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報告者  土 井

2006年9月7日(木)布袋北学習等供用施設にて社楽の会を開催しました。参加者(勤務校)を紹介しましす。
土井、大島先生(玉川大)、早川先生(江南北中)、尾関先生、佐橋先生(曽野小)、野沢先生(柏森小)、小沢先生(柏森小)、高木先生(犬山中)、寺谷先生(高雄小)、天野先生(江西中)、岩井先生(木曽川中)、坪内先生(大北小)、栗本先生(木東小)、林先生(旭北小)、佐藤先生(南粕谷小)、河野さん(中京テレビ)、池邑さん、青木先生(高鷲中)の18名でした。

 土井より、今回紹介したものの目次です。番号をクリックしてください。

  平成18年度丹葉地区第5回初任者研修会
 北 俊夫先生講演
  高鷲中学校青木先生によるメディアリテラシーの授業
  第2回江南第九演奏会
  役立ちWeb特集
  教育関連情
 MM紹介
 
研究会紹介 
参加者の提案

 『第21回東書教育賞入賞論文・小学校』に、高橋宏滋先生の論文「意志決定型授業で公民的資質の基礎を育てる」が最優秀賞として紹介されています。丹葉地区の実践の象徴的な論文です。ぜひご覧ください。

平成18年度丹葉地区第5回初任者研修会
  http://www.tcp-ip.or.jp/~syaraku/shinninken/index.htm 
今年も、「授業で役立つ指導と考え方48」をもとにした模擬授業を行い、その解説を作成し配布しました。
  http://www.tcp-ip.or.jp/~syaraku/shinninken/gijyutu.htm 
  お役に立てば幸いです。
 
 北 俊夫先生講演
  平成18年8月31日に、雁宿ホールで行われた、知多地区社会科教師による第2回自主研修会での北 俊夫先生の講演要旨を紹介します。
演題「これからの社会科教師にもとめられるもの」
 
 社会科の授業上の課題を話したい。
 学力向上についての論議は、国語や算数が多く、教科に偏りがある。しかし、社会科だけでなく道徳や体育も重要だ。小学校では、どの先生も社会科をやっている。学力調査をしたときに、社会科の得意でない先生のクラスも力が付いていないとだめだ。みなさんには、学校全体の社会科をリードする役割を与えられている。
 先日会ったある40代の先生は、「社会科の研究授業を見たのは初めてです。」と言った。驚いた。地域に社会科をどう広げていくか。どの先生も授業ができるようにしなければならない。
  本題に入る。次の3点について話したい。

1 社会的事象を調べる。意味を考えるといわれる。調べる、考えるといわれるが、それらをどう考えながら授業を作っていくか。
2 資料活用の課題が見えてきた。改めて意義を話す。
3 社会科の授業に科せられる新しい課題
 
 時間が余れば、社会科の授業力を高めるためにどんな工夫を行ってきたかについて話したい。
 
1 調べ学習 
 調べ学習は総合や国語でもいうが、特に社会科のなかでの悩み。
Q「教師が資料を準備しても資料の丸写しが多い。どうしたらよいか」
Q「地域でインタビューしてくる。意欲はあっても上手にできない。どう指導したらよいかがわからない」
Q「図書館でほしい本が手に入らない。どこに問題があるか。」
 調べる時間を作ってあげることだけでは調べる力は付かない。
 質を高めるためには何が必要か。次の二つの工夫がある。
1 予想した後、すぐに調べるのではなく、調べる計画を立てさせる。学習計画を立てる。「いい問題ができたね。どういうふうに調べますか。」と聞く。
 子どもは経験を生かして発表するだろう。それに対しても、「いい方法が見つかったね。インタビューなら、質問の中身を考えて」「図書館でどんな本を見つけたいの」などと、内容についても計画を立てられるように促してほしい。
 目標と内容を関連づけさせる。問題解決への意欲が高まる。問題解決への見通しが立つ。
 
