5 Web情報
小・中学生向けに、電波に関する基礎知識、電波利用の現状、電波監視の内容などを、イラストを用いてわかりやすく解説した子ども向け電波利用サイト。
「日本の工業の特色」は、次の4つの内容で構成されています。実際に町工場の方に話を伺っているような、リアリティーのあるページを多く紹介しています。
聞いてみよう 職人の声・町工場と世界のつながり・町工場の多い地域・町工場の方へインタビュー
地域の町工場、地域の特色、そして日本の工業の特色について調べ学習をする際には、ぜひこのページをご活用ください。
「教科名」「給食・食べ物」「生き物」「学校行事」など、わかりやすいメニューがついているので、目的に合わせて素材を選ぶことができます。
Webデザイナーの方が3000点以上の素材を無料で提供しています。色数が豊富な上、数字やアルファベットなど、ちょっとしたところに使いたい素材がたくさんあります。
本と図書館に関するウェブ上の情報を収集、紹介。
日本、アメリカ、中国で比較調査。
大学生でも力量に差があるようですね。実は問題を作るのが一番大変。
国会図書館のサイト・日本の暦の歴史、特に江戸時代に流行した暦の一種である大小暦(だいしょうれき)の楽しみ方を紹介。
選挙について、わかりやすく解説しているサイトだが、内容としては中学生以上向き。選挙にまつわるクイズにも挑戦できる。
小学生・中学生・高校生のために、税のしくみについて解説してくれる。所得税や消費税について世界各国との比較もあり、教材としても活用できる。
(12)特集:「119番」に関するサイト
11月9日は「119番の日」、15日まで「秋の火災予防週間」です。「消火活動、救急業務、救助活動等消防全般に対する正しい理解と認識を深め、防火意識を高める」ために、消防庁が制定したのだとか。これからの季節、石油ストーブなどを使う機会が多くなってきます。くれぐれも火の元には気をつけましょう。
災害に関する最新情報やデータなど。応急手当の仕方などイザというときの参考に。
防炎製品をご存じですか? エプロンやシーツなどサイトからの申し込みも可。
非常食や生活用品、救急救命など防災用品をネットでショッピング。優れもの多し。
救急バッグを積んだマウンテンバイクに乗って、救急救命活動を繰り広げるNPO団体。
災害時に人命救助するレスキュードッグや心身を癒すセラピードッグを育成・派遣。
☆総理官邸キッズルーム/たいせつな話〜火事を防ごう
防火の知識や119番への通報の仕方、火事の時の避難の仕方などを分かりやすく。
(13)14年度版「子ども環境白書」 環境省
オゾン層やゴミ問題など、環境問題で話題になっていることをまとめ、エコライフ診断のためのチェックができる子ども向け環境白書がHP上で公表された。環境教育にも活用できる。
(14)子どものページ 国土地理院
空中写真や地形図、国際図、火山基本図など知らない地図がいっぱい。動物たちをモチーフにした空想上の島を、地図として書いた空想の動物地図が面白い。
様々なデータベースと情報収集に便利なリンク集。
手話を動画で学べるサイトをいくつか紹介しています。
【サーチ】環境用語(エコワード)
6 教育関係注目ニュース
(1)EduMail))) PDAを使った学習システムを研究・開発
旺文社デジタルインスティテュート(旺文社DI)とアルプスシステムインテグレーション(ALSI)は、経済産業省「IT教育改善モデル開発・普及事業」の一環で、小学校で携帯情報端末(PDA)を使った学習システムの研究・開発を進めている。
学習用に校内LANが整備されるケースがでてくる中で、PDAを児童に持たせ、校内LANで結ぶことで、PDAを介した学習教材システムを作るのが狙い。学習の場面を、教員がクラス全体の学習の到達度を把握するための活用▽野外での児童の調査活動での活用▽社会教育施設での館内見学を支援するシステム―の3パターンに分類。それぞれの場面で活用するためのソフトウエアを今後開発していく。
プロジェクトは、両社が、堀田龍也・静岡大学情報学部助教授にプロジェクトリーダーを依頼し、静岡県浜松市立都田小学校を含む小学校2校と福岡市の水族館、海の中道海洋生態科学館(マリンワールド)の協力を得て開発を進めていくという。
●PDA活用し総合学習 <茨城・牛久市教委>
茨城県牛久市教委は、市内小中学校の総合学習など校外学習時に感じた児童生徒の疑問をオンタイムで解決できるよう、携帯情報端末(PDA)を活用した実践を始めた。同市「自然観察の森」の学芸員が児童らの質問に即時に答えることで、「子どもたちの疑問や意欲がより継続するのでは」(市教委学校指導課)と期待を寄せている。
