第231回 社楽の会報告    第230回へ    第232回へ   TOPへ
                                           
報告者  土 井

2005年6月23日(木)布袋北学習等供用施設にて社楽の会を開催しました。参加者(勤務校)を紹介しましす。
土井、高橋先生(門弟山小)、早川先生(江南北中)、大野先生,奥村先生(岩南小)、尾関先生(曽野小)、栗山先生(木曽川東小)、杉田先生(大西小)、岩井先生(木曽川中)、野沢先生(柏森小)、大島先生(古知野中)、高木先生(犬山中)、浅井先生(五条川小)、斉木先生(犬南小)、寺谷先生(高雄小)、勝村先生・布目先生(楽田小)の17名でした。

 土井より、今回紹介したものの目次です。番号をクリックしてください。

 ODA参考資料
吉野弘一氏講演会報告
 JR東海・JP西日本株主総会レポート
 教師力アップセミナー報告  
 人権ビデオ紹介
 便利Web特集 
 教育関連情報
 編集局デスク
 メルマガ紹介
10 耳寄り情報

ODA参考資料
 7月に中国のODA事情視察が決まり、ODAについていろいろ調べています。
○ 政府開発援助ODAホームページ http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/ 
○ (財)日本国際協力システム http://www.jics.or.jp/ 
○ 独立行政法人 国際協力機構ODAジャーナリストのつぶやき
    http://www.jica.go.jp/jicapark/odajournalist/     
○ ODA情報センター 国際協力プラザ  http://www.apic.or.jp/plaza/ 
○ 国際青年環境NGO  A SEED JAPAN  http://www.aseed.org/ 
○ 日本開発サービス   http://www.jds21.com/ 
○ 政府開発援助(ODA)白書のあらまし
   http://www.npb.go.jp/ja/books/whitepaper/aracontents/seifukaihatsu/050209/siry0209.htm 
○ 第7章 ODA(政府開発援助)『ODAの実態と見直しの必要性』 00E2155 田中 盛康
     http://taweb.aichi-u.ac.jp/leesemi/ronsyu5/2.7.tanaka.htm 
○ 政府開発援助大綱
 http://www.gsid.nagoya-u.ac.jp/sotsubo/%90%AD%95%7B%8AJ%94%AD%89%87%8F%95%91%E5%8Dj.htm 

冊子の資料を紹介します。
「世界の動き 経済協力Q&A」世界の動き社
「ODA民間モニター報告書T期・U期」「よりよい明日を世界の人々と」「GUIDE TO JICA」国際協力推進協会
「JBIC TODAY」「日本のODAプロジェクト」「円借款と私たち」国際協力銀行
「ODA 日本の政府開発援助」外務省
 吉野弘一氏講演会報告
  平成17年6月14日(火)に中小企業センターで行われた愛知県社会教育委員連絡協議会総会における記念講演会の様子を別紙で紹介します。                           
 『義務教育改革等について』文部科学省初等中等局視学官 吉野弘一氏
    内容はここ
 JR東海・JP西日本株主総会レポート
 6月23日(木)ウェスティンナゴヤキャッスルで行われたJR東海の株主総会の様子、さらに岩井先生が大阪で参加したJR西日本株主総会の様子を口頭で報告しました。兄弟のような会社ですが、総会の運営方法など、随分違いを感じました。
 
 教師力アップセミナー報告
   6月11日(土)「教師力アップのためのコーチング入門セミナー」
     イノベーションアソシエイツ株式会社 代表取締役  河北 隆子先生
 授業力からクラス運営力まで教育現場において教師に必要とされるベーシックなスキルを体感、体験を通して学習し、「教師力」の基礎を学びました。
      http://school55.net/cgi-bin/kyoushi/kiroku/17/2/index.html 
  『教師力アップのためのコーチング入門』(明治図書)河北隆子 著 
 
