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報告者  土 井

 2015年6月25日(木)布袋北学習等供用施設にて社楽の会を開催しました 。

 参加者(勤務校)は、土井、小澤先生(愛教大学院)、松本先生(草井小)、大島先生(古北小)、大薮先生(楽田小)、坪内先生、大野先生(犬山中)、天野拓先生、(大口中)、伊藤先生(岩南中)、鈴木先生(扶桑北中)、高木先生、(犬南中)、奥村先生(岩東小)、吉田先生(柏森小)、高橋先生(岩南中)、加藤先生(大口北小)、大橋先生、迫先生(大口西小)、竹野先生(岩倉中)、阿部先生(江西中)、坪内先生(古知野西小)、柴田先生(古知野中)、寺谷先生(犬山北小)、勝村先生(犬山市教委)、早川先生(大口町教委)の24名でした。

1 拙稿紹介『社会科教育7月号』
 『全国高校入試問題正解』(旺文社)  
 高校入試・社会科での論述問題の数は・・・
 
第3回 金融経済教育研究会  「校長日記」より
5 岐阜大学教育学部附属中学校中間発表会
 お役立ちサイト

 
平成28年度社会科教育研究大会は、11月1日(火)開催に決まりました。

 拙稿紹介『社会科教育7月号』

  別紙で紹介しました。その解説を、布袋小学校【校長日記】から紹介します。
 
『社会科教育』は、社会科教師のための唯一の全国版専門誌です。執筆は、大学教授や全国の実践家が依頼されます。
 私は教師になって、社会科のいろいろな研究会に顔を出していましたが、初めて『社会科教育』執筆を依頼されたのは8年目の時。
 これまでに載ったもののは大方ここに記録してあります。
  http://www.tcp-ip.or.jp/~syaraku/doikenji.htm  
 この記録をみると、今回で53本目でしょうか。現在も執筆中の原稿があり、締め切りに追われています。 
 今回のテーマは、「写真・絵画の見方をさらに深める発問」。
 詳しくは述べられませんので、書店で手に取って見ていただきたいのですが、資料『尾張名所図会』の「結城紬織屋の図」と「トヨタ自動車のカタログ」を題材にしました。
 それでは、問題にしましょう。
Q 「結城紬織屋の図」と「トヨタ自動車」はどんな関連がある?こじつけてみてください。
 
 その解説編です。   
 尾張部を含めた今の愛知県は、江戸時代から綿織物業が盛んでした。
 「結城縞機屋の図」は、江戸時代後半に分業・協業といった新しい生産過程、いわゆるマニュファクチュア(工場制手工業)が始まった図として、多くの教科書等で紹介されています。
 画像出典 一宮と尾州繊維産業のあらまし http://www.matimoyou.com/bisiyuseni-2.htm  
 尾張は、第7代尾張藩主 徳川宗春が、規制緩和による経済の活性化を図りまた。
 一方、世は享保の改革を推進する将軍徳川吉宗の時代。質素倹約の強化が徹底しており、お祭りも縮小されていた時代です。
 宗春は、幕府の方針に逆らって、祭りを奨励したため、職を失いかけていた全国のからくり人形師が尾張に集まったのです。
 そのため、現在でも、愛知県内には多くのからくり人形を載せた山車が残っています。
 からくり人形は、歯車、ぜんまい、カム、棒テンプなどでその動きをコントロールします。
その技は、後の、機織り機、時計、航空機などに生かされました。ものづくり愛知の伝統は、このときに始まっていたのです。
 機織り機は改良を重ね、自動化を試みたのが、あの豊田佐吉です。1924年に作られた「G型自動織機」は、当時世界一と評価されました。
  画像出典 愛知県HP   http://www.pref.aichi.jp/0000001273.html 
 その織機の技術を生かして、佐吉の長男、喜一郎は、1933年に豊田自動織機製作所 自動車部を設置しました。国産自動車を作り始めたのです。
 それが、現在のトヨタ自動車に発展したのです。
 詳しくは トヨタ産業技術記念館 に展示されています。 http://www.tcmit.org/index.html  
「結城縞機屋の図」とトヨタ自動車との関連、わかりましたか?
 
 歴史は、どこかで現在とつながっています。それを知ると、子どもたちにとって身近になります。歴史と今をつないでやるのも、大人の役割かも知れません。
平成26年度中・高校生の社会参画に係る実践力育成のための調査研究取組内容
 文部科学省の指定です。
 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/shukensha/1358448.htm
 高等学校が11校、中学校が2校です。

 高等学校は、「地域におけるボランティア活動」「地域住民との交流や協働的な活動」「フィールドワークにより地域の課題を調べて・・・・・」「就業体験や地域における清掃活動、外部人材の活用等を通して・・・」「行政機関や社会福祉協議会など地域と連携し」など、総合的な学習として行っているのがほとんどです。
 いずれも、具体的な課題についての解決策を考える提案型(意思決定型)授業です。

ここでは、2校の中学校を見てみましょう。

<宮城教育大学付属中学校>

農村部への民泊や農業体験を踏まえて庄内地域における課題解決策を考えることを通して、次代の地域社会の担い手となる中学生の主権者意識を涵養するとともに、主体的に形成に参画し、その発展に寄与する力の育成を図る。

ここも行事にリンクさせており、高等学校に似ています。
しかし、「庄内平野における課題解決策を考える」という、意思決定型授業であることは同じです。

<香川大学教育学部付属高松中学校> 

人口減少が進む地域における観光資源の魅力化や新産業の発掘について考察することを通して、地域社会に参画する資質・能力を育成し、地域をよりよくする実践力を身に付けさせる。

具体的な課題に対して、新しい提案を考える意思決定型です。

2 
『全国高校入試問題正解』(旺文社)
 