同事業は財団法人コンピュータ教育開発センター(CEC)のITを活用した教育推進事業の募集で「先進的モバイルを活用し、博物館と連携した環境調査活動」として採択された。 同市とつくば市両教委が連携して地域を流れる小野川流域の自然などを学習することを予定している。市教委は校外学習の班活動の際に1グループに1台の計算で20台のPDAを準備し、各学校に貸し出す。
市内小中学校では11月に同学習を本格的に実施する計画だ。
☆★☆コメント☆★☆
1人一台にパソコンが普及するまでは、PDAや携帯電話が有効だ。いや、むしろパソコンに代わってPDAが主役になるのは間違いないだろう。柔軟な発想でいろいろ可能性を探ってほしいものだ。
(2)EduMail)))「朝の読書」実践校が全国で1万校を突破
子供と教員が毎日好きな本を10分間自由に読む「朝の読書」の実践校が広がり、1万校(9月5日調査)を突破した。朝の読書推進協議会(大塚笑子理事長)が全国の小、中、高校の実態をアンケート調査した結果で、約400万人の児童・生徒が毎朝、読書をしている計算になる。
10月中旬の調査では、日本全国で朝の読書を実施している小学校は7109校(実施率30%)、中学校は2878校(同26%)、高校は631校(同14%)の計1万618校(同27%)にまで増加している。
この運動の広がりについて同協議会の佐川二亮・事務局長は「1997年前後から、いじめ、不登校、学級崩壊など、学校教育現場が危機的状況に置かれたことが導入に拍車をかけたのではないか」と分析する一方で、「『図書費が少ない』『本が足りない』という声が急増している。学校はもっと積極的に図書整備費をしっかり予算化するように教育委員会や自治体に呼び掛けることが必要だ」と訴えている。
☆★☆コメント☆★☆
たいへん増えているのは嬉しい。しかし、読書は当たり前のこと。朝の短い時間を利用して読ませないといけないほど、本を読まなくなったということだ。高校でも行われるとは悲しい。
(3)EduMail)))地域】小学校から起業家魂育成する機関設立 京都市
京都市と同市教委、政府出資特別法人の人材育成機関「京都ソフトアプリケーション」(同市下京区、堀場雅夫社長)は、起業家精神の早期育成を目指す「21世紀型教育コンテンツ開発委員会」(仮称)を設立する。
経済産業省が進める産学連携などの体制整備も創業率向上につながらないため、同省は「小中高等学校における早期起業家精神育成に関する調査」を同社に委託。一方、京都市では来年度から全市立校で光ファイバーでの高速通信ネットワークが運用されるなど、多様な情報教育が進められ、独自性やチャレンジ精神など、起業の基盤となる素養の育成を目指している。
委員会は体系的かつ効果的な教育コンテンツの開発・実施のため、産官学の有識者で構成。今年度中に全国約1500校の小中学校、高校でアンケートなどを行い、起業家精神教育の実態、求められる教育内容を探る。実際にカリキュラムを作成し、学校教育に導入するのは再来年度以降の見込み。堀場社長は「小学校から起業家魂を持った人間を育てることで、京都の、ひいては日本の活性化につなげたい」と話している。
☆★☆コメント☆★☆
いつもながら、京都の起業家教育への取り組みには驚かされる。個人的には、起業そのものが「生きる力」を駆使した総合的な営みだと思っている。素材としておもしろいのだが、京都のそれは本格的な起業家を育てようとしていることに違いがある。半端ではない。
(4)EduMail)))【データ】教育改革「評価しない」教員7割超 栃木・宇都宮市
栃木県宇都宮市教委は、中堅教員を対象に実施した学校教育に関する意識調査の結果を発表した。4月から始まった学校完全週5日制の導入など一連の国の教育改革に対し、「ゆとり」がなくなったことへの不満や学力低下への懸念を示し、小学校の72%、中学校の80%が「評価しない」「あまり評価しない」と回答するなど、否定的な受け止め方が目立った。
調査は教職経験10〜19年の教員を対象に行われた。対象は724人で、回答は699人(回答率96・5%)。内訳は小学校411人、中学校288人だった。
「国の教育改革を評価するか」の質問には、小学校の61%、中学校の54%が「あまり評価しない」と回答、小学校の11%、中学校の26%が「評価しない」と答えた。「教員にとって新学習指導要領の実施でゆとりは生まれたか」との質問では、「ゆとりがない」との回答が全体の9割を占め、小学校の64%、中学校の56%の教員が「以前より忙しくなった」と回答した。