 人権ビデオ紹介
 人権学習に関するビデオは、丹葉地方視聴覚ライブラリーの他、愛知県県民生活部県民課人権同和対策室で借りることができます。さっそくいくつか視聴してみました。借用は、052-954-6167 で予約、ビデオの運搬は土井に相談してください。
 『ひびけ!和だいこ』アニメ、22分。学習発表会のために公民館で練習していた啓吾は上達が遅いために練習からはずされてしまう。そんな時、地域住民からうるさいので練習の中止の申し入れがあり、一方的に練習中止を言い渡される。担任から、子どもにも意見表明権があることを教えられ、地域の大人達と話し合うことにする。生活する権利か練習する権利か。その時三木が啓吾から練習する機会を奪っていたことに気付き、啓吾に謝る。それをきっかけに大人と子どもに心の交流が生まれる。小学生以上
 『バースディレストラン』実写、30分。父の突然の死によって一人ぼっちになった泉は、両親の離婚以来一度も会っていなかった母と暮らすことになる。母のことはもちろん、離婚の原因さえ知らなかった泉は、暮らし始めた場所が同和地区だと知り困惑する。そんな泉の元へ一つの招待状。それは、毎年父と一緒に誕生日を祝ったレストランからのものだった。感動の物語。小学校高学年以上。
 『美しいメッセージ』アニメ、27分。大阪市の制作で、同和問題を一人の女の子の訴えを通してストレートに告発し、啓発している。中学生以上。
 『友情のキックオフ!』アニメ、26分。名古屋市・名古屋市教育委員会制作
 少年サッカーチームを舞台に、偏見や差別に対する子ども達の姿を取り上げている。 
 『にんげんの詩』アニメ 26分。
 ふとしたことから部落差別の問題に直面したミツコが、その差別の根元を追い求め、時空を超え、幻想的な旅を続ける姿を通して、差別がいかにいわれのないもであるかを明らかにしている。社会科の授業でも使用することができる。
 『人権を考える!女性とこどもと母親』実写、30分。
 3組の親子を通して、同和問題、在日韓国人の問題、女性差別の3つの差別に戸惑いながらも、子ども達の純粋な姿に触発され、不当な差別に対して少しずつ目覚めていく。
☆★☆ コメント ☆★☆
 同和問題と縁が薄い地域の人は、よくこう言います。「この地域では問題がないから、あえて教えなくてもよいのではないか」
 それは違います。正しい知識・理解がないと、その子がいざ差別の現場に出くわすと、差別する側にまわるからです。それに対して、正しい知識・理解を身につけた子は、将来そのような場面に出くわしても、少なくとも差別する側にはまわりません。
 だからこそ、同和教育は必要なのです。
6 便利Web特集
(1)「世界の人口」を毎秒リアルタイムで表示するサイトです。http://arkot.com/jinkou/index.htm 
 アメリカに類似のサイトはあるが、これは日本の子供たちにもわかりやすくとリメイクしたもの。地球のことや、平均寿命のランキング、簡単なクイズもある。
 
(2)平成17年版科学技術白書 文部科学省
  http://webdk2.sorun.co.jp/cgi-bin/INCOMING?SEND_KEYWORD=056FHv-005160_4 
  毎年出される科学白書。すべてサイトで閲覧可能。20世紀の科学の発展と21世紀の展望がまとめられているので、授業資料としても使える
 
(3)おもしろ科学教室 http://www.gakujoken.or.jp/omoshiro/index.html 
 動、食、音、光をテーマに、それぞれおもしろ実験が紹介されている。
(4)キッズ外務省 国旗やデータ集で霞ヶ関から世界の国をひとめぐり
  http://webdk2.sorun.co.jp/cgi-bin/INCOMING?SEND_KEYWORD=056AHV-5a928c_3 
「世界の学校を見てみよう」では、各国のエリート学校生活をさわりで紹介。
 
(5)みんなで防災
 内閣府防災担当は、市民、学校、企業、町内会、ボランティア、NPOなどの方々が、防災の取組を考える際、役に立つ情報やノウハウを提供するページ「みんなで防災」をオープン。世界にも知られている実話に基づいた津波から村人を救った物語「稲むらの火」も紹介。
http://www.bousai.go.jp/minna/index.html 
 
(6)「梅雨入り」「梅雨明け」の発表
 前日や当日が『曇りや雨』の天気となり、翌日以降も、週間予報などで『曇りや雨』のぐずついた天気が続くと予想される場合に「梅雨入り」と気象情報で発表。北海道では、はっきりした梅雨の現象はないとされているが、年によっては、一時的に前線が停滞し、『えぞ梅雨』という言葉も。
http://www.asahi.com/special/june2005/TKY200506120198.html 
 