2 調べ方についての指導を行っておくこと
 インタビューの場合:学び方を身につけるような教材があった方がよい。
  広島ではスタディナビゲーターを作り、「問題解決の方法」等がまとめられている。
  Q「調べ方について手引きを作ることはマニュアル人間を作らないか?」と聞かれたことがあるが、カーナビでも最初はあてにする。慣れてくると、自分で判断する。困った子どもが困った所を活用し、最終的には自分で確立するきっかけにする。これで一生のものになる。
 方法を教えることが二つ目のポイント。
 
 教師の知識伝達型より子どもの調べ学習型の方が価値が高い。しかし、それだけではいけない。調べてまとめるだけでは、報告するだけでは足らないものがある。限界がある。2つある。
 1 調べたことは時間がたつと変わってしまう。
    自動車工場:昔とは違うし、これからも変わる
 2 場所が変わると違う。
    学校の周り。学校が変われば内容も変わる。
 だから、調べただけでなく、もう一つ大事なことは、調べたことから考えさせること。なぜそうなのか、どういう意味があるのか、自分や人々の生活とどう関わっているかを考えることが大事。それにより社会が見えてくる。見えないものが見えてくる。
 「なぜ駅前に店が多いの?」交通手段と消費行動を結びつける。他の事例にも応用できる。
 「火災から地域を守る施設はどこに何がある?」いろんな施設があるね。ではなく、なぜ町のあちこちにあるのか。どこで火事が起きても早く消すことができる。「備え」というキーワード、「しくみ」に結びつける。他の風水害に応用転移できることを求められている。=社会認識が深まる 考えさせることが重要だ。
 
 ☆ 社会科の授業で、小単元のレベルで、必要な知識を再整理する。その結果、抜け落ちが見つかったり、他の学級と指導内容を共通させることができる。
 例 日本の国土は山がちだ。と言っても実感を持って理解できない。=概念的な知識、抽象的な知識
 具体的な手だてを示す。→ 高いところを色をぬる作業をする。→ 形成的に印象的に理解させることができる。→ 円グラフ → 山地の割合がわかる。
 概念を説明するので、説明的知識 といえる。
 説明的な知識を理解する上での前提となる知識。= 円グラフの見方、用語レベルの知識  
 こういうような整理を、単元ごとに作る必要がある。トップダウンだ。
 これに対して、子どもたちは、「だから何がいえるか?」を繰り返すと、ボトムアップ的に知識を組み立てていく。教師の教材研究はトップダウン。子どもの学習はボトムアップ。これが知識の構造化だ。
 
 大きな二つ目が資料活用の問題だ。
 社会科らしい社会科をつくることが求められている。3年生の社会科が生活科っぽくなっている。また、社会科が総合的な学習に成っている。社会科で生き方を考えると道徳との違いがわからない。社会科が社会科らしくなるためには、資料活用。これがポイント
 もう一つ。PISA調査。 
 読解力には、グラフや図表、チャート図を活用した問題も出題されている。社会科の資料活用能力がPISAのいう読解力に近い。国際調査に着目するのも大事な視点。
 資料には、写真、ビデオ、挿し絵、地図、統計地図、図表、グラフ、年表、文書資料、実物資料、模型いろんな形態の資料がある。最近はどうも偏りがある。映像的な資料が多いのではないか?
 昔は1枚の写真を使うのにも吟味をした。値段が高かったから。2年前に小学校の全国大会が2カ所であった。九州大会もあった。のべ74学級で206点の資料を使った。
(統計的な数字は略します)
ビジュアル化に問題はないか?
 写真や話は分かりやすい。しかし、点にすぎない。人間理解にとどまっている。点の理解から、面の理解へ。そこには、地図や統計が必要。写真や話と併せて、面の資料を活用しなくてはならない。
 統計は、今の現状だけでなく、過去と比べることにより変化がわかる。予測ができる。歴史から将来が見通せる。将来が見通せれば、今何をしなければならないか、なすべき課題がわかる。それが統計資料である。先人の文化遺産の検証も必要。
 