「週5日制に伴う学習内容の3割削減は、学力低下につながるか」との問いには、小学校の46%、中学校の35%が「少しはつながる」、それぞれ31%、45%が「つながる」と大半が懸念を示した。8割程度の教員は児童生徒の学力に合わせてグループ分けして指導する「習熟度別学習」の実施や、複数の教員が授業を行う「指導助手の増員」の必要性を指摘した。
また、完全週5日制の導入などで「教員が多忙になり、子供との活動や相談を受ける時間が減った」(小中教員)「部活動がある以上、教員の労働条件は変わらない」(中学校教員)など、時間に追われ、満足のいく指導が出来ていない不満も寄せられた。
一方、「児童の集中力が5、6時間まで続かない」(小学校教員)「生徒が月曜の授業に集中できず、教員の指導が徹底できなくなっている」など、児童・生徒の変化を指摘する意見も寄せられた。教員の仕事への満足度については、「やや不満」が小学校35%、中学校34%、「不満」がそれぞれ3%、10%で、「勤務外の仕事が多い」「雑務が多い」などの理由が目立った。
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教職経験10〜19年の回答としては悲しい。設問にも意図を感じるが、組合でなく教委のアンケートとは驚きである。「宇都宮市の中堅教員は意欲がない」と公表しているようなものだ。
(5)EduMail)))【視点】社会参画型学習の勧め 教育ジャーナリスト 矢倉久泰
三重県の北部、滋賀県に近い藤原町に「屋根のない学校」がある。「ある」と言っても校舎があるのではない。地域全体を「学びの場」にして総合学習に取り組んでいるので、推進役の町教育長がこう呼んでいるのだ。私はこのネーミングに惹かれて2度、現地を訪れた。はじめは環境教育、つぎは総合学習の取材。そのつど雑誌で報告してきた。
藤原町は鈴鹿山脈の麓にある人口7800人の農山村。小学校が5校、中学校が1校あるが、いずれも子供の数は少ない。どの学校も年間計画を立てて地域に根ざした総合学習に取り組んでいる。どの実践も素晴らしかったが、中でも中里小学校のそれは感心させられた。
子供たちは学校の前を流れる川の汚染調査をした。その結果、汚染の原因の1つが家庭から流すてんぷら廃油にあることを突きとめ、そのことを学習発表会に地域住民を招いて発表した。「川を汚さないために、廃油を流さないでください」と訴えたのだ。
たまたま傍聴に来ていた町長が、家庭から出る廃油の回収を、町役場の手で行うことを思い付く。全戸にポリタンクを無料配布し、ごみの回収日に廃油の入ったポリタンクを一緒に回収しはじめた。
ここまででも「よくやった」と私は思うのだが、その先がさらに良かった。町は回収した廃油を精製して軽油にし、町有の作業車の燃料に使っている。子供の学習が町を動かし、環境保護につながったのだ。
こうした社会参画型の学習は、あちこちの学校で取り組まれている。小学生が町内の交通事故の原因を調べて信号設置を警察に要望して実現した例がある。家庭のごみ回収方法を市長に提案して、木目細かい分別収集を具体化させた中学校がある。
こうした実践は、総合学習の1つの方向を示すものだと思う。つまり地域に目を向け、地域の課題に気づき、原因を調べ、そして解決策を考えて行政当局や地域住民に提案するという学習だ。
それによって町を動かして政策化されるかもしれない。また地域住民の意識を変えることになるかもしれない。「まちづくり」への参画である。子供も「小さな市民」。子供のときから地域のことに関心を持ち、どうすればいいのかを考え、解決案を発信する体験を積めば、主権者意識を持った市民に成長することだろう。
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まさに、丹葉の社会科が取り組んできたこと。「そこまでやるか」と言われてきたが、やっと一般的になってきた。
(6)◆東海大菅生中で週6日制復活を保護者に伝える(東京)
「学校完全週五日制」をやめ、来春から「六日制」に戻すことを決めたあきる野市菅生の東海大菅生中学校(島田幸成校長)で、二日、一・二年生の保護者会が開かれ、島田校長から週六日制復活が正式に伝えられ、保護者も了承した。
◆週5日制で県立高の6割で平日授業増、県教委アンケ(長野)