(7)中国におけるNO2濃度の増加を衛星データで実証
 欧州の対流圏大気化学衛星のデータを解析することにより、中国における二酸化窒素の大気中濃度が1990年代の後半から増加し続けていることを定量的に実証。我が国で光化学オキシダント濃度が増加し続け、原因として大陸からのオゾンの長距離越境汚染の影響が懸念されている。
http://www.jamstec.go.jp/jamstec-j/PR/0506/0617/index.html 
 
(8)警察庁のインターネット安全・安心相談
 警察庁がインターネット安全・安心相談サイトを開設。インターネット上での困りごとについて、「相談窓口」で基本的な対応策等をお知らせ。 また、「情報受付窓口」で情報提供を受け付ける。 最近多く寄せられている相談事例は、「よくある相談」や「事例検索」で紹介。
http://www.cybersafety.go.jp/ 
 
(9)「図書館」に関するサイト
☆国立国会図書館 http://www.ndl.go.jp/ 
  資料検索、蔵書データベース、調べ方案内など。電子展示会・ギャラリーもお勧め。
☆Webcat Plus http://webcatplus.nii.ac.jp/ 
  全国の大学等の図書館や出版社などが有する図書情報データベース。連想検索も可。
☆図書館員のためのインターネット http://www2d.biglobe.ne.jp/~st886ngw/ 
  大学図書館に勤務する管理人による図書館日記。図書館・情報学関連のリンク集も。
☆われわれの館 http://www5b.biglobe.ne.jp/~wir/ 
  図書館司書への就職を支援。採用試験情報、就職用資料、コラム、人材バンクなど。
☆青空文庫  http://www.aozora.gr.jp/ 
  インターネット電子図書館と言えばココ。著作権の消滅した作品を電子化して公開。
☆ACADEMIC RESOURCE GUIDE http://www.ne.jp/asahi/coffee/house/ARG/library.html 
  全国の専門図書館のリンク集。ジャンル別。こんな図書館もあるのかぁ、と面白い。
 
(10)「サッカー」に関するサイト
☆サッカー日本代表ネットワーク http://www.soccer.jp.org/ 
  日本代表ニュースをはじめ、国内外のサッカー情報を毎日随時更新。リンクも充実。
☆NIKKEI NET サッカー@エクスプレス http://sports.nikkei.co.jp/soccer/  
  最新情報を随時更新。日本代表情報、W杯ドイツ大会、海外ニュース、コラムなど。
☆サッカー名選手館 http://www.geocities.jp/fb_museum/ 
  過去・現在における国内外「名選手」のプロフィール、各種記録などを解説付きで。
☆Jリーグキャリアサポートセンター(CSC) http://www.j-league.or.jp/csc/ 
  引退選手の就職を支援。OB紹介ページなどセカンドキャリアを考える上でも参考に。
☆ダイナミック・サッカー http://kaiho.ei.tohoku.ac.jp/kyozai/ 
  サッカーを題材に科学を学ぶWeb教材。子どもやインストラクター向けに動画を利用。
☆少年サッカーの為のマッサージ教室 http://www.geocities.co.jp/Athlete-Samos/3946/ 
  スポーツマッサージの基本や注意点、ストレッチングなど写真付きでわかりやすく。
 
(11)福島県特集
☆ふくしま教育情報データベース  http://www.db.fks.ed.jp/ 
 福島県内のすべての市町村や県の機関、博物館などから、資料を収集し教育情報としてデジタル化を実行。その数は、テキスト58,000ページ、画像45,000枚、動画5,800クリップ、総計で10万件規模の教育用地域コンテンツ。全て教育関係機関での利用や児童生徒の二次利用も含めて利用許諾を得ており、自由に利用できる。教育目的で利用できるが、再加工のみできない「ED1」と、教師・児童・生徒なら再加工できる「ED2」という、「明示すかし」を取り入れている。内容例
○ふくしまの教育資料「地域学習資料集」
 各市町村や県が作成した小学校社会科の副読本・資料など、福島県内各地の地域学習の情報がそろっている。http://www.db.fks.ed.jp/txt/ 
○ふくしまの画像 「野口英世の生涯」
 新千円札には野口英世の肖像が描かれています。ふくしま教育情報データベースにも野口英世や交友のあったエジソンなど、野口英世にまつわる貴重な写真が掲載されている。
http://www.db.fks.ed.jp/pic/20045.001/20045.001.00001.html 
○「ふくしまの祭りと民俗芸能」
 海から山間まで変化に富む県土を持つ福島県は、豊かな伝統芸能が今に伝わる地域でもある。民俗学研究家の懸田弘訓氏が40年余りの歳月をかけて記録した貴重な映像を掲載。
http://www.db.fks.ed.jp/pic/kaketa.html 
○ふくしまの動画 「県民ニュース」
 山下清の来県や県内各地の事件・風物など1953年から70年にかけて福島の昭和の生活情景がreal形式、mpeg1,2形式で記録されている。
http://www.db.fks.ed.jp/mov/mov_minyu.html 
☆★☆ コメント ☆★☆
 各都道府県でこうしたものができれば、教育界の財産になりえる!
 
