参列諸員が拝礼、退出
総理、両院議長の拝礼の後、議員で最初に拝礼したのは、ご親族に当たる麻生太郎代議士。高円宮とは義理の兄弟に当たる。席もご親族の席だった。
参議院議員は葬場向かって右の右幄舎、衆議院議員は左幄舎。右幄舎は、皇太子殿下ご夫妻をはじめ、皇族、親族、総理及び議長経験者、大臣、副大臣、最高裁判事、参議院議員など。
左幄舎は、総理大臣、両院議長、外交団、衆議院議員、各県知事、議長など。
政務官は、認証官でないため、一般議員扱い。外交団の拝礼は、最初にカナダ大使、次に外交団長のジブチ大使、その後は、到着順。議員の拝礼も到着順。
拝礼は、一礼するのみ(少なくとも参列諸員と言われる我々は)。
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(2) 日刊・小学校教師用ニュースマガジン NO 1026 ─
■─── 11月30日(土) 編集・発行 蔵満逸司 読者7311人 ─
澤栄美■総合で「いのち」に取り組む
連載 命と体を見つめる
総合で「いのち」に取り組む 熊本市 澤栄美
昨年度、6年生で取り組んだ「いのち」をテーマにした総合学習。
「いのち」について考えを深め、深めたものを劇の形で発信するというものでした。
私たちは、子どもたちが「いのち」についての考えを深めるための一つの支援として、3時間の授業を計画しました。1時間目が「死」を通して「いのち」を考える授業。2時間目が「誕生」を通して「いのち」を考える授業。そして、3時間目は、種村エイ子先生による「いのち」の授業です。
私たち指導者側が子どもたちに捉えてほしかった「いのち」は、生きることあるいは人生そのものです。ですから、子どもたちには、総合学習の取り組みを通して、それぞれが「確かに生きること」について考えを深めてほしいと思っていました。そして、そのためには「誕生」と「死」の間にある「生」を意識させることが必要だと考えていました。
なぜ「死」について先に授業をし、「生命誕生」を後の授業に持ってきたかは前々回のレポートで指導者の思いを紹介しましたので、ここでは省きます。
さて、前回と前々回のレポートでは、1時間目の「『死』を通して『いのち』を考える授業」について紹介しました。子どもたちの感想にも見られたように、子どもたちは、「死」をただ悲しいもの・怖いものとしてではなく「生きた証」「共有した時間の証」として、考えてくれたと思います。
今回は、「誕生」を通して 「いのち」を考えさせる授業について報告します。
誕生を通した「いのち」の授業の流れ
目標:母親の手を借りながら、自分自身が、受精した瞬間から「生きる」営みを続け、また誕生の時 にも「生まれる努力」をしていた事を知ることで、「生きていく」そのものが素晴らしいと感 じることができる。
「いのち」ってなあに?
「いのち」の始まり(生命誕生)について考えよう
1. いのちの始まりがいつか考える
私たちのいのちが生まれたのは、いつでしょう。
受精の仕組み・胎内での成長の様子を、ビデオを使って見る。 (万物創世記より)
2. 胎内での成長を確認し、胎内で胎児がどのように生きていたか考える。
各時期の胎児の写真を見て、受精から出産直前までの胎児の成長を知る。
胎内で成長していくために、どのような努力や仕組みがあるでしょう。
○母親側(生理的な仕組み、努力)・・体型の変化、妊娠中の努力など
○胎児側(仕組み)・・・へその緒、胎盤、羊水
※母親の努力だけでなく、胎児側にも生きるための仕組みが色々あることをお
さえる。
3. 出産の際の胎児の様子を知り、自分たち自身も「生まれようとしていた」ことを確認する。
出産の時の母親の様子と共に胎児の「努力」を、ビデオを使って見る。(NHKスペシャル「生命」)
※出産が、母親と胎児の共同作業であることに気づかせる。
4. 感想を出し合い、「生命誕生」に関する気持ちを共有する。
これまで、生命誕生を扱った授業では、生命誕生の神秘や母親の努力・家族の愛情などを中心に行ってきましたが、今回の授業では、胎児側の生きようとする意志(意識はしていないと思いますが)にスポットをあてた流れにしました。
子どもたちの感想の中にも、そのあたりをしっかり捉えたものが多く見られました。次回は、児童の感想を中心に紹介します。
NO 1025 より 佐々木彰■おきかえる力 を別紙で紹介しました
(3)ALE(エール)マガジン No.67より
【1】ALE−Netの紹介:国語のとびら「手と心で読む」を紹介します。
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今回は「国語のとびら」の中から、4年生の単元「手と心で読む」をご紹介します。
このページでは、私たちの身の回りにある点字、点字図書館、点字に関わっている人について調べることができます。点字の存在やその意味を知るためのページです。
■「手と心で読む」のトップページ
「手と心で読む」は、次の3つの内容で構成されています。
▼身の回りにある点字をさがしに行こう
公衆電話、信号、ポストなど、私たちの身の回りにある点字を紹介しています。点字の存在に気づくと同時に、点字の役割について考える際のきっかけとして使ってください。また、小学生が点字についてまとめたホームページも紹介しています。
▼点字図書館はどんなところ?