 毎年紹介している私の「超」愛読書が、『全国高校入試問題正解 社会』。この30年近く、毎年愛読している珠玉の書です。
 そもそも、高校入試問題 というのは、各都道府県から集められた中学高校教師の俊才が、知恵を振り絞って作った作品です。
 制限は多いと思います。どの教科書会社で学習している生徒にも、不公平にならない問題です。その都道府県内のどの地域で学習していても差が付かない問題です。何より学習指導要領の範囲内の問題です。それでいて、適度に差が付かないと、合否が出せません。
 実際に、各都道府県の入試問題を解いてみると、毎年、新しい発想に出会うことができます。実によく考えてあります。練ってあります。工夫してあります。
 
 特に中学校の先生は必ず買ってください。47都道府県を全部解くと見えてくるものがあります。
 「何回も出る問題がある」 それが、大切なポイントなのです。
 「この問題面白い!」 試験問題を作成する時や授業づくりの大きなヒントになります。
 
 
 
3 高校入試・社会科での論述問題の数は・・・

 『全国高校入試問題正解』(旺文社)により、論述問題の数を検証してみました。
 解答に(例)と示してある文章で答える問題を数えてみました。数え間違いがあるかも?
 ちなみに、昨年の上位は、23問:群馬、15問:山形、宮崎、13問:香川、10問:石川、静岡、三重、鹿児島でしたが・・・
 
16問:群馬                
13問:石川、滋賀、鹿児島
11問:山形、福島、宮崎          
10問:福井
9問:香川                  
8問:埼玉、新潟、三重、広島、福岡
7問:長野、静岡、奈良、山口、熊本、大分   
6問:岩手、和歌山、徳島、愛媛、長崎
5問:青森、宮城、秋田、栃木、島根、佐賀   
4問:東京、富山、山梨、岡山
3問:北海道、茨城、千葉、神奈川、岐阜、鳥取、高知、沖縄  
2問:大阪
0問:愛知、京都、兵庫(←昨年と同じ顔ぶれ)
ということで、別紙で群馬の問題を解きました。



 第3回 金融経済教育研究会  「校長日記」より
 講師は、株式会社デンソーの人事部長 山内 啓市 氏です。
 前半は、デンソーという会社の紹介。 後半は、会社として何を目指しているのか、
 そしてメインが、どんな人材を育成しようとしているのか です。 教員として、また、管理職としてとても興味深い話でした。
 これまでの会社の研修は、先人が過去から培った知見を次世代に伝える やり方でした。
  即ち、先輩の話を聴くのです。
 しかし、問題がありました。講義形式では、睡眠の時よりも、脳波が動かないそうなのです。
 そうです。今時、大学でも講義形式の授業は減りました。
 私もいろいろなところで講師を務めますが、必ず模擬授業形式、即ち参加型にします。
 朝礼でも、「まわりの人と話し合ってごらん」というのはそのためです。
 
山内氏は、「世の中が国際化、高速化、高度化し、1人の先輩が教えられることではない。 」「自ら学び、自ら考え続ける人材になるための働きかけ、刺激を与えることが大切」と言われました。その通りでしょう。
 言われたことをきちっとやることも大切ですが、それでは会社は伸びていきません。
 目的のために、何が必要か、何をすればよいのか考える、すなわち参画できる人材を育成しようとしているのです。
 そのための手だてを紹介していただきました。
 そのエッセンスが、「成長できる個人づくり」「支え合うチームづくり」「挑戦する風土づくり」です。
 学校も同じです。異業種の人の話を聴くのは、いつも勉強になります。

5  岐阜大学教育学部附属中学校中間発表 「校長日記」より
 6月21日は、岐阜大学教育学部附属中学校 へ行って来ました。
 研究テーマは、新しい時代を生き抜く生徒
 サブテーマが、「汎用的な能力」の育成と「建設的相互作用」を生み出す授業を目指して
 難しい言葉ですね、
 それでは、「汎用的な能力」とは何でしょうか?
  自ら課題を発見し解決する力
  他者と協働するためのコミュニケーション能力
  物事を多様な観点から論理的に考察する力
 
 昨日、デンソーの人事部長さんが言っていたことに似ています。学校では、子どもたちに、このような力を付けることを求められているのです。
 それでは「建設的相互作用」とは?私は初めて聞いた言葉です。次の3つだそうです。
可 搬 性:学習成果が、将来必要になる場所と時間まで「もっていける」こと
活用可能性:学習成果が、必要になった時にきちんと「使える」こと
持続可能性:学習成果が、修正可能であることを含めて、「発展的に持続」すること
 わからないでもないですが・・・。具体的にはどうでしょうか・・・。
 
6 お役立ちサイト
(1)文部科学省関係
「生徒の英語力向上推進プラン」について
  http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/gaikokugo/__icsFiles/afieldfile/2015/06/18/1358906_01.pdf 
 教育振興基本計画部会(第8期〜)(第1回) 配付資料
  http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo14/shiryo/1358853.htm 
 平成27年版 科学技術白書
    http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpaa201501/1352442.htm 
 学習成果活用部会(第1回) 配付資料
   http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo2/010/siryou/1358670.htm 
 文部科学省初等中等教育局特別支援教育課 特別支援教育調査官 田中裕一氏
  特別支援教育の今後の展望   (前回尾関先生に紹介していただいたものです) 
   http://zent2014.xsrv.jp/htdocs/?action=common_download_main&upload_id=121 
(2)「指導者のための若手教員の育成を図る研修の手引き」/愛知県教育委員会
   http://www.pref.aichi.jp/cmsfiles/contents/0000081/81919/tebiki_allpage.pdf