(12)CS研レポート Vol.55
特集「今子どもが危ない」http://www.shinko-keirin.co.jp/csken/index.htm 
(13)2005年度教育実践マガジン     http://www.himawari.or.tv/cgi-bin02/index.html 
      教育評論家の家本芳郎先生のプロデュースにより、家本先生ほかの多くの教育実践家の方々のコラムを掲載
 教育関連情報
(1) 中学教師の6割が「総合的な学習の時間は不要」と回答
 「ゆとり教育」見直しの焦点になっている「総合的な学習の時間」について、中学校教師の約6割が「なくした方がよい」と考えていることが18日、文部科学省の「義務教育に関する意識調査」で明らかになった。調査は今春、全国の小学4年生〜中学3年生の児童生徒、小1〜中3の保護者、学校運営に参加する学校評議員、教員、教育長ら計約3万6000人を対象に実施し、約1万8000人から回答を得た。
 それによると、総合学習をなくした方がよいと、「とても思う」「まあそう思う」と回答した中学校教師は計57・2%。「なくさない方がよい」と考える肯定派も含め、全体の84・6%が「教材作成などの準備に時間がかかり、負担が大きくて大変」と感じており、「国語や数学などの学習を重視すべき」(82%)、「教師の力量や熱意に差があり、指導にばらつきが出る」(76・3%)などの声も多かった。
 これに対し、小学校教師の場合は、「なくした方がよい」は38・3%にとどまり、肯定派が否定派を上回った。「子どもたちが楽しみにしている」「自然体験や社会体験ができる」などの意見が目立ち、保護者も中学校より総合学習を評価する割合が高かった。
 一方、子どもたちは、小学生の60%、中学生の46・2%が総合学習を「とても好き」「まあ好き」と回答した。ただ、中学生では「自分の興味関心とは異なる内容が多い」「将来の自分にどう役立つのか分からない」と批判的な声も50%を超えた。 (後略) 
☆★☆ コメント ☆★☆
 現在の取組の状況を反映している数字として、深刻に受け止める必要がある。中学校で総合的な学習が成立しにくい状況になっているには次のような理由が思い当たる。
1 生徒が課題を作って取り組む学習には時間がかかる。ただでさえ教科の指導時間が少ないので、教師 には総合の時間がもったいなく思える。
2 学習の場を外に求めにくい。
3 小学校に比べて大規模な学校が多く、調べ学習などの設備と場所が確保されていない。
4 学習内容が教科と結びつけやすい小学校と違って、中学校では結びつけにくい。
5 今の教師の多くは、高度経済成長期に詰め込み授業を受けて勝ち残ってきた人が多い。さらに教師自 身が総合の授業を受けた経験がなく、体験的・問題解決的学習のイメージがない。さらに言えば、総合 的な学習の価値を理解していない。
 このあたりをクリアすることから始めなければならない。
 
