- 「洋風住宅」とは何だろう
- 「ニュー・アーバニズム」の出現
- 巨大化とローコスト化
- 象徴としての住宅
- アメリカの近代住宅が若かった頃
- 流通システム、労務・管理コスト
2.「ニュー・アーバニズム」の出現
20世紀が終わろうとする今、アメリカにおける「近代住宅」はどうなっているのだろう。
建築デザイン分野での「ポスト・モダニズム」に呼応するように、近頃「ニュー・アーバニズム」という都市デザインの考え方が度々紹介されている。
都市の際限無い成長を支えることはもはや不可能だとして、「成長管理」が大都市では導入されているのだが、それと同時に、郊外住宅地の際限無いスプロールも、
低成長時代にはそぐわないというものである。特にほとんどの高速道路が無料であり、それが市街地の拡散を作り出してきた西海岸で悩みは深い。
広々とした芝生の中に点在する大型の郊外住宅という、住宅における「アメリカンドリーム」は、道路を初めとする公共サービスにとって耐えられない負担になっている。
シアトル周辺でも州、市によって都心近くの荒廃地区を都市型住宅地にしようという再開発計画がいくつか進行しているだけでなく、
郊外分譲地でも1エーカー(約4,046.8m2=1,226坪)あたり24戸ないし32戸程度の高密度住宅開発が考えられている。
こうした高密度計画ではかってのような「町屋」的な街区デザインが主流である。
「コンドミニアム」と呼ばれる集合住宅を含む、現代の「町屋」の多くは、近代技術を駆使した木造建築であり、
密度から考えてもわが国の既存市街地、開発市街地の多くにとって参考にするところは多いであろう。
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ワシントン州地域開発局の提案する高密度住宅地計画。("Designing for Density"より)
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低層高級コンドミニアム、これはカナダの例。(Vancouver, BC 郊外)
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中層コンドミニアム、こちらは安そうだ。(Seattle, WA 市内)
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