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報告者  土 井

2007年2月20日(火)布袋北学習等供用施設にて社楽の会を開催しました。参加者(勤務校)を紹介しましす。
土井、早川先生(江南北中)、奥村先生(岩南小)、高木先生(犬山中)、大藪先生(犬南小)、尾関先生(曽野小)、勝村先生(楽田小)、野沢先生(柏森小)、齊藤先生(犬南中)9名でした。

 土井より、今回紹介したものの目次です。番号をクリックしてください。

  長良東小・川田先生の授業から学ぶV
 第6回京都フォーラム2007 in winter
 シンポジウム『見る、触れる、まねる(学ぶ)で「教師力」をアップさせよう!』
  伊那小授業参観報告
 役立ちWeb特集  
 教育関連情報    
 教師力アップセミナー
  犬山西小学校発表会
 MM紹介
10 研究会情報

長良東小・川田先生の授業から学ぶV
 前回教えていただいたことをまとめてみました。ここで紹介します。
 
 第6回京都フォーラム2007 in winter
  2007年2月12日(月) 京都ノートルダム女子大学    主催 人間教育研究協議会
 今回は全体講演要旨をここで紹介します。
「これからの教育のあり方−教育基本法・学習指導要領の改訂から−」梶田 叡一(兵庫教育大学学長)
 また、午後からは天野拓夫先生のすばらしい発表がありました。その内容は後日、本人により発表していただきます。
 
 シンポジウム『見る、触れる、まねる(学ぶ)で「教師力」をアップさせよう!』
 2月17日 栄ガスビルで行われた、文部科学省主催、(財)日本原子力文化振興財団運営のシンポジウムに参加してきました。
 あいさつでは、「原子力の平和利用の情報提供をする財団で、講演会、セミナー、作文・論文募集などを行っている。原子力発電は始まって40年たち、供給安定性に優れ、二酸化炭素発生を抑制し、3分の1以上賄っている。今や欠くくことができない。放射線も様々な分野で利用されている。
 まだまだ理解が不足しており、児童・生徒にも指導が必要だ。指導要領でも記載されているので、このたびは、エネルギー・環境に対する教育支援事業を開催することになった。」という趣旨説明がありました。
 第1部−実践事例発表
京都府光華女子学園光華小学校教諭 松林 昭氏;ミニボトル生態系の不思議を探る授業。
愛知県名古屋市立露橋小学校教諭 岩井俊樹氏;エネルギー問題を扱ったとても面白い模擬授業。
京都府京都市立北宇治中学校教諭 西川光二氏;巨大宇宙船で6000年間100人で出かけるとすると何を  持って行くか、と問うと、循環型のものにしないと続かないことに気づく。そこで、地球も実は大き  な宇宙船であることを押さえる。わかりやすい授業である。
静岡県焼津中央高等学校教諭 谷口裕美子氏;     
(株)三菱総合研究所安全政策研究本部近藤直樹;犬山南高校における実践発表。これだけやってもらえ  る高校生は幸せである。
 
 第2部−授業・実験教室
エネルギーって何だろう!?〜先生方のための体験的なエネルギー教室〜
静岡大学教育学部教授 熊野 善介氏
 ・エネルギー教育の重要性
 ・ガイア理論の信憑性   http://info.linkclub.or.jp/nl/2003_11/reration.html 
 ・エネルギーはいろんな形で存在する。
 ・Web理科ねっとわーく   http://rikanet2.jst.go.jp/index.php のHPはすぐれもの
   実験マニュアル解説集
 ・NUCPAL   http://www.nucpal.gr.jp/ 原子力やエネルギーに関する教育支援情報、実践事例や指導    計画をはじめ授業で使えるコンテンツが満載のページ
 ・keepの活動
  ・実験の実演;温度差をエネルギーに変えて走る車、スターリングエンジン、水素・酸素で走る車
 
第3部 基調講演
 地球温暖化と感染症の拡がり
  東京医科歯科大学名誉教授 藤田一郎
   ユーモアたっぷりの講演だった。しかし内容は恐ろしい。温暖化が進むと、生態系が崩れ、日本で  もマラリアやコレラなどの怖い病気が広がるというもの。
☆★☆ コメント ☆★☆
 こうやって話を聞いていると、確かに化石燃料では地球はもたないことがよくわかる。資源の枯渇と、温暖化である。そのためには、核融合等、安全なエネルギーが実用化されるまでの間、原子力の利用も必要なのかもしれない。ただ、原子力はまだまだ不安はぬぐいきれない。水素燃料も、電気分解に電力が必要だ。太陽パネルや風力発電は限界がある。結局、生活の質を下げる方へベクトルが動かない限り、地球の明日はない。ということを多くの人がわかっているのに、ほとんど何も変わっていない。

