第6回 社楽の会報告     第5回へ    第7回へ
                                  報告者 布袋中 土 井

7月14日(木)7:00〜9:35,布袋北学供にて第6回の学習会を開催しました。会の名前は,新指導要領の趣旨にのっとり?,社会科を楽しむという意味で「社楽」になんとなく決まりました。音楽があるなら社楽もあってもいいと思います。
参加者は,土井木本尾関滝口栗林高木,川井,高橋,野呂,多和田大薮,日比野(敬称略)の12名です。
 
 前回もそうでしたが,今回も中身が濃く,会の内容をまとめるのが困難になってきました。資料だけでもB5版にして120ページ以上。膨大な情報をいただき本当にありがたく思います。この宝をぜひ生かしていきたいと思っています。

☆ 滝口先生からは,学級の児童の社会科に対する意識,学習スタイル,学習内容への関心,環境問題についての知識などを調査した結果を示していただきました。丹念にまとめてあり,今後の分析が楽しみです。個をつかみ,個を生かす上での大切な資料です。
 次に,授業実践の第1時の結果報告と児童が作った学習課題が示されました。
 道徳の授業で学校の近くの野府川に目を向け,祖母や父から聞いた昔の様子と今の違いに気づく。そして野府川が汚れた原因を考えながら,環境問題全体へと考えを広げていく,という流れでした。
 児童が作った課題は,酸性雨関係が5名,生物関係が15名,そのほか大気汚染,森林の減少,フロンガスなどいろいろありました。今後,個別に支援しながら,課題を具体的に決定していくことになります。
 問題点としては,@夏休み中の支援の方法,A2学期の授業展開 が出されました。Aは,後出の栗林プランを参考に,@については出校日以外にも支援の機会を持つことが必要ということになりました。
 栗林先生からは,体験的な課題をふやす,児童の調べ学習の結果は今後2,3学期全体を通していろんな教科で生かす,共通の調べ学習の機会をもう1度持つという意見が出されました。

☆ 土井からは,環境問題についての調査活動36のネタを紹介しました。その多くはかつて自ら実践したもので,ほとんどが実現可能です。ぜひ追試してみてください。
 次に紹介した1975年の国際環境教育会議で出されたベオグラード憲章・環境教育の目標は,知っておくべきだと思います。その最終目標は,「参加」です。
 また,文部省の考える環境教育の定義も確認しました。

環境や環境問題に関心・知識を持ち,人間活動と環境との関わりについての総合的な理解と認識の上にたって,環境の保全に配慮した望ましい働きかけのできる技能や思考力,判断力を身に付け,より良い環境の創造活動に主体的に参加し環境への責任ある行動がとれる態度を育成する

・ 土井からは,昨年秋の校外学習で行った体験学習についての報告をしました。生活科のからみもあり,今後もこうした体験学習が増えていくと思われます。情報を交換し合いたいと思います。

☆ 高木先生からは,愛知県が行っている「水生生物による水質の調査法」の紹介です。五条川小が毎年参加している,県の主催の五条川水質調査の概要を聞きました。そこに住む水生生物を調べれば,川の水のきれいさがわかるというものです。
 ぜひとも,野府川でも調査してみたいと思います。

☆ 栗林先生からは,B4で15枚もの資料を準備していただきました。「環境問題を取り入れた授業(試案)」と環境教育についての資料です。
 授業試案では,主に工業単元での流し方についての例を挙げていただきました。今後この試案をベースに小学校実践を検討していきたいと思います。
 また,環境教育の学習のねらい,個に応じた指導・表現活動を取り入れるポイントなど,参考になる資料をたくさんいただきました。全員が理解して,今後の議論の基礎知識としていきたいと思います。ぜひ理解してきてください。   

☆ 高橋先生からは「夜の地球」の授業の報告です。ポスター「夜の地球」は最高におもしろいネタです。宇宙から夜の地球を見ると,都市・油田・オーロラ・山火事・焼き畑・イカ釣り船の光が見えること,特に日本がいちばん明るく見えることは興味深いことです。

☆ 尾関先生からは,「きれいな水を守ろう」「ドラエもん地球環境警備隊 環境クイズ」「中日新聞エコくいず」の紹介でした。身近なところに,けっこう資料があるものです。特に,小学生も中学生も(大人でも)興味づけにはクイズは有効です。  

☆ 木本先生は,酸性雨の新聞記事の紹介です。犬山のPH4.5は脅威です。

☆ 大薮先生からは,KiTED3.10の取扱い説明,犬山中学校1年生夏休みの課題学習,社会科に関するアンケート紹介でした。
 KiTED3.10がプレゼンテーションソフトとして使えればいいのですが…ウィンドウズでは「フリーランス」「アクション!」が企業の会議などで使われているそうです。
 「課題学習」では,歴史,地理(産業,交通,生活,環境)分野の16の課題例の中から1つを選択し,問題をつくるものです。生徒が何を選び,どんな問題意識を持つか楽しみです。また,その課題例以外からオリジナルの問題を作ってくれるとうれしいですね。
 中学校では,この後,課題設定,調べ方・まとめ方の学習が待っています。また,その後には,まとめの授業をどうするか考えなければなりません。これから,話し合っていきましょう。

☆ その他として,多和田先生から,学校訪問の指定授業「政治とわたしたちの生活」の報告がありました。
 自衛隊のPKO活動の内容について賛成・反対の立場でのディベートの授業でした。
 ディベートはまさに大流行です。最近でも,今年の『現代教育科学』6月号が「教室ディベートで子供は変わるか」,『社会科教育』7月号が「いまディベートの授業がおもしろい!」とあいついで特集を組んでいます。 
 ディベートは「ひとつの問題をめぐって正反対の二つの立場に分かれ,自分の立場が相手方に優っていることを審判員や聴衆に説き伏せる議論」と定義され,教育的意義として,@コミュニケーション技術の向上, A重要な社会問題に接すること,B批判的思考力の向上 が考えられています。特に社会科の目標と深く関わっているので,今後も実践を積み重ねていきたいと考えています。
 

      問い合わせは 土井謙次  syaraku@tcp-ip.or.jp