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報告者  土 井

2007年2月8日(木)布袋北学習等供用施設にて社楽の会を開催しました。参加者(勤務校)を紹介しましす。
土井、早川先生、打田先生、倉地先生、小川先生(江南北中)、大野先生、濱口先生、三浦先生、奥村先生(岩南小)、天野先生(江西中)、高木先生(犬山中)、坪内先生(大北小)、大藪先生、坪内先生(犬南小)、吉田先生、松井先生(古西小)、尾関先生、佐橋先生(曽野小)、小澤先生(扶桑東小)、寺谷先生(高雄小)、勝村先生(楽田小)、栗本先生(木東小)、野沢先生、楓先生、谷先生(柏森小)、野沢先生(犬東小)、大島さん(玉川大学)、林先生(旭北小)、川田先生(長良東小)の29名でした。

 土井より、今回紹介したものの目次です。番号をクリックしてください。

  長良東小・川田先生の授業から学ぶ
 伊那小学校レポート
 島袋 勉講演会 
  第166回国会における安倍内閣総理大臣施政方針演
 役立ちWeb特集  
 教育関連情報    
 おもしろ講師紹介
  社会科研究大会
 MM紹介
10 研究会情報

長良東小・川田先生の授業から学ぶ
 授業のビデオを見たあと、次の質問の答えを中心に、いろいろとお話をいただきました。。
《学校全体の指導体制について》
Q1 他の授業も参観しましたが、1年生から話す力、聴く力、学び合おうとする心が育っていました。全校体制で取り組んでいること、特に年度最初の現職教育で確認する資料等があればご紹介ください。また、社会科部会でこれだけは共通の課題にしようと意識していることについて教えてください。
Q2 話す・聴く(聞く)の系統的スキル、指導目標があれば紹介してください。また、国語科で特に意識して取り組まれていることがあれば教えてください。  
Q3 長良東小学校には伝統を感じます。上級生が下級生が伝えること、現職教育・研究協議等で先輩教師が後輩教師に伝えること、OBが現役教師に伝えることにはどのようなことがあるのでしょうか。 
Q4 周辺の学校との交流は行っているのでしょうか。さらに、他の協力校の様子はどうなのでしょうか。  
《話す・聴くについて》
Q5 どの子にも伝えたいという思いを感じます。そうさせるためにどのような指導がなされているのか教えてください。  
Q6 口々に意見を述べるが、話し手が声を出すとさっと静かになります。これはどのように指導するとできるのか?   
Q7 だれもが原稿を見ないで堂々と発言をしていあす。発言をすることが楽しいと思わせる方法があれば教えてください。  
《子どもたちの力について》
Q8 この中学校へ進学したらどうなるのでしょうか。それをどうとらえ、どう指導に生かしているのでしょうか。   
《意図的指名について》
Q9 この授業での指名の意図について教えてください。指名順をあらかじめ決めているのか、もしそうならばその決め方はどうしているのですか。最初によし子?さんを指名した意図は何でしょうか。  
Q10 これだけの子が挙手していると、当てられなかった子が出てきます。その子へのフォローはどうしていますか。(普通は当てられないと怒るはず。信頼関係が崩れるはずなのに…)  
《指導の過程・資料について》
Q11 この授業に至る前に、どのような学習の流れがあったのでしょうか。掲示されている資料はどの段階で子どもたちに紹介されたのでしょうか。
《学級経営について》
Q12 実に楽しそうですが、最初は厳しい指導があって、徐々に緩めているのではないのでしょうか。そのあたりのコツを教えてください。  
Q13 クラスを開いた最初の1週間の秘密を具体的に教えてください。  
Q14 ノートやプリントののチェックをどうしているのでしょうか?  
《川田先生の授業について》
Q15 他の2名の社会科授業より、川田学級が盛り上がった理由はなぜか教えてください。  
Q16 河井先生から指摘された、「板書の構造化」についての川田先生のお考えを教えてください。  
Q17 これだけの授業のためには膨大な準備時間がかかると思います。先生の毎日のスケジュールはどうなっているのですか。
 次回にお越しいただく川田先生の授業を見ながら、意見を交換し、質問を出し合いました。
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 詳細は後日まとめたいと思います。最高に濃密な、収穫の多い時間でした。
 
 伊那小学校レポート
 平成19年2月3日に行われた、伊那市立伊那小学校 公開学習指導研究会講演会の様子を報告します。
今回は、東京学芸大学教授 平野朝久先生の講演、演題「なぜ総合学習か」をここで報告します。
 授業については、次回報告します。
 