 大きな3つめ
 社会科は社会が変化すると学習する対象にも変化が生まれる。それに対して、不易の部分も重要。国際理解、環境、情報、福祉など新たな課題が生まれる。
 今の社会を見据えたときに、新たな課題が話題になっている。それを紹介したい。
 社会科の授業における新しい教育課題
 @ 金融教育:お金に関する指導。貯蓄推進型の指導だけでなく、
       カード型社会 お金が見えにくくなっている。  お金は社会の血液
       お金の上手な使い方を指導することが必要なのではないか
 A 法教育 :裁判員制度。7割がいやだと言っている。21年5月に実施される。
       いつだれが指名されるかわからない。
       規制緩和。活動の活発化。トラブルの増加。法に基づいた判断が必要  キャリア教育: B 望ましい職業観や勤労観をどう育てるか
      特別活動だけでなく、社会科の役割がある。働く意味は社会科の内容。
 C 食育  :昨年7月に実施。今年3月に基本計画を定めた。
       必ず学校教育の役割が出てくる。社会科にも食物生産、運搬、貿易、販売 という学習がある。給食の地産地消も社会科の関連
 D 伝統文化教育:背景は教育基本法の改正問題か。
      地域の伝統文化の継承 歴史学習をどう改善するか。
      文化遺産の継承、
 E 防災教育:火災、風水害、地震、 
       自分の住む地域の地形条件からどんな災害を予測するかも社会科
 F 起業家教育:消費者としての視点はあったが、経営は今まで抜けていた。農家の子に農家を継ぐ教育をするのもこれ。商店の子が家を継がないと町がさびれる。
 G 情報リテラシー:社会科の中にも抜け落ちていた。情報を望ましく活用する方法、マナーやルール、 著作権、なども社会科。しかし、時間の制約がある。 
   
 最後に、私の若いときの努力のポイントを3つ紹介する。
1 社会科の授業を見てもらう。授業公開。緊張しながらやった。一人いるだけでつまらないことを言わなくなったり、子どもをしかったりしなくなる。
 テープにとるだけでも違う。後でがっかりすることもあるが。よくわかる。記録を取る、見てもらう。
2 記録したことを文字に起こす
 45分を起こすと、7,8時間かかる。自分の成長と子どもの成長がよくわかる。
3 記録を元にレポートにまとめた
 小論文に残す。
 結果的に、社会科の授業について考えることができるようになった。社会科に没頭できる時期に没頭してほしい。そのうち、やりたいことができなくなるようになる。35歳までにやってほしい。
 
Q「小学校高学年の教科担任制について」
A 一般校ではまだまだ少ない。意味があると思うが、一斉にやらないと、学校が変わったときにつらい。
 今の段階なら、担任がやるのが原則。否定はしない。
Q「1時間の授業を作る中で気をつけたことは何か」
A 1時間をどう作るかという発想はなかった。小単元全体をどう流すかを考えた。
 まず、授業の入り口と出口。入り口は無言。子どもの発声から授業を進めるように考えた。前時の終わり方がポイント。何がわかって、何がわからなかったかをはっきりさせること。
 2つめ 教師が話す文字量よりも、子どもが話す文字量を増やしたかった。一つの発問で、多くの子がはなせるように考えた。
 3つ目は、学び合うということ。教師に話すのではなく、みんなに話す。指名は意図的指名。コの字型。座ったまま意見を言う。子ども同士学びあえるような授業を作った。
  
 
 高鷲中学校青木先生によるメディアリテラシーの授業 
 中京テレビの協力を得て行ったメディアリテラシーの授業の報告と中国(上海)での取材の報告がありました。
 メディアリテラシーの授業では、高鷲の特産品である牛乳のCMを中学2年生が4人一組で作ることで、メディアリテラシーの力を育てようというものです。
 CM作成そのものの時間は2時間でしたが、生徒の「作る立場に立って、CMの見方が変わった」という感想がでてくるなど、効果は十分だと感じました。比較的簡単に出来て、効果的なネタだと思います。
 上海取材旅行の報告も、スライドを見ながら興味深く聞くことが出来ました。
 第2回江南第九演奏会
   11月26日(日)14時より江南市民会館大ホールにて行います。
   指揮 山田信芳、ソプラノ 荻野砂和子、アルト 奥野 靖子、テノール 山田 正丈、
   バリトン 松下 雅人 、合唱 江南第九を歌う会、管弦楽 北名古屋シティ管弦楽団
前自由席 前売り \2,000です。土井も出演します。 
 