 伊那小授業参観報告
 前回は講演を紹介したので、今回は、6年智組の活動をここで紹介します。
 

 役立ちWeb特集 
(1)児童生徒の懲戒・体罰に関する考え方
 文科省が児童生徒の懲戒・体罰に関する考え方を明確に。次の行為は、通常体罰には当たらない。「放課後等に教室に残留させる」「授業中、教室内に起立させる」「学習課題や清掃活動を課す」「学校当番を多く割り当てる」「立ち歩きの多い児童生徒を叱って席につかせる」
 
(2)世界最小0.05mm角の「非接触型粉末ICチップ」
 0.05mm角、厚さ5μmで粉末状の世界最小の非接触型ICチップを開発し、動作確認に成功。すでに製品化されている「ミューチップ」と同じ機能を保ったまま小型化を実現。大幅な小型化により、商品券などの有価証券や各種証明書の認証など、より幅広い用途で利用可能。
 
(3)梅の種類
 ウメ. ウメはバラ科サクラ属の一種です。 学名はPrunus mume。 原産地は不明ですが中国が原産地といわれています。 www.kanagawa-kankou.or.jp/topics/ume/shurui.html   
 なんでも梅学
「梅」という生物. はな・ハナ・花. 暮らしの中の「梅」 歴史の中の「梅」 文学の中の「梅」です。梅のことは何でも。いろいろな梅の花のこと、梅の花を解剖! いろいろな梅花. 野梅系・緋梅系・豊後系. 梅の開花前線 など。 http://www.minabe.net/gaku/hana/hinsyu_yabai.html   

6  教育関連情報
(1)小学校高学年で教科担任制、前橋市で国・算・理・社の4科目 
 前橋市教育委員会は8日、07年度から市内全小学校の5、6年を対象に、国語、算数、理科、社会の4科目で教科担任制を導入することを明らかにした。それぞれの教員が専門分野や得意科目を教えることで、児童の学力や学習意欲の向上を目指す。市教委によると、全市的な取り組みは県内初という。
 すでに、東京都品川区や仙台市、名古屋市などで基礎科目の教科担任制を導入している。児童が複数の教員から指導を受けることで(1)相性の善しあしが緩和された(2)複数の目によって個々の児童への理解が深まった−−などの効果が指摘されている。また、中学校への移行もスムーズになると考えられる。
☆★☆★ コメント ☆★☆★
 確かに良い点もある。ただ、長所の裏には短所があることを忘れてはならない。教科担任制では、たとえば、川田学級のようなクラスをつくることは難しい。
 社会科の力は社会科の時間だけでつくものではない。学習活動に必要な「読む・書く」「話す・きく」、統計資料の読み取りは、国語・算数の学習が必要で、それをうまく組み合わせると、総合すると効率が良く、指導効果も高い。中から中の上レベルの授業を目的とするなら教科担任制でもできるが、ハイレベルの学級をつくるのは難しいことをわきまえておくべきだろう。
 
(2)国立大教員養成系人気ダウン いじめで逆風
 国立大学の教員養成系学部の志願倍率から「教員離れ」の傾向が浮かんでいる。いじめ問題での教員批判や政府の教育再生会議での「ダメ教師排除論」など、教員に対する逆風の強さが人気低下の背景にあると関係者は口をそろえる。教員の質の低下につながりかねないと懸念の声も出始めている。(中略)
 志願者数が前年比で2割減少した愛知教育大のの松田正久副学長は「職業としての魅力が薄れているのが一番の原因」と強調する。「教員免許更新制の導入やいじめ問題、日の丸・君が代の強制…。10年後はクビになっているかもしれないという不安や、教師への管理強化でさらに不自由なクラス経営を強いられるというイメージが強まっている。教育再生は、本来国を挙げて教員を魅力ある職業にすることが大事なのに、このままでは、逆に質のいい教員が確保できない」と嘆げく。(後略) 中日新聞2月19日夕刊
☆★☆ コメント ☆★☆
 もっともな記事である。このままでは確実に教員の質は下がるだろう。
 教育改革は簡単だ。教員の給料を上げればよい。
 
(3)若手官僚を教員派遣…文科省
 文部科学省は来年度から、将来の教育行政を担う若手キャリア官僚を公立中学校などに教員として出向させることを決めた。
 「文科省の官僚は教育現場の実態を知らない」との批判を受けたもので、教壇に立ち、児童・生徒と向き合うことで、現場感覚を養うのが狙いだ。手始めに教員免許を持つ入省7年目以下程度の若手数人を1年間出向させる。(後略)                      読売新聞2月18日
☆★☆ コメント ☆★☆
 ぜひともやってほしい。短期間でも、全員に体験してもらいたいほどだ。現場を知らない机上の施策は現場に混乱を巻き起こす。

 教師力アップセミナー
 2月10に行われた、今年最後の教師力アップセミナー 久恒啓一氏の講演がありました。
久恒氏については、 http://www.hisatune.net/ 
講演の内容は次にアップされています。
 氏の情報源は参考になります。 http://www.hisatune.net/html/06-link/index.htm  
 