 島袋 勉講演会
 平成19年2月5日、岩倉市総合体育文化センターで行われた、島袋 勉氏の講演会へ行ってきました。
その様子をここで紹介します。
 1963年、那覇市生まれ。20歳で車検センター会社創業。IT事業視察の帰りに、千葉県で事故に遭い、両下腿(かたい)切断、頭部挫創(ざそう)による高次脳機能障害に。2004年12月ホノルルマラソンに義足で完走。06年1月アルゼンチンの高峰アコンカグア峰(6960メートル)に両足義足で挑戦。二年前から「夢をあきらめない」というタイトルで全国で講演をしている。著書に「義足のランナー」(文芸社)がある。
 第166回国会における安倍内閣総理大臣施政方針演説
 毎回、施政方針演説の教育関連部分を紹介しています。今回は次の内容でした。
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(教育再生)
 教育再生は内閣の最重要課題です。現在、いじめや子どもの自殺を始めとして、子どもたちのモラルや学ぶ意欲の低下、家庭や地域の教育力の低下といった問題が指摘されています。公共の精神や自律の精神、自分たちが生まれ育った地域や国に対する愛着愛情、道徳心、そういった価値観を今までおろそかにしてきたのではないでしょうか。こうした価値観を、しっかりと子どもたちに教えていくことこそ、日本の将来にとって極めて重要であると考えます。
 教育再生会議における議論を深め、社会総がかりで、教育の基本にさかのぼった改革を推進し、「教育新時代」を開いてまいります。
 教育改革を実効あるものとするため、60年ぶりに改正された教育基本法を踏まえ、関係法律の改正案を今国会に提出するとともに、新たに教育振興基本計画を早期に策定します。すべての子どもに必要な学力を身につける機会を保証するため、ゆとり教育を見直し、必要な授業時間を確保するとともに、学習指導要領を改訂し、国語力の育成、理数教育、道徳教育の充実など、公教育の再生に取り組みます。
 いじめについては「どの学校でも、どの子にも起こりうる」という認識を持ち、教育現場においていじめ問題に正面から立ち向かうことを徹底します。いじめの早期発見、早期対応に努めるとともに、夜間、休日でも子どもの悩みや不安を受け止めることのできる電話相談を全国で実施します。放課後に子どもたちが自由に学び、遊んだり、地域の人たちとも触れ合うことができるよう「放課後子どもプラン」を全国で展開します。
 教員の質が教育再生の鍵を握っています。教員免許の更新制を導入し、適正な評価を行います。豊かな経験を持つ社会人の採用を増やすとともに、頑張っている教員には報いるよう支援します。
 教育委員会については、期待されている機能を十分に果たしているとはいえません。教育に対する責任の所在を明確にし、子どもたちの未来のために、国民の皆様から信頼される教育行政の体制を構築すべく、断固として取り組んでまいります。
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 首相の施政方針演説は毎回こうやって紹介している。いつもは文科省の方針を広く浅く述べていたが、今回は教育再生会議の報告内容に集中している。官邸サイドの考え方が強く出ている内容だ。文科省との調整がなされているかが気になるところだ。そうでないと、国として方針がぶれて現場が振り回される。
 

 役立ちWeb特集 
(1) 教師のしおり 再改訂試案版    http://www.himawari.ed.jp/eductr/h18/kyousinosiori.pdf 
 北九州市立教育センター 平成19年1月に出された、128ページの大作。若い先生にはとても役立つ。
 
(2)教育研究所・センター等のホームページ
   http://www.nier.go.jp/saito/kuro/link.html  教育情報の宝の山です。
 
(3)カメラ付き携帯がスキャナーやFAXになる新サービス
 カメラ付き携帯電話でビジネス文書やホワイトボードに書いた文章や図などを撮影し、指定されたメールアドレスに送信すると、送信先のサーバーで視認性を高めた画像に自動的に処理されるサービスが登場。本文中にFAX番号を入力しておくと、FAX送信も可能。使い方によってはとても便利!
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/32962.html 
 
(4)気候の安定化に向けて直ちに行動を!
 地球温暖化に関する自然科学的な根拠について最新の知見をとりまとめた、気候変動に関する政府間パネルの第4次報告書を採択。これを機に、気候変化を研究する科学者から国民へ向けて、気候の安定化に向けて直ちに行動することを呼びかける、緊急メッセージを発出。
http://www.env.go.jp/earth/ipcc/4th/message.pdf 
 