県教委は、全県立高校八十九校を対象に行った「週五日制実施に伴うアンケート」結果を公表した。多くの高校で平日の授業日数が増え、土曜日には模擬試験や補習を行うなど、授業時間確保や学力低下を防ぐことに懸命な実態が浮き彫りになった。
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これにも驚く。学力観が旧来のままで、形だけ新しくするものだからねじれを生み、形を戻そうとする。なぜ発想を変えないのか?学力観を変えないのか? 受験が変わらないからだ。
(7)EduMail)))【教員】東京都教委が全国初の能力別研修
東京都教育委員会は、来年度から公立小中高校の教員を能力別に3段階に分け、各段階ごとに別メニューの研修を課すことを決めた。各地の学校で導入が進む習熟度別学習の「先生版」で、教員の力量に応じたきめ細かな研修を実施するのは全国初。校長ら管理職が各教員の能力を判定して振り分けるため、教員組合などの反発も予想されるが、教員の資質向上のため研修を充実させる自治体は多く、今回の制度は他の自治体にも影響を与えそうだ。
従来の都の教員研修は、勤務年数の同じ教員が全員参加し、一斉に同じプログラムを受講したり、教員自身に希望するプログラムを選ばせていた。しかし、一斉研修では各教員が抱える個別の課題に対応できず、効果を疑問視する声があった。
このため、新制度では同じ年齢、職歴の教員に、能力に合わせて異なる内容の研修を実施。管理職が人事考課の中で教員を評価し、「上」「中」「下」の3つのランクに分ける。さらに教職経験2〜10年の若手、11〜20年の中堅、21年以上のベテランに分け、複数の研修メニューから、管理職が個人にふさわしい研修プログラムを作り、受講させる。
ベテランでも、児童生徒の学習指導に問題がある場合は基礎的なプログラムを課し、逆に優秀と評価された教員は大学院の講座を受講したり、将来の学校のリーダーになるための研修を受けさせる。研修後は、現場で研修の成果が生かされているかどうかを管理職が評価し、この結果も人事考課に反映させるという。都教委は「教員の資質が向上し、子供や保護者の期待に応えられるはずだ」と話している。
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EduMail)))【教員】資質向上へ5段階評価 大阪府
大阪府教委は、公立小中高校、養護学校などの教職員の資質向上を狙った新勤務評価制度の試行を始めた。年度初めに教職員に生徒指導などの目標を立てさせ、生徒や保護者らの意見を踏まえ、年度末に達成度を自己評価させる。最後に校長が本人と面談し、5段階で総合評価する仕組み。2004年度に本格実施し、将来的には人事や給与など処遇にも反映させる方針。教職員組合は「事実上の人事考課」と反発しており、曲折も予想される。
大阪府の教職員は約5万4000人と西日本最大。今年度は目標設定と自己評価をさせるだけで総合評価はしない。今月半ばまでに教職員への説明を終え、12月から自己申告表の提出を求める。その後、年度末にかけて面談などをする予定。
文部科学省によると、同様の制度は東京都が2000年度にスタートさせている。広島、香川、神奈川、埼玉の各県教委でも導入を検討中という。大阪府教委では諮問機関の「教職員の資質向上に関する検討委員会」が指導力不足などの「問題教員」対策と並行し、制度導入を提言していた。
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最近はこうした「教員の資質・能力」に関するものが増えてきた。「教員の資質・能力は人によって差がある」という当たり前のことを口に出して言うのははばかられた時に比べれば進歩だろう。一般企業なら当然のことだ。
しかし、消費者は商品を選べるが、子どもは教師を選べない。「レベルをある程度の高いところでそろえる」という発想の議論がなければ進歩がない。
それを考えると、学校選択制、校長による人事枠の増加、「問題教員」の配置転換という流れは止まりそうにない。
(8)メディアリテラシー教育をカリキュラムに導入 アメリカ
メディアを批判的に観る態度の育成。ニュースの予告、見出し、風刺に着目し、児童自ら情報機器を利用してメディアを編集・発信してみる。
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これも当然の流れ。教科「情報」のない小中学校では、まずは社会科の仕事だ。
7 戦争体験聞き取り集
大口中学校の2年生が、この夏に取り組んだ戦争体験聞き取り調査の成果です。こうした活動はここ数年がラストチャンスですので、各地域で行ってほしいものです。