 役立ちWeb特集 
(1)惑星の旅(科学技術振興機構)http://jvsc.jst.go.jp/universe/planet/ 
 近頃何かと話題の太陽系。その惑星に関するムービーと解説とをフラッシュで見られる。 ムービーでは解説ナレーションが入るので、プロジェクタなどを使って教室で子どもたちに見てもらうというのも良いかもしれない。惑星を勉強する際には、ぜひ活用して欲しいコンテンツ。
 
(2)Cassini Photo Essey(NASA)http://www.jpl.nasa.gov/multimedia/cassini-essay4p/index-flash.html 
土星探査機、カッシーニの撮った写真を見せてくれるサイト。「惑星の旅」は太陽系全体だったが、 このサイトは土星にフォーカス。
「PHOTO ESSAY」では、土星や土星を取り巻く天体の全体像を、ムービーと共に見せてくれる。流れる音楽の感じもあって、環境ビデオのようでもある。写真が綺麗。「GALLERY」では、それらの写真に簡単な解説文が付く。さらに、ここからリンクをたどっていくと、さらに大きな写真まで見られる。大きくても綺麗。NASAのコンテンツだけに、当たり前ながら全て英語。
 
(3)ユニバースケール(ニコン)http://www.nikon.co.jp/main/jpn/feelnikon/discovery/universcale/index.htm  10の-15乗から、10の26乗までの「もの」を一画面に表示させ、その大きさを直感的に比べられるようにしてあるコンテンツ。拡大縮小の機能を使っていて、「もの」がどんどん大きくなり、小さくなっていく様は見ていて気持ち良い。
 
(4)「歩行者」検知と緊急回避を行う自動車安全技術
 ミリ波レーダーとステレオカメラを採用し、車両や障害物に加え、歩行者の検知を実現した自動車安全技術が登場。衝突の可能性が高いと判断した場合、シートベルトの巻き取りとともに、ドライバーに警報を発し、制動操作がない場合、自動ブレーキにより衝突速度を低減。
http://www.toyota.co.jp/jp/news/06/Aug/nt06_041.html 
 
(5)「江戸図屏風」(国立歴史民俗博物館)を,3本のアニメにしました。子どもにも分かりやすく,音声で説明しています。http://kids.tokyo-shoseki.co.jp/kidsap/rekihaku/ 
6  教育関連情報
(1)来年度から全小学校で放課後教室 共働きは夜まで
 文部科学省と厚生労働省は、来年度から全国すべての公立小学校で、放課後も児童を預かることを決めた。スタッフは教員OBや地域住民で、勉強やスポーツのプログラムを用意して、児童が放課後を学校で過ごす環境を整えるほか、共働き家庭の子ども向けには、さらに時間を延長する。
 ◆教員OB、住民ら活用
 子どもが安心して遊べる“居場所”づくりや、子育ての負担軽減による少子化対策につなげるのが目的で、2007年以降、大量退職する教員に活動の場を提供する狙いもある。両省では、来年度の総事業費として約1000億円を見込んでいる。
 今回の事業は、全児童対象の時間帯と、それ以降の、親が留守の家庭の子どもを対象とする時間帯の2本立て。小学校内での活動が基本で、空き教室や体育館、校庭などを利用することを予定している。
 全児童対象の時間帯(放課後から午後5、6時ごろまで)では、授業の予習・復習などの「学び」や、野球、サッカーなどの「スポーツ」、図工、折り紙などの「文化活動」、地域のお年寄りなどとの「交流」、お手玉やメンコなどの「遊び」といったプログラムを行う。希望すれば、毎日参加できる。
 「学び」は教員OBや教職を目指す大学生による「学習アドバイザー」が担当し、そのほかのプログラムは、地域のボランティアが指導する。全小学校に配置するコーディネーターが、ボランティアの確保や活動プログラムの策定を行う。文科省では、「経済的な理由で塾に通えない子どもに学びの機会を増やすことにもなる」としている。
 それ以降の時間帯(午後7時ごろまで)は、共働き家庭などのおおむね10歳未満の子どもが対象で、保育士や教師の資格を持つ専任の指導員が生活指導などを行って、遊びの場を作る。
 利用料や開設時間は市町村ごとに異なるが、全児童を対象にした時間帯の利用料は無料になる見通し。ボランティア以外のコーディネーターや学習アドバイザーには報酬が支払われる。 (中略)
 また、文科省も2004年から3か年計画で放課後に、地域住民と子どもが一緒に遊びやスポーツを行う「地域子ども教室」事業を進めており、今回は両省の事業が一本化される形だ。事業費は、国、都道府県、市町村で3分の1ずつ負担。両省は国の負担分として、来年度予算の概算要求に約330億円を盛り込んだ。(2006年8月29日 読売新聞)
☆★☆ コメント ☆★☆
 いきなり「全国すべての公立小学校」には驚いた。背景は、少子化対策、下校中の小学生をねらった犯罪の増加、幼保一元化と小学校との連携などいろいろあるが、一度に全小学校でやってしまおうという姿勢には意気込みを感じる。学校現場にもいろいろと影響はあろうが、ぜひとも効果が上がるように連携していきたい。
 