(5)文科省情報
・学校給食費の徴収状況に関する調査の結果について
 http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/19/01/07012514.htm 
・第4期中央教育審議会委員名簿  再生会議との関係はどうなるの?
 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/meibo/07013107.htm 
・学校評価の推進に関する調査研究協力者会議(第7回)の開催について
 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/037/kaisai/07013104.htm 
 
(6)生きがい発見の心理学〜フランクル心理学
   http://www.pat.hi-ho.ne.jp/soyama/gakusyuukai/siryou/kazu-frankle.pdf 
   教育に生かすフランクル心理学
  http://www.pat.hi-ho.ne.jp/soyama/gakusyuukai/siryou/01-7frankl.htm  
 
(7)教育基本法資料室    http://www.mext.go.jp/b_menu/kihon/index.htm 
 
(8)子どもの居場所づくりホームページ   http://www.ibasyo.com/ 
 
(9)イタリアの素敵な写真がたくさんあるサイト。作者は・・・
   http://www.ksl.co.jp/~kousuke/irari/itari.htm 
 
(10)2008年の暦要項を発表
 2008年の暦要項を発表。主な内容は、「春分の日」、「秋分の日」は、それぞれ3月20日、9月23日。「みどりの日」(5月4日)は日曜日になるが、翌5月5日も「国民の祝日」であるため、翌日の5月6日(火曜日)が「休日」。日食は2回、月食は2回あるが、日本では日食1回、月食1回。
  http://www.nao.ac.jp/koyomi/ 
 
(11)将棋関連サイト
☆日本将棋連盟
 日本将棋連盟は四段以上の専門棋士によって組織される団体。プロ棋戦のニュースや、棋士の紹介、イベントや教室の案内を得ることができます。http://www.shogi.or.jp/ 
☆将棋戦法研究所
 初心者のための「将棋上達学校」、役に立つ将棋戦法の紹介。この戦法にはどう対処すればいいか等、具体的に対策を教えてくれます。 http://choshu.hp.infoseek.co.jp/ 
☆将棋幼稚園
 将棋の指し方も知らない人に、ルールやマナー、そして基礎知識として、将棋上達の方法を紹介。詰め将棋の例題も充実しています。頭の体操にどうぞ。 http://www.shogitown.com/beginner/top-b.html 
☆将棋ビギナーズ
 駒の並べ方から動かし方まで将棋初級者にやさしいサイト。中・上級の話題も掲載されています。その他、掲示板、棋士の似顔絵、リンク集があります。 http://www.geocities.co.jp/Playtown/6157/ 
 
(12)教育委員だより   http://www.komaki-aic.ed.jp/kyouikuiindayori/mokuji/mokuji.htm 
   小牧市教育長の副島先生が積極的に発信しています。
 
(13)愛知県小中学校PTA連絡協議会 
   http://a2.s029v.smilestart.ne.jp/aichiPTA/contents/contents_top.php 

6  教育関連情報
(1)教育再生会議第一次報告
 これに対して、日本教育再生機構(八木秀次理事長)が評価する談話を発表している。
  教育再生会議「第一次報告」について(談話)
 一方、対案として、小山内美江子、嶋野道弘、牟田悌三と堀田力の4名がによる「教育再生民間会議」が、「子どもたちをのびのびと育てるために」という提言を発表している。
☆★☆ コメント ☆★☆
 第一次報告そのものよりも、それに対する賛成意見と対案を読んだ方が報告の性格がはっきりわかる。
 これまで、「戦後の学力観・指導要領の精神の変遷」をことあるごとに紹介してきた。
 http://www.tcp-ip.or.jp/~syaraku/shinninken/nagare.pdf  大きく言えば、左が経験主義、右が系統主義であるが、今回の報告を読むと、大幅に右にぶれることは確実である。伊那小で講演をした平野教授のまさに反対側にある。
 大切なのはバランスである。どちらも重要なのだ。ぜひとも再生会議の内部で、行き過ぎのないように調整してほしい。第4期の中教審も始まる。再生会議と違って、現場を知る教育の専門家の割合が多い。再生会議の報告をすぐに現場に降ろすのではなく、まず文科省に降ろして、中教審で審議してから現場に降ろすべきだ。政治家の点数稼ぎに教育を利用するのは避けたいものだ。

 おもしろ講師紹介 
大塚ラ子 Singing Lawyer(歌う弁護士) 
  法律をオペラや踊りを交えて楽しく教えてくれる
   http://www.town.mito.aichi.jp/others/danjo/seminar/seminar14.html で御津町男女共同参画講演会での  話の内容がわかります。
 