8  犬山西小学校発表会
 2月13日に行われた、文部科学省 国語力向上モデル事業指定研究発表会の記念講演の資料を別紙で紹介します。
 演題は「全教科に生きる国語力の向上−コミュニケーション能力の育成を中心として−」
 講師は、東京学芸大学名誉教授 田近洵一先生です。
 田近先生の紹介 http://homepage3.nifty.com/kakukai/kyoiku/tajika.htm#SEC1 
  
  MM紹介
(1) 教育情報 Magazine/ある小学校教師の独り言 2/10
 またまたいつも紹介しているMMから紹介します。前回の伊那小の平野先生の講演と重ねると理解が深まります。
−−−−−−−−−−−−−−−− 以下引用 −−−−−−−−−−−−−−−
■《目標の二重化構造》■ 
 総合的な学習の時間における児童の「学習目標」って,どんなものか考えて見たいと思います。
 例えば次のような実践を考えたとします。長いスパンの話で申し訳ありませんが。
例:4年生での実践:学区のおもしろガイドをつくろう
  この単元での子どもの目標は
 「学区のよさや問題点を個性を生かして調べることができる」
 また,
 「絵地図や1枚新聞,パンフレットなどにまとめて家庭や地域の方に紹介することができる」
 とします。
 つまり,子どもたちは
 「調べて,まとめて,紹介しよう」
 という目標のもとにがんばるのです。 
 しかし,教師には
 「地域に根ざした問題解決学習を設定し,それを解決していく過程において生きる力を育てる」
 という単元の目標があります。例えば,次のような観点から。
  1 知ることの喜びを味わい,自ら学ぼうとする意欲をもつことができる。
  2 ものごとを見つめる新たな目や考え方を伸ばすことができる。
  3 自分の生活と結びつけて考え,これからの生き方を考えることができる。
 つまり,子どもたちは学区のよさや問題点を多くの人に知らせるために追究活動を重ねます。指導者はその過程において,学ぶ楽しさを味わわせたり,自分の生き方を振り返らせたいのです。
 これらは教師が子どもたちに身につけてほしいと願っている力であって,子ども自身が1〜3のことがらを目標としているわけではありません。
 このあたりが教科の学習と異なる点だと思うのです。
 総合的な学習の時間はご承知のように教科ではありません。時間です。私たちはともすれば,総合的な学習の時間を教科と同じレベルで考えていやしないでしょうか。目標だけにとどまらず,単元構想にしろ,評価にしろ,さまざまな面で。これは大きな落とし穴だと思うのです。
 このことが私が目標の二重構造化に関心を持った理由です。きちんと考えていけば総合的な学習の時間の実践も少し変わってくるのではないかということです。
■《奈須正裕氏の論》■
 ★★★★子どもは活動を目指し,教師は内容を目指す★★★★★★
 活動と内容の区別は重要である。しかも,子どもたちが目指すのは活動であって内容ではない。子どもからすれば,活動こそが目的であり,内容は活動展開の手段として,あるいは活動に伴って,結果的に学ばれてしまったものなのである。
 子どもたちはおいしいジャムをつくりたい,山羊を飼いたい,筏で川下りをしたいのである。彼らは何も,現代の食をめぐる切迫した状況や命の大切さ,学級みんなで団結して何かをなし遂げることの素晴らしさを学ぼうとしたのではない。それらは活動の展開の中で,結果的に学ばれてしまったのである。しかも,大事なことは,子どもたちもそれによって,より深く納得し,活動に取り組んでよかったという気持ちが強くなることであろう。〜中略〜 活動の自然な展開の中で,教育的に価値のある内容の学習を実現することこそが教師の目的であろう。 
       奈須正裕著「総合学習を指導できる教師の力量」明治図書刊
     ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
 ここに書かれていることはまさに「目標の二重化構造」ではないでしょうか。子どもの目標と教師の目標は明らかにちがいます。
 私が二重化構造を初めて知ったのは鳴門教育大付属小での世羅教授のお話でした。はじめは「当たり前だ」と思ったものでしたが,案外これは盲点になっていると思うようになりました。
 子どもたちに「さあ,今日の授業では,ジャムづくりを通して食糧問題について考えるんですよ」なんてことを言う教師はいないと思います。
 これは評価の観点にもつながってきます。
 「現代の食をめぐる切迫した状況を理解することができたか」
 とか
 「命の大切さを感じ取ることができたか」
 といった観点は教師がする評価であり,子どもたちは「おいしいジャムをつくることができたか」「見事に筏下りを成功させることができたか」という観点になります。できなかったら「なぜできなかったのだろう」を考えればいいのです。できたグループになぜできたのかを尋ねればいいのです。これは方法知重視の授業にもつながります。


10 研究会情報
(1)「英語が使える日本人」の育成のためのフォーラム2007 国際教育推進フォーラム2007の開催について   主催 文部科学省
・期 日   平成19年3月3日(土曜日)9時30分〜17時30分
・会 場   東京ビッグサイト 会議棟(東京都江東区有明3-21-1)



  問い合わせは 土井謙次  syaraku@tcp-ip.or.jp