8 MM紹介
(1) エデュぷらネット】No.137 2002/10/31
【朝の小ネタ】色のいろいろ
芸術の秋です。先週に引き続き、絵画に触れてみましょう。私はシャガールのパステル調に心惹かれます。ゴッホの鮮やかな色が好きという人も、色のない水墨画の奥深さを好きな人もいます。
色の好みは、人それぞれですよね。(以下中略)
子どもから大人まで、色の情報発信「色彩ガイド」
図工・美術の授業記録を紹介する「美術室かわら版」
色彩学、色彩心理学など「カラーコーディネートの世界」
HPの色使いについて学ぶことが出来る「色の散歩道」
書いた絵を送ると掲載してくれる「大きな画用紙」
メールで送ると掲載してくれる「パソコン自由工房」
何をどんな風に書くかアドバイス「お絵かき教室」
メッセージカードやかぶり物などの工作「SAWAS」
ドットを塗りつぶし、絵を描こう「ドットペイント」
絵合わせパズルや似顔絵作成で楽しめる「どぐっち」
(2)メールマガジン「実践!作文研究」
第143号 2002年11月3日発行(毎週日曜日発行)
日記指導おもしろネタ集 「授業紹介日記」 聖学院小学校 木越 憲輝
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■授業紹介日記とは
授業感想文を日記形式にしている。そして、さらに授業紹介をするという目的を加えた。
子どもは、楽しい専科の教師による授業が終わると、担任教師や隣のクラスの子にも授業内容を伝えたがる。つまり、その場面での話に出てくる情報を整理し、より様子が伝わるように書く日記だ。
授業紹介を日記にするには、次の2点に気を付けて書くことが必要になってくる。
(1)授業の様子が見ていない人に分かるように書くこと。
(2)授業から自分がわかった大事なポイントを書くこと。
■指導例
(1)はじめは「授業感想文」
小学4年生である。授業終了5分前から5分間ぐらいで、今の授業の感想を書く。
今日の算数の授業は5です。理由は2つあります。
1,3が4つならんでいる中に+や−、×÷そして、( )を入れていくのがとっても楽しかったからです。いつも問題を解く立場にあるので+や−などの記号を入れて式をかんせいさせるのはすごくうれしかったです。
2,ひととおりではなくいくつも答えがあったのがおもしろかったです。計算だとひとつしか答えがないので楽しかったです。
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良く書けている子である。自分のした授業の評価として見ることもできる。このようなこと
を繰り返して、授業の様子を書くことに慣れさせる。
(2)授業の場面を書かせる「授業日記」
「授業の様子」をテーマにした日記「授業日記」を宿題とした。次の日提出されたものから、次の作品を児童に読み聞かせる。
今日、体育でサッカーをやりました。赤の女子対白の女子で戦いました。私は、ボールを使うスポーツがすごくとくいなので、いっしょうけんめいせめてシュート1対0で白の勝ちでした。Y先生には「女子はだんごになっているからもっとせめなさい」と言われました。たしかに「せめれば点が入るし、せめたり守らないとスポーツじゃないな」と思いました。
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『先生の言った言葉を書き取っています。よいです。この一つの言葉だけで、その場面がよく見えてきます。授業の様子をよく伝えている言葉でもありますね。』
『見てない人(特に先生)に授業の様子を紹介して下さい。見たことしたこと、聞いたことをしっかり日記に書き込むと、相手によりよく様子が伝わるでしょう。』
(3)相手に様子を伝える「授業紹介日記」
専科教師(我が校では、音楽、理科、体育、図工)の授業を担任(見ていない先生)に授業を紹介することを目的とした「授業紹介日記」を書くことを宿題にした。自分の体験(したこと見たこと)
を盛り込み、相手に伝える意識で書かれたのが以下の作品だ。
今日は、理科の授業をしました。今日やったことはアルコールランプでいろいろな実験をしました。まず、最初は、三脚と亜美とアルコールランプと500CCビーカーとマッチ棒を使っての実験でした。この最初にやった実験だけ説明します。まず、三脚の上に網を置いてその上に300CC位入れたビーカーを置きます。そして、アルコールランプに火をつけて、三脚の下に入れま す。十分たってもゆげだけしかでなくて、そこで終わりになってしましました。
