(1) 常識ぽてち【やや日刊】 ♪2007-11-11(第1129号)〜たまごや〜
■洋行とは?
全国の山田洋行(やまだひろゆき)様、守屋元次官と山田洋行の一連の事件で、名前が同じということ甚大な迷惑をこうむっている事でしょう。お見舞いを申し上げます。
さて、会社の名前に洋行(ようこう)と付くのは、歴史のある貿易会社です。というのも今は洋行という名前は付けませんが100年ほど前は、世界を股にかける貿易商社が好んでつけた名前だからです。洋行の洋は太平洋を表し、行は往復する、つまり洋上交易そのもののネーミングなのです。
有名なのは内田洋行。オフィス用品で名高い会社ですが、創始者が中国との事務機器の交易を始めたことから内田洋行と名づけました。中国語で貿易商のことを洋行というからです。内田洋行は100年の歴史があり、昭和時代に登録商標「マジックインキ」で一斉を風靡しました。
事件の中心となる山田洋行は1936年(昭和11年)の創業。拠点は横浜で、やはり貿易商として生まれています。これも70年の歴史を誇る会社です。当初から軍事関係の商材で業績を伸ばしていたようです。
小林洋行は大正2年(1913年)の創業。今は商品先物取引の小林洋行として有名になりましたが、もとは中国から天津甘栗を輸入し販売したことで成功を収めた会社です。
鳥羽洋行も歴史は古く、創業は明治39年(1906年)。当時日本の領地だった大連市にて機械工具・ゴム製品・鉄鋼を中心に創業した会社です。中国各地に支店を伸ばしたものの第二次世界大戦の終戦によって放棄。しかし昭和になって再興した根性のある会社です。現在では制御機器、産業用ロボット、計測計装機器など最先端技術をもつ産業機器の総合商社としてがんばっています。
洋行とはワールドワイドなビジネスを象徴したネーミングなのです。
☆★☆★ コメント ☆★☆★
何度も紹介しているが、社会科教師にはたいへんありがたいMMだ。ぜひチェックして欲しい。
(2)KMM 教師のエスプレッソタイム NO.166
2 研修クリップより (前半略)
■さて、「エネルギー・環境・放射線セミナー」ですが、そのことに関して、簡単に紹介します。有馬元文部大臣の講演「日本のエネルギー問題の現状今後の教育課題」、元九州東海大学教授、大塚氏の講演「知っておきたい環境問題」、元沖縄農業試験場長、垣花氏の講演「沖縄の病害虫防除への放射線利用の成果」、最後は久留米大学医学部教授の霧箱実験でした。今回は、この実験経過をビデオで収めてきたことでした。
■ここで、有馬氏の講話を箇条書きにしてみます。
1)現在の学力現状
・義務教育は低下していない ・むしろ前回評価より向上 ・問題は高校・大学である ・ただし、記憶型知識・習熟型はいいが、分析力・応用力(PISA型)が弱い ・同一問題の比較でも前回よりかなりできている ・ゆとりの弊害とかではないことの実証
2)学力低下論争の出発点
・京大教授の「分数のできない大学生」 ・京大は学生減少しているのに、学生を1000人強とっていった ・しかも高校進学率は97%、大学進学率は45%に突入 ・「剣玉入試」の弊害 ・教養部の解体
・確かに世界順位は低下してきているが、参加国が増加 ・1983年=2位、1991年=13位、2001年=13位
3)今後の教育は
・公財政支出の増大が必要 ・日本は最下位に近い ・金をかければ学力は高まる ・テスト上位国はお金をかけている ・ブッシュ・ブレアと教育費の増大を実現 ・小泉・安倍は費用を縮減 ・20人学級の必要性 ・教員にゆとりと自由を ・ノーベル賞が出ない! ・リベラルアーツサイエンスが重要=科挙にせよ ・よく学習できるのに、日本児童は学習嫌いと答える ・世の中のネガティブ情報の排除=ほめて育てる
■大塚氏は、同名の本を執筆されておられますから、詳しくはそちらをお読みください。放射線と放射能の違いは重要で、マスコミはこれをいい加減に報道しているところがあるとのこと。
■垣花氏は、ラセンジ(チ?)バエの放射線照射による生殖細胞への操作で害を防除したことにヒントを得て、沖縄で実践されたということ。アメリカ発の技術で、世界ではまだ数例しかないということである。ゴーヤとかトマトに卵を産みつけるこのハエは、本土輸出を不可能にしてしまっていた。そこで、この技術を生かして、病害虫をいかに育てるか、ということで取りくんでいったとのこと。私にいわせれば、「逆転の発想」である。そして、野生以上のハエを育成し、生殖能力をなくしたハエを量産し、野生に放置していった。野生の雌との交尾を行うと、無精卵の卵が産みつけられ、数年で絶滅していったとのことでした。これで、本土の検疫を通り、輸出可能になっていったとのことでした。放射線はガンマ線だそうである。核査察で有名になったIAEAが主になって、この技術を進めているとのこと。
■最後は、お決まりの「霧箱」実験であった。今回は、ビデオで収録することができ、デジカメではないので、鮮明に撮ることができた。これで、子どもたちに放射線の軌跡を見せることができる。ただし、現在では、この霧箱キットが2500円で購入できるとのこと。申込先は、原子力エンジニアリング株式会社
郵便 319−1112 茨城県那珂郡東海村村松字平原3129-29
電話 029-287-3636 FAX 029-287-3399
これで、教室での実験もビデオのみならず、簡単にできるようになったということである。
☆★☆★ コメント ☆★☆★
最近注目のMMである。情報量も多い。要チェックである。
問い合わせは 土井謙次 syaraku@tcp-ip.or.jp