点字図書館では、点字の本を貸し出すだけでなく、点字を作成したり、本を音で読むことができるようCDやテープの制作などもしています。点字が、どのようにして作られ、どのように提供されているのかを知ることができます。
▼点字を使っている方やボランティアの方にインタビュー
点字図書館で仕事をしている鈴木さんと、点訳ボランティアをしている斉藤さんに伺った話を紹介しています。鈴木さんは、目が不自由な方の立場から、日常生活の中で日々感じていることについて、斉藤さんは、点訳サークルの活動内容や今求められている点訳について語っています。
点字への関心を広げるための材料として、ぜひご活用ください。
(4) 授業に役立つホームページ
〜学校で学ぶ英語からちょっと離れて〜 齋藤智世
今回は、時事英語など学校で学ぶ英語とは一味違った英語と接することができそうなページをいくつかピックアップ。冬休みなど時間にゆとりがあるときに、子どもたちがトライしてくれるといいですね。
今話題になっている出来事やカテゴリ別に、専門的な用語が英語と日本語で併記されています。もちろん検索もできます。TOOLには英語のニュースの読み方や英文ニュースがあります。
「いきなり専門的な記事の時事英語はちょっと敷居が高い」と言う人には、次の新聞社のページをどうぞ。
読売新聞社の教育関連の子ども向けサイトです。[日英対訳&解説 読売社説]では、解説つきで社説の英訳が出ています。[The Daily Yomiuri]には、英文記事だけでなく文章を読み上げてくれる機能がついているので、ヒアリング体験ができます。[使える英会話]はYomyClubへの会員登録(無料)が必要です。
もどうぞ。
●たくさんのお話が英語化されている『日本昔ばなし話』
Kudoさんのページです。130余の昔話と日本のわらべ歌や子守歌の英訳、日本の歴史、日本文化も英語で紹介しています。昔話の中には、日本語と英語の両方が揃っているものもあるので、読み比べることもできます。
その他、クイズやパズルで楽しく英単語を学ぶページもたくさんあります。
先生向けのページもご紹介。
Matsudaさんのページです。魅力的なのは豊富なリンク集[英語教育関連のサイト]だけではありません。自己評価表などの[評価のアイディア集]、英語学習のコンテンツが詰まった[基礎からの英語教室]や[コミュニケーション活動集]もあります。
出典 ◆◆◆ 火曜の会メールマガジン ◆◆◆ 東京は雪で大混乱 の 第79号より
10 【ワールド・ウォッチ】台湾 台湾の教育制度と高雄日本人学校
□□85階建てのビルがそびえる高雄市
高雄市は台湾第2の大都市で、2002年4月に人口150万人を突破した。市の中央部には85階建てのビルがそびえ、台湾南部の中心となっている。造船、製鉄、石油化学などが盛んな台湾最大の工業都市でもあり、高雄港は世界有数の大貿易港の1つである。
工業区には多くの日系企業が進出している。台湾の人々はとても親日的である。通勤ラッシュ時のバイクの群れは高雄の名物。ここ数年、車やバイクの量が急激に増え、交通渋滞が市内のあちこちで見られるようになった。しかし2007年の完成予定で、地下鉄工事が始まっている。
□□台湾の教育制度
台湾の教育制度は就学前教育、国民教育、中等教育、高等教育に分けられている。就学年齢は満6歳で、義務教育は国民小学6年間と国民中学3年間である。中等教育には高級中学3年(日本の普通科高校に相当)と高級職業学校3年(同職業科高校に相当)がある。