(2)総合的学習、根本的見直し 次期指導要綱  朝日新聞 2006年09月03日18時11分
 「ゆとり教育」の柱になっている「総合的な学習の時間」のあり方について、文部科学省は次期学習指導要領で、抜本的に見直す方針を固めた。一部の学校で教科の補習や行事の準備に使われるなど、いまのままでは学校間の取り組みに差がありすぎるため、学習によって身につけるべき力を定め、評価をより明確にすることを検討している。
 教科学習に近づくことで、導入当初の「一律的な評価はしない」という目的から転換する可能性もある。
☆★☆ コメント ☆★☆
 予想していたことだが、果たしてどうなるのか。変更次第では、現場への影響はきわめて大きい。
 教育は「教」と「育」で成り立っている。子どもの力は、教えられたことをもとに自らの学習活動を通して学び取ることでついていく。前者を教科学習が担い、後者を特別活動や総合的な学習が担っている。 日本人は、「教」だけでは生きる力にはならないことを、高度経済成長期の詰め込み教育の失敗で学んできた。ぜひとも「育」の発想だけは忘れないようにしていただきたい。

 
 MM紹介
(1)*1756  重箱の隅  vol.1756(2006/08/28号)
  発行周期:日刊(土日は除く) 発行部数:22298部(mg_19972 kp_557 mm_798 yh_10 mp_961)
今回のテーマ「大西と太平」
 ユーラシア大陸の西側にある海を大西洋(Atlantic Ocean)、東側にある海を太平洋(Pacific Ocean)と呼ぶ。どちらも「たい」から始まるのに、大西洋は大、太平洋は太となっているのは、それぞれ由来が違うから。
 大西洋という表記は、昔中国で西方のヨーロッパ諸国のことを「泰西」と呼んでいたことに由来する。その泰西にある海ということで「泰西洋」だったのだが、「泰」と「大」が同じような意味を持っていたため、「大西洋」という書き方が定着したと言われている。
 太平洋という表記は、マゼランが西回りで航海していた際、南米の南端で荒れた天候に苦労した後に広がった「El Mar Pacifico」(静かな海)と呼んだのが由来。穏やかな太平の、ということで「太平洋」となったのである。
 