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『使った物がよく分かります。何をしたのか「まず」や「そして」を使って順序よく書いています。とてもよいです。』
『ここで何がわかったかが入れられるとなおよいでしょう。』
他人に紹介する意識が高い作品だ。この形を意識して、さらに自分の考えや人の言葉に注目できるとなおよいと思った。
(4)まとめも書く「授業紹介日記」
同じ時間の様子をもう一人は、このように書いてきた。
今日は、理科でお湯を沸騰させました。
300ccの水はアルコールランプであたためると、だんだんあたたかくなり、小さなあわが出てきました。それは沸騰してたからだと思います。そのお湯と氷の入った水を使って実験しました。どういう実験かというと試験管の口に洗剤をつけ、あたためた時と冷やした時の違いをみるのです。あたためた時は洗剤がもりあがってきて、冷やすと洗剤はへこみました。このことから水はあたためると、水のかさがふえ水を冷やすと水のかさがへることがわかりました。
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『体験したことで、大事だと思ったポイントを「このことから〜がわかりました。」とまとめを書いているのがよいですね。』
自分の言葉で授業から学んだこと、わかったことを書くと、授業を振り返ることもできて、要約する力も高まる。今後この形を広めていきたい。
■考察
普通の日記と比べて、授業紹介日記の良さを4点あげる。
(1)固有名やその数など具体的な言葉が多く使えるようになる。
(2)相手意識を持って文を書くことできるようになる。
(3)授業の全体の流れを書き表しながら、授業を振り返る時間を持つことができるので、授業の復 習になる。
(4)授業の1時間から大事なポイントを切り取る作業を通して、要約する力をつけることができる。
■参考文献
授業感想文については、次のものを参考にした。
・上條晴夫著『だれでも書ける作文ワークシート小学校中学年』(学事出版)1998年
(3)Vol.56 2002/11.10(SUN) ≪ 教 育 情 報 Magazine / ある小学校教師の独り言 ≫ “ よりよい学校教育を目指して ” 発行者/愛知@島原 洋
[2]愛知県矢作北小研究発表会の報告
〜 教科に生きて働く総合的な学びのあり方 〜明治図書:樋口雅子氏参加のシンポジウム
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○ 樋口雅子氏(明治図書編集者)
・子どもたちの興味・関心から題材を。
・総合的な学習は世の中を学ぶ学習。
・総合的な学習ができる教師は教科もできる,という声がある。
・仙台のある団体が学校の通信簿をつくった。評価項目の中で,総合的な学習を重視している。
・長丁場のプロジェクト学習的な実践だけでよいか。21世紀を生きる子どもたちにベンチャー的な総合的な学習を。
・2期制の問題…単元ごとの通知票の必要性(絶対評価が意味を持つ)
○ 川上昭吾氏(愛教大教授)
・調べと発表,発達段階に応じたふさわしい力を。
・総合的な学習は学校裁量。実践は教師裁量で進めてよい。
・計画段階でも実践段階でも,教師の指導をおろそかにしない。
・教科は過去の文化遺産の伝達(学問に依拠),総合的な学習は現代社会に対応しており,人を育てる。
・学力低下問題…学校と家庭の認識のずれ。教科学習(文化伝達)は学校の責任としてきちんとやるべき。
○ 廣岡正昭氏(奈良女子大附属小)
・発表会の授業では,聞く方にも「聞く準備」が必要。事前に情報を伝え,発表に備える。
・総合的な学び…このことばの定義(単に総合的な学習だけではなく,広範囲)
・学力低下問題…「学ぼうとする意欲」の低下が最大問題。小学校レベルでは意欲しだいで学力は取り戻せる。
・総合的な学習では,自分が主役だという場を。
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23学級(+特殊学級2)子どもはよく育っている。追究してきた内容が自分のものとなっており,きちんと発表できている。
矢北小では「学級それぞれの学習が展開されて当然」ということから,学級ごとに題材を設定し,カリキュラムを作成している。
例えば3年生では1組「見つけよう考えよう町のバリアフリー」,2組「事故のない学区にしよう」,3組「学区のお店,大研究」,4組「花いっぱいの学区にしよう」という具合。
