2007.11
-Not So Small House
-Court House
-Let the Sunshine In
-Open Plan
-Say Hello
-Rabbit Cage
-When I'm sixty-four
-月見の宴
-寄付
-Slide Show
-実施設計図(pdf)

米国ではこのところ"Not So Big House"---「それほど大きくない家」というのがインテリジェントな都市生活者の間でのトレンドになっている様です。シアトル近郊、マイクロソフト幹部が多く住むベルビュー市では「住宅地での建替えでは近隣住宅のスケール、デザインに合わないものは避ける」条例を作り、最近の巨大住宅に対抗しようとしています。

ところ変わって浜松市近郊のこの家は敷地180坪、床面積87坪と、現在の日本の標準的な住宅からすれば"Not So Small House"---「それほど小さくない家」ということになりそうです。退職金で建てるのだが、どうせなら娘夫婦も一緒に住んでしまえ、というわけで2世帯住宅になったのが大きくなった理由です。

中心市街地、あるいは昭和40年代の分譲住宅地では現在、敷地の空いたところに離れを建てる、という訳にも行かず、子供が大きくなったら家族構成に合わせて全面建替え、退職して隠居部屋を作る為には再び全面建替え、というのが普通であり、モノとしての寿命が来る前に住宅の寿命が尽きてしまう訳です。まあ、住宅産業もそれで潤っているのですが、敷地に余裕があれば将来的にも敷地内で部分的増改築が出来ます。昭和30年代までは「憧れの自家用車」だったものが、今では成人家族数の駐車スペースを取るのがやっとで、街中ではホームパーティーをやろうにも車が駐められないので無理、となってしまいます。

近郊集落の優れた環境と、現代人の生活に適した建物が揃えば理想的な住まいになる、という意味でも考えるところがありました。