(2)上三川の小学校で児童が教諭の車にひかれて死亡(栃木)
 「安全だと思っている学校の中ではねられるなんて」――。上三川町大山の町立明治小学校で21日、清掃をしていた4年生佐藤輝光君(9)が、教諭の乗用車にひかれて死亡した。事故を起こした角田清賢教諭(48)(宇都宮市野沢町)は「(佐藤君が)見えなかった」と話したといい、緩やかな坂を上ってから左折するという校門の構造が、思わぬ死角を生んだ可能性もある。石橋署は、業務上過失致死の疑いで、角田教諭から任意で事情を聴いている。
 同校によると、事故は全校清掃中の午後1時55分に起きた。佐藤君ら児童約10人は昇降口近くの中央階段を担当。事故当時、佐藤君はちり取りを持ち、北門東側のごみ収集場前にいた。
 一方、3年生の担任の角田教諭は、総合的な学習の時間で見学に行く町内の農家と打ち合わせを行い、学校に戻ってきたところだった。北門から校内に入り、延長約5メートルの緩やかな坂を上りきって、左折した直後に佐藤君をひいた。角田教諭は、事故の知らせで駆けつけた校長に対し、「申し訳ありません」「見えなかった」と繰り返し、石橋署の調べには「時速約10キロで進行中、何かに乗り上げた感覚があったため車を降りたところ、佐藤君をひいていた」と話したという。(後略)
☆★☆ コメント ☆★☆
 これは悲劇だ。絶対にあってはならないことが起こってしまった。弁解の余地は全くないし、保護者の気持ちを考えると言葉もない。しかし、ほとんどの学校であり得ることであるという認識を持たなければならない。予防策について、各学校でぜひ話題にしてほしい。
8 編集局デスク − 万博に靖国の影 −
 愛・地球博は連日、十万人を超す人々が訪れ大変な盛況ぶりだが、一つだけ予想もしなかった異変が続く。中国と韓国からの観光客の予約が半分以下になっているのだ。
 韓国のある大手旅行会社からは五万人の予約が入っていたが、キャンセルが続出、わずか一万人にまで減ってしまったという。原因はむろん、小泉首相の靖国参拝への強硬姿勢と、それに反発する両国の国民感情である。
 戦没者の霊を慰め、不戦の誓いをあらたにする聖なる社(やしろ)の事柄が、世界の平和と交流の場である万博にかくも深い影を落とすとは。靖国を見つめる隣国の人々の目線を、私はそらすことができない。
 作家の加藤周一氏が指摘するように、この問題の根っこは、あの戦争に敗れたときの日本の責任のとり方にある。一億総ざんげ、要するに全国民の責任という方式だ。
 このことは、東条首相も、最前線の無名兵士も、米軍の大空襲に火の海をさ迷った善良な庶民たちも、みな「一億分の一」の責任を負うことを意味する。それは、限りなくゼロに近く、実質はだれにも責任がないことになる。
 靖国神社へのA級戦犯の合祀(ごうし)は、この風土の延長線上にある。あの人たちだけが悪いのじゃないのに、戦勝国の裁判で勝手に戦犯と決めつけられたという論理と心理だ。
 問題は、こうした精神風土が隣国やアジアの人々の理解を得られるかである。現実はまったく得られていない。
 好対照はドイツだろう。敗戦により世界中がドイツ人を弾劾していた一九四五年秋、哲学者のヤスパースは「戦争の罪の問題は、他から向けられるより、むしろわれわれ自身が自らの内側に向ける問題である。自らを欺かない尊厳を保て、それは、ドイツ魂の死活に関わる問題である」と学生たちに語りかけた。
 戦勝国によるニュルンベルグ裁判のほか、ドイツはドイツ人による戦争裁判を開き、自らの手で戦争の罪と責任の所在を探り続けた。
 靖国の問題は、他国の目線をはねつけることが日本魂の尊厳ではない。自らの内側に向けた目線の先にこそ、真の日本人の尊厳がある。              (名古屋本社編集局長・小出 宣昭)
☆★☆ コメント ☆★☆
 小出編集局長の「編集局デスク」を紹介するのは3回目になる。今回も、これまで自分なりに思っていたことが、見事に書かれていた。
 自分も、どうしてもドイツの戦後処理と比較をしてしまう。「誰が悪い」と言うつもりはそれほどないが、何が戦争を起こすまでに至ったのかという(科学的な)追究は、国として責任を持って行う必要があるのではないか。戦争が起こった原因をはっきりすることが、同じ過ちを防ぎ、戦争で死んでいった方々への最も基本的な弔いではないのか。
 戦争の原因が単純ではないことはわかっている。だからこそ、時間をかけて、お金をかけてでも、国の責任で追及し、その結果を国内外に明示すべきである。そうすることにより、中国や韓国などのアジア諸国の安心につながり、靖国参拝などの小さなことにはこだわらなくなるのではないかと思う。
 戦争の原因は、政治だけではない。経済、社会、教育・・・多岐にわたるであろう。統制派の軍部独裁の流れはもちろんのこと、例えば、マスコミのこの報道がどうだった、だれそれのこの雑誌に掲載されたこの論文の反響がどうだった、というレベルの追究を期待したい。 
 メルマガ紹介
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   ★ あなたの知識をほんのちょっとだけ高めるマガジン ★
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       クイズで学ぼう!『日本の歴史』 243
【本日のクイズ】
  1875年、日本とロシアの国境を確定するために調印された「樺太・千島交換条約」の日本側の代表を務めた人物は?
【解答】榎本武揚(えのもとたけあき)
【解説】日本とロシアの国境は、1854年に締結された日露和親条約によって、千島列島では、択捉島とウルップ島の間に国境線が引かれ、南を日本領、北をロシア領としていた。しかし、樺太(サハリン)では、アイヌによる交易活動もあって、両国民が雑居していたため、両国間の境界を設けなかった。
 明治維新後、樺太では、両国民の紛争がたえず、交渉が重ねられたが、国境確定までにいたらず、1873年には、開拓次官「黒田清隆」が、北海道開拓を最優先して、利益の出ない樺太経営を放棄することを提案した。この条約で、宗谷海峡を国境に樺太全島は、ロシア領となり、千島列島全島が日本領土となった。しかし、日露間の北方領土問題は、この条約が、どの時点で失効したかをめぐって現在も紛糾している。
【ちょっと一言】
 榎本武揚と言えば、戊辰戦争最後の戦いである五稜郭の戦いで有名ですね。本来ならば、処刑されても仕方がない立場でしたが、彼の実力を知っていた新政府の黒田清隆の助命運動によって処刑をまぬがれました。そして、3年間の獄中生活のあと復帰し、新政府の役人になり、この条約では、特命全権公使として活躍しました。
☆★☆ コメント ☆★☆
 ざっとこんな感じ。よく知られた事実が中心だが、時々、そうなんだ…ということもあり、軽く読むにはとても良いメルマガ。
 