8  社会科研究大会
(1)第12回近畿中学校社会科教育研究大会 京都大会報告
  研究提案      http://www.zenchusya.com/054kyouto_houkoku/kenkyuteian.pdf 
  公開授業指導案   http://www.zenchusya.com/054kyouto_houkoku/koukaijugyosidouan.pdf 
(2)第24回関東ブロック中学校社会科教育研究大会 群馬大会報告
  指導案       http://www.zenchusya.com/053gunma_houkoku.html 
(3)第39回全国中学校社会科教育研究大会 山口大会 報告
  基調提案・指導案 
    http://www.zenchusya.com/050yamaguchi_houkoku.html 
  
  MM紹介
(1)【教育記事から教育を考える】 2007年1月26日(金) 作者:中土井鉄信 VOL.216
学校の先生のなり手が減りはしないか!
【記事】教員免許「国家試験」化を検討課題に 再生会議
朝日新聞(2007年1/23)よりは省略
*中土井氏のコメント
◇ 以前にも教員免許の更新の記事で、書いたことだが、色々と教員に負荷をかけるのであれば、それに見合う何かを施さない限り、教員のなり手は減ってしまうのではないだろうか。この記事を読んで、一番
最初に感じたのは、この疑問だ。あまりにも教員に対して、振り子が振られすぎているように思う。
◇ 教員免許を国家資格化しても、運転免許のようなものであれば、全く意味はないだろうし、だといって、弁護士資格や医師資格のように、非常に難しいものであれば、それこそ、教師のなり手はなくなってしまうだろう。そして、もしそうした場合に、それだけの社会的ステイタスが、報酬の名誉の面で出せるかというと、そうではないはずだ。何か、今回の教師に関する答申は、教師をスケープゴートにして、学校教育の維持を図ろうとしているようでいただけない。
◇ 私は、学校教育が悪いのは、教師の責任以上に、その体制や組織に問題があるように思う。どういう基準で学校長が選ばれ、どういう基準で教師を選考していくのか、また教育委員会の運営方針やそのメン
バーの選定は、誰が責任を持ってやっているのか、そういう結果責任を地域社会に明確にして、学校教育の運営を行っていったほうが、教師云々というよりも有効ではないかと思う。
◇ 学校における結果責任をどう表し、どう評価の軸に載せていくのかをもっと議論しておいたほうが良いのではないだろうか。大衆迎合的な答申では、全く意味がないように思う。
☆★☆★ コメント ☆★☆★
 よくぞ言ってくれという思いだ。教育水準を上げたければ、給料を上げることだ。その上なら、免許更新制もやむを得ない。今のままなら本当に教師のなり手はなくなる。教員採用試験の倍率が3倍を切るということは、実質的に誰でもなれるということになる。かつての‘でもしか先生’に戻そうというのか。ただ、でもしか先生の頃はまだ良かった。縛りが少なかったから。このまま縛りだけを強くすれば、本当に定員に満たない時代が来る。

10 研究会情報
(1)第1回特別支援教育全国フォーラム
 平成19年3月3日(土曜日)10時〜16時30分  会場  東京国際交流館 国際交流会議場ほか
   土井は午後から参加します。

(2)シンポジウム「見る、触れる、まねるで「教師力」をアップさせよう」
2007-02-17 (土)  【名古屋会場】12:30〜17:30 於:栄ガスビル
開始時間 12時30分  予約締切時間 2007年02月16日 12時30分
【開催日】2007年2月17日(土) 【参加費】無料 【会場】栄ガスビル
【概要】本シンポジウムは、原子力・エネルギー等の学習に関する実践事例等発表や模擬授業、文部科学  省が実施する教育支援事業をご紹介するものです。
【シンポジウム】▼受付 12:30〜▼開演 13:30〜▼挨拶 13:30〜13:35
▼第1部 【実践事例等発表】 13:35〜15:00
  ・京都府光華女子学園光華小学校教諭 松林 昭氏
  ・愛知県名古屋市立露橋小学校教諭 岩井 俊樹氏
  ・京都府京都市立北宇治中学校教諭 西川 光二氏
  ・静岡県立焼津中央高等学校教諭 谷口 裕美枝氏
  ・(株)三菱総合研究所安全政策研究本部主任研究員 船曳 淳氏
▼第2部 【模擬授業・実験授業】 15:10〜16:20
  静岡大学教育学部教授 熊野 善介氏
▼第3部 【基調講演】 16:30〜17:30
  東京医科歯科大学名誉教授   藤田 紘一郎氏
【パネル展示】文部科学省の実施する原子力・エネルギーに関する教育支援事業を紹介
   土井も参加します。



  問い合わせは 土井謙次  syaraku@tcp-ip.or.jp