(2)常識ぽてち【やや日刊】    ♪2006-09-06(第992号)
 〜たまごや〜 2005年以前 http://tamagoya.ne.jp/potechi/ 2006年以降 http://tamagoya.ne.jp/potechi/b/ 
■安部晋三
 安部晋三さんが自民党の総裁選に立候補しました。すでに自民党の中では80%の議員が支持をしているとのこと。大きな動きが無ければ、このまま自民党総裁、そして次期総理大臣になることは間違いないでしょう。
 大きな特徴としては、自民党の中でこれだけの支持を集めているということです。自民党というのは巨大政党ですから、同じ党員でもいろいろな考えを持っている人がたくさんいるのが特徴です。大勢の人たちに調整されて、たたき上げられて出てくるところが、いってみれば安心の源だったのです。大きく間違うことはないだろうという安心感。しかし今回はほとんど全党一致の支持。これは今までに無いことで、これを受けて安部政権がどのように動くのか、大いに注目されます。
 また、総裁選は党員で行なわれるため、国民の民意が直接反映されません。総裁選、総理大臣は直接選挙ではありませんから。国民が選んだ議員が投票するわけですが、国民の支持通りに動くとは限りません。国民は自分が選んだ議員がちゃんと公約どおりに動いているかどうかを監視しなければなりません。顔や容姿で議員を選んではいけませんよ。
 さて注目の安部晋三さんは、安部晋太郎氏の次男。1954年(昭29年)9月21日に生まれました。父親は安部晋太郎、母親は岸信介の長女です。大叔父に佐藤栄作がいます。
 安部晋太郎は優秀な人物で三木武夫・田中角栄・大平正芳・福田赳夫の「三角大福」時代の自民党を支えた人です。しかし、ついに総理大臣にはなれませんでした。平成3年(1991年)5月15日入院先の東京都文京区の順天堂大学付属病院で心不全により死去。
 政治家としての正当な系譜を持つ安部晋三さんですが、総理大臣への道は悲願ともいえるでしょう。しかし、能力はどうでしょうか?政治家は東大、慶大、早稲田大卒が圧倒的に多いですが、彼の学歴は成蹊大学。学風から多少お坊ちゃまという感じも致します。
 小泉内閣で良くも悪くも大改革が行なわれました。しかし、その残骸はまだ片付いていません。これをどう整理するか、安部晋三さんのお手並み拝見といきましょうか。(後略)
☆★☆ コメント ☆★☆
 時々紹介するMM。このほかに、雑学サイトはいろいろあり、それぞれに個性がある。そして、今回のように、時々社会科の授業の小ネタに使えるものが紹介されるのでありがたい。今回の重箱ネタも、以前、どのグループが最初に解明するかを課題に出したことがあるネタである。競争して資料を探し回る姿はなかなか見応えがあった。常識ぽてちは、時事ネタが多いのが特徴である。書き手のセンスの良さには感心する。
 
(2)星空ウォッチング  2006年 8月 28日〜 2006年 9月 03日までの星空  ☆ Vol.244 ☆ 
 大変なことになりました。TVなどでも大きく取り上げられていますが、冥王星がついに惑星の座から降格されることになり、太陽系の惑星は8個に修正されることとなりました。教科書まで書き直さねばならぬほどの大きな出来事です!
★ トピックス ★ ------------------------------------------------------
【太陽系の惑星は8個】
 プラハで開かれていた国際天文学連合(IAU)の総会最終日に惑星の定義について裁決が行われました。その結果、冥王星は惑星の座から降格されることとなり、水星から海王星までの8個のみが惑星であると修正されることとなりました。
 
 最遠の惑星として長年親しまれてきただけに、米国人のみならず、感情的には少し複雑な気がしますが、冥王星という星がなくなってしまうわけではなく、分類上の話ですので、決定した以上、受け止めざるを得ないように思います。
 採択された惑星の定義は次の通り。
   1.太陽の周囲を公転している天体
   2.自らの重力で球形となっている天体
   3.軌道上で圧倒的に大きく支配的な天体
 冥王星は、3番目の要件を満たさず、今回惑星から外される事となりました。1930年にトンボーが発見し9番目の惑星と呼ばれてから76年で除外されることとなってしまいました。
 76年といえば、ハレー彗星の公転周期です。惑星として君臨できた期間は僅かハレー彗星1公転分の期間だったとも言えますが、むしろ、1公転分の期間に人類の天文学(科学)がいかに発達したかを示唆
しているとも言えます。
 もしかしたら近いうちに、新定義を満たす本当の意味での新9番惑星が、エッジワース・カイパーベルトの中に見出されるかもしれませんし、あるいは、少し定義が曖昧な3番目の「圧倒的に大きく支配的な」と呼べるかどうか改めて議論しなければならない微妙な天体が見つかるかもしれません。
 夢がひとつ消えたと思える反面、新しい夢が芽生えたとも言えるわけです。
☆★☆ コメント ☆★☆
 有名なMM。やさしい内容から、やや専門的な内容までカバーしている。今回の冥王星の問題もわかりやすくまとめられている。
 