■   ★ ワールド・ニューズ・メール ★  火曜グローバル版     ■
〓The World News Mail@2005.6.21 No.585  週2回無料、金曜はスペシャル〓
[1]海外便り
○社会保障制度の砦、フランス(フランス)
 欧州憲法を否決したフランスで、反対派がいつも声高に叫んでいたのが、欧州憲法を批准すれば、手厚い社会保障制度が崩壊してしまうということだった。
 かつて「ゆり籠(かご)から墓場まで」をモットーとしていた英国の労働党は、今では自助努力を推奨する党に変わってしまったが、大陸欧州では、いまだに福祉国家維持に社会的コンセンサスがある。
 その代表格のひとつが、家族手当で、フランスでは収入に関係なく、手厚い家族手当が支給されている。例えば、夫婦に子供3人の世帯の場合、子供の年齢にもよるが、子供1人当たり、約2万円が支給されている。
 年収が700万円を超え、3人の娘を持つルビロワさんの家庭では現在、月に約7万円の家族手当を受け取っている。彼らは最近、ブルゴーニュ地方からパリに引っ越してきたが、その引っ越しの費用でも、国からの支援があったという。
 大学生のいるムリネさんは、年収300万円を下回る低収入だが、3人の子供が同時に大学に通っている。彼らの場合、学費どころか、学生寮の費用さえ払っていない。
 フランスでは国立大学に通えば、学費はすべて無料で、なおかつ、学生の生活費用に援助も出るので、親が一銭も出費しなくても、子供を大学に通わせることができる。
 驚くべきは、バカンス手当で、夏のバカンスの費用の一部を、国が負担する制度もあるくらいだ。
 欧州憲法に「ウイ」といえば、企業が低賃金の中・東欧加盟国に流れ、失業者が増え、これまで築いた社会保障制度も崩壊することを、フランス人が心配する気持ちも想像できる。
 どんなに国の財政が冷え込んでも、いったん受け取った権益は失いたくないのが市民の心理と言える。(A)
○米社会でも日中情報ギャップ(米国)------------------------------------
 先日わが家の小学校3年生になる娘が学校で行うミュージカルに出るというので、半ば期待をしながらで見に行った。
 愛国的な歌を3年生全員で歌いながら、時折、生徒個人個人が「米国は自由と機会の国」などとマイクの前に立って唱えるという形式のものだったが、小学校3年生にしては良くできたミュージカルだと感心した。
 筆者が驚いたのは、公立学校でありながら、星条旗を大きく掲げ、愛国的な歌を堂々と歌っていたことだ。日本の公立教育では経験できない愛国心教育なだけに、新鮮な感動を覚えた。
 ところが、こうした感動を翌日、学校の父母と話し合った時に、歴然とした認識ギャップ、情報ギャップのあることに愕然とした。娘が通う学校は、アジア系、特に中国系の子弟が多く通う学校で、子供のピックアップの時に中国系の父親と話をする機会多いのだが、筆者の説明に全く納得がいかない様子なのだ。
 「日本は教科書を改竄(かいざん)して中国侵略の歴史をねじ曲げているではないか」「日本の保守派はゆがんだ愛国教育を行っている」という中国系マスコミで報じられていることをそのまま鵜呑(うの)みにしている。日本での歴史教科書は多数あり、各学校で選択が可能だといっても聞く耳を持たない。日本全体が昔の軍国主義、愛国主義教育に傾いているという認識なのだ。
 この父親は香港出身で知的所有権を扱う弁護士であり、一応情報に精通したインテリに属する。インテリがこの調子だと、一般の中国系の対日認識は推して知るべしだ。
 歴史理解、愛国心教育という根幹の部分で、こうした認識ギャップが米国という開かれた社会で存在することは、由々しきことと言わざるを得ない。(M)
 ☆★☆ コメント ☆★☆
 新聞のコラム欄にしか載らないような内容だが、案外、生の市民生活を伺い知ることができるのではないか。毎回新鮮で、おもしろい。
 