授業や指導案を見て感じたことは,学習が淡々とした流れで,自分の思いやこだわりを深める場面が見られなかったということ。研究紀要から読みとる限りでは,教師の指導性は「追究の仕方(技能)」と「まとめ方・発表の仕方(技能)」に重点がおかれている。要は「自ら考え,発表できる子どもをめざして」がねらいなのだからこれでいいのかもしれないが,自ら考えることの「ねらい」と「内容」が問われそうだ。
川上氏の助言の「総合的な学習は現代社会に対応した人間づくり」という視点をどう受け止めたであろうか。
私にとって,もっとも印象的だったのは樋口氏の「長丁場のプロジェクト学習的な実践だけでよいか。21世紀を生きる子どもたちにベンチャー的な総合的な学習を」という言葉でした。
(4)◆◆◆ 火曜の会メールマガジン ◆◆◆ 風邪に気をつけましょう の 第77号
[2] 授業に役立つホームページ 〜企業が取り組む環境問題2〜 齋藤智世
74号からちょっと間が空いてしまいましたが、家電業界が取り組む環境問題を取り上げます。省エネ、フロンガス対策、リサイクルなど切り口はいろいろありますが、今回はごみ処理と家電リサイクル法を中心にページをご紹介します。
●まずは概要把握『特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)』
経済産業省商務情報政策局情報通信機器課環境リサイクル室のページです。入門編は[家電リサイクル法について]。家電リサイクル法とは何か、なぜ必要か、どんな仕組みかを図を交えて、簡潔に説明しています。Q&Aもあります。小学生向けには[ほよよー!「家電リサイクル法」ってなんだー?]が最適。アニメーション、写真、クイズを交えて説明する[家電リサイクルツアー]は、テレビを具体例にして、ごみ処理問題と回収された後どのように分解されて部品がリサイクルされていくかを紹介しています。子どもが調べるためのページというだけでなく、写真を提示資料として使う方法も考えられます。さらに詳しい情報が掲載されている[家電リサイクル法資料集]は、中学・高校生向け。[家電リサイクル法の概要][基本方針][家電リサイクル法の逐条解説]などが用意されています。PDFダウンロードもあります。
●不法投棄の状況が把握できる『家電リサイクル関連』
環境省の廃棄物・リサイクル対策本部のサイト内にあります。[使用済み家電製品のリサイクルが始まります]の中の[特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)Q&A]が役立ちそうです。法律制定の背景や仕組み、消費者の負担や小売・製造業者の義務など、40のQが用意されています。[廃家電製品の不法投棄の状況について]では、エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機の不法投棄台数の推移がグラフや数値で確認できます。報道資料がある[家電リサイクル法施行状況について]もどうぞ。
●業界の姿勢を知るには『環境配慮型製品を目指して』
(財)家電製品協会のページで、製品アセスメントについての情報が入手できます。製品アセスメントは、「生産者が生産を行う前に、製品の生産・流通・使用・廃棄・再資源化/処理・処分の各段階における安全や資源、環境への影響を調査、予測し、製品設計段階で行う事前評価」をして、「製品の生産・使用・再資源化など各段階の改善を行って環境影響の軽減を図る」ためのものです。
[事例紹介]には、まだテレビ・エアコンだけの事例しか公開されていませんし、[用語集]も工事中です。しかし、評価項目や改善への具体例を見るとが、企業がどんなことに気をつけようとしているのかわかります。中学や高校で扱うには、おもしろい内容だと思います。
実際のリサイクルの状況は[家電4品目のリサイクル実施状況(平成13年度)]
にあります。また、リサイクルの仕組みを図示しているのは、『家電リサイクルセンター』
※ちょっと余談ですが、家電製品省エネパビリオン
は、小学生や中学生が省エネを扱うにはいいサイトです。地球温暖化などと絡めて、環境問題を身近にできる省エネから考えさせたいときにご利用ください。
以下は、各家電メーカーの関連ページです。環境アセスメントや地球温暖化防止、オゾン層保護、廃棄物のゼロ化、部品・原料などを調達する際に環境に配慮した製品を優先的に選択して購入する「グリーン調達(購入)」などの情報が得られます。