第276回 社楽の会報告    第275回へ     第277回へ   TOPへ
                                           
報告者  高 木
 2007年11月15日(木)布袋北学習等供用施設にて社楽の会を開催しました。参加者(勤務校)を紹介しましす。
 楽田小の鈴木先生,岩南小の奥村先生,大北小の天野先生,岩中の坪内先生,門弟山小の高橋先生,扶東小の小澤先生,楽田小の勝村先生,江北中