10 耳寄り情報
(1)「先生が壊れていく」〜精神科医のみた教育の危機〜
東京都教職員互助会 三楽病院精神神経科部長 中島一憲 著 弘文堂 (ISBN:4-335-65114-7)
発行年月 : 2003年07月、価格 : 1,680円(税込)
  プロローグ いま教師に何が起きているのか?
1 壊れていく教師の実像(異動をきっかけとして燃えつきたM先生
   過度の業務を抱えこんでうつ病になったF先生
   生徒の事故をきっかけに抑うつ状態に陥ったS先生 ほか)
2 学校メンタルヘルスへの取り組み(教師のメンタルヘルスの要点
   「心を病む教師が増えている」現状の本質
   教師の「燃えつき症候群」を防ぐために ほか)
3 現代社会の病理と人間の心性(高度情報化社会の病理―進歩強迫症候群
   スケープゴート心理のメカニズム
   「心の時代」の裏に潜むもの)
 エピローグ 「自律」する精神を生かせる社会へ
 
(2)言葉には気をつけましょう! 
    教育さいたマガジン − 埼玉県教育委員会提供メールマガジン −
                            第18号  平成17年6月21日(火)
【編集部だより】
 季節は梅雨。じめじめした天気に気分も湿りがちではないでしょうか。巷では「クール・ビズ」が大流行?服装・身だしなみという側面が強調されていますが、冷房温度を28度に設定するとの環境面での取組であることも意識しなくては。服装は軽装、でも冷房の温度は低く設定したままというのでは片手落ちです。
 さて、第18号はいかがでしたでしょうか。4月発行の第16号、5月発行の第17号と立て続けに新コーナーをスタートして、ボリュームを増した「教育さいたマガジン」をこれからもご期待ください。
 御意見・御要望を下記アドレスまでお寄せください。お待ちしております。
 第19号は7月21日(木)に発信予定です。引き続きの購読をお願いします。(u)
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と言うメールの後、次のメールが来ました。
【 読者の皆様へ (おわびと訂正) 】 
 6月21日(火)、第18号をお届けいたしましたが、編集部だよりにおきまして、一部不適切な表現がありましたので、訂正させていただくとともに、深くおわびいたします。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 
 不適切な表現がどれかわかりますか?

      問い合わせは 土井謙次  syaraku@tcp-ip.or.jp