(3)ALE(エール)マガジン*    No.115
 苅宿俊文の「教育改革を見通す」(5)地域が学校経営を担う学校
<東京都足立区立五反野小学校理事会の実践>
(前略)さて、今回は、学校教育の根底である学校経営に地域社会が参加している東京都足立区立五反野小学校を紹介します。
 「地域に開かれた学校」という言葉は、今ではどこでも使われるようになりましたが、五反野小学校では、平成12年度からそれに取り組み、平成14年度からは文部科学省の指定校として実践を積み重ねてきました。そして、平成16年11月には、全国初のコミュニティ・スクールとして、地域・保護者・学校・行政の代表が集まった「学校理事会」を設置し、地域からのニーズを学校運営に反映していくために活動しています。では、この「学校理事会」は、どんな活動をしているのでしょう。「学校理事会」のウェブから紹介します。
 
 学校理事会制度の目的は、保護者や地域の意見・要望を学校運営に反映し、地域に開かれた「地域立」の学校づくりにあります。そして、理事会では、具体的な学校像、校長像、教師像、家庭像、児童像を挙げ、これを公開しました。その中で、特に注目したいのは、五反野小・地域が望む六つの校長像です。その一つ目は、「五反野小学校の保護者・地域が揚げる『めざす学校像』に共感し、家庭や地域との信頼関係とパートナーシップに基づく学校運営を行う校長」となっています。
 ここで言えることは、徹底した「地域立」意識です。縦割りの学校行政とはまったく異なった論理なのです。わたしたちは、このような学校が生まれてきたことをしっかり受け止めていきたいものです。
 理事会制度の成果として、地域や保護者の要望や意見が学校運営に反映できること、子どもたちのことすべてを学校に任せるのではなく、家庭、地域、学校がそれぞれの教育責任を明確にし、協力して育てられること、教職員の意識の変化が起きたこと、の三つが挙げられていました。
 成果の三つ目として、教職員の意識の変化が挙げられていることを考えると、現状のわたしたちの意識のままでは、地域や保護者の要望には応えきれないでいるのかもしれません。
 ウェブには、「教員に対して、日常的な教育活動を見直し、改めて教職にあることの自覚と責任を感じてもらう機会が多くあります。」と記されています。わたしたち教師は、これから、どんな自覚と責任を感じていくことが必要なのでしょう。
 このことだけでも、これまでを振り返り、これからを考えるときに、いろいろなことが想像でき、学校教育というものともう一度向き合っていこうという気持ちにさせられるのではないでしょうか。
 もちろん、成果だけが報告されているのではありません。これからの課題として、コミュニティ・スクールでの教員採用の公募制度がまだ十分に活用されていないことや、保護者、地域、学校が共通の理念を理解し合うことの難しさが挙げられています。
☆★☆ コメント ☆★☆
 英米のチャータースクールを模したコミュニティ・スクールだが、日本では、この五反野小学校がモデルになることは間違いない。メリット、デメリットを十分検証して、他に広げてほしいものである。
 一つの懸念は、「地域」の概念が曖昧なことである。広く校区住民の参画・参加が得られればよいが、校区の議員などの一部有力者に限られる場合には問題も生じよう。このあたりもじっくりみたいものだ。
 足立区立五反野小学校 http://www.adachi.ne.jp/users/adgota/  
  
8 研究会紹介 
(1)教師力アップセミナー  
 @日時:平成18年10月9日(月)10:00〜15:00  
 A場所: 愛知県小牧市立小牧中学校  3階多目的ホール
 B講師: 野口 芳宏 先生 [授業名人/国語科]
  プログラム: (1)講演T「作文指導」
         (2)実践発表の指導 
         (3)講演U「縦の教育 横の教育」
参加者の提案より 
○ 教育実習で何をどのように学ぶか   尾関俊徳
○ 初任者研修 (市内見学)   岩井裕志
○ 平成18年度 学習指導法・評価研究(中学社会)研修講座 岩井先生
○ スーパーマーケットで働く人(小3)について  坪内先生
○ 私たちの生活と情報(小5)  野沢先生
○ 中華人民共和国から世界を学ぶ  高木 潔
  

  問い合わせは 土井謙次  syaraku@tcp-ip.or.jp