いま、もっとも日本で注目を集めるレースのうちのひとつJNCCのシーズン中盤戦が10日、 聖地である長野県爺ヶ岳スキー場で開催。 絶対王者の小池田猛が4連勝、これに食い下がる渡辺学はイベントが重なったことで休場となった。 また、ヤマハが2019年モデルを発表したばかりということもあって、 3強のうちの一人鈴木健二が世界初のYZ85LWをレースデビューさせた。 また、今戦はアメリカからアンソン・マロニーがスポット参戦。 IRCタイヤが全面的にバックアップているノースアメリカの雄が、どこまで小池田に迫れるのか、 はたまた小池田を打ち負かすのか?にも期待がかかる。 レースは、いつもどおり石戸谷蓮がホールショットを奪う形でスタート。 これにアンソン、小池田、斉木、鈴木らが追随する形でオープニングラップが進行する。 真っ先に1周目を戻ってきたのはなんとアンソンで、 2番手小池田も10秒ほどのリードを奪われているという驚愕のシーン。 レース展開は、王者小池田が自由に書き換えられてきた今シーズン、 黒船の来襲で小池田のリズムが大幅に狂ってしまう。 珍しく序盤から全力で追い上げを強いられた小池田だが、 そのプレッシャーにミスを誘発されたか3周目でクラッシュ。 レースをリタイアした。 ラクになったアンソンは、ペースを1分ほど落として走るもののあまりの速度とガレにタイヤの消耗激しく、 チームからペースダウンのオーダーが飛ぶ。 後続とのアドバンテージも十分だったことからピットインの作戦に出た矢先に、こちらも激しくクラッシュしてアウト。 後続では激しく小林雅裕がペースを上げていたが、こちらもレースをリタイアしており、 このサバイバル戦の様相の中6周目で中島敬則が単独トップに浮上する。 次第に荒れてくるコースに中島は苦戦。 これを突こうとした齋藤祐太朗は、後半に30秒ほどの差を一気につめかけ、 3番手和田卓也もこれに続く。 モトクロスから転向してきた中島にとって、荒れたコースは不得手だが、 岩場の多い富山で育った齋藤や、エンデューロで名をなしてきた和田の性格がはっきりと出た終盤、 しかし中島が逃げ切り初優勝をものにした。 YZ85LWで参戦した鈴木健二は、3周に1度給油しなけれないけないなど不利な面が多分にあったにも関わらず、 9位から追い上げて最終的に5位でフィニッシュ。 クロスカントリーにも使えるほどの低中速と、堅牢性を存分にアピールした形だ。