また高等教育には、高級中学と高級職業学校を卒業した者が入学する大学、独立学院がある。一般の大学と独立学院は4年制だが、教育学部は5年制、歯学部は6年制、医学部は7年制となっている。このほかに、小学校教員養成の師範学院や軍官学校等もある。
□□台湾の伝統文化や特性を生かして
高雄日本人学校は、1969年に高雄日本人親睦会高雄日本人小学校として開校。今年で創立33年を迎える。教育目標を「海外にあるという特性を生かして、生きる力と国際性を身につけた心身共に健やかで、知・徳・体のバランスのとれた日本人を育成する」とし、台湾の伝統文化や特性を生かした教育課程の編成と実施に努めている。
特に、台湾の現地素材を生かした体験学習や現地校との交流活動を総合的に実施している。また、台湾にある他の日本人学校(台北日本人学校、台中日本人学校)との交流活動も行っている。
また小学部で週2時間、中学部で週1時間の中国語の授業を設けている。中国語の授業と連携を取りながら、台湾の3大節句(春節、端午節、中秋節)を教材化し、それぞれの由来や習慣について学び、体験学習を進めている。
□□児童生徒数
●小=123人 ●中=47人
【ワールド・ウォッチ】サウジアラビア サウジアラビアの教育制度とリアド日本人学校
□□月とともに生活
サウジアラビアは、アラビア半島の大部分を占める広大な国。しかし国土の約95パーセントが土漠・砂漠で覆われている。リヤドは、最高気温が45度を超え、酷暑と乾燥が人々の生活に大きな影響を与えている。
ここでは、月は人々に癒(いや)しをもたらしてくれるものである。夜になると、人々は土漠に繰り出し、月の明かりに照らされながら、アラビックコーヒーを片手に語らいの時を過ごしている。急がず、ゆったりとしている国民性は、過酷な自然を生き抜く中で培われたのであろう。
1日に5回のサラー(祈り)の時間になると、あちこちにあるモスクからアザーンが聞こえる。このサラーの時間は、すべての商店や官公庁も閉まり、アラーの神に祈りを捧げる。首都リヤドが、昔ながらのアラビアの一部であることを感じさせる時間でもある。
□□サウジアラビアの教育制度
サウジアラビアの現地校は、宗教上の理由で小学校から男女別学になっている。授業料等は無償である。しかしイスラム教徒であることが条件であり、授業もアラビア語で行われるため、邦人の就学は難しい。
□□コリアンスクールと交流学習
リアド日本人学校は小規模校であるため、休み時間などは異年齢集団で仲良く遊んでいる。昔の日本の子どもたちが路地裏で遊んでいたときの様子によく似ている。もめることもままあるが、そうしたなかで子どもたちは「生きる力」を身につけている。
現地校やインターナショナルスクールとの交流会や現地理解学習、暑い気候を生かして4月から9月まで行われる水泳学習、地域の史跡や工場を見学する見学学習などが挙げられる。また、週1時間のアラビア語の授業や週3時間の英会話の授業にも力を入れている。特に英会話については、現地採用講師と政府派遣教員の複数担当制で、きめ細やかな授業を行っている。
今年度は、5月にコリアンスクールとの交流学習を実施した。リアド日本人学校は、児童生徒が1輪車や竹馬、そしてけん玉などを自分たちの遊びとして、またおみこし担ぎと「ソーラン節」を日本文化として披露した。コリアンスクールは、テコンドーの披露とリコーダーの演奏があった。
□児童生徒数
問い合わせは 土井謙次 syaraku@tcp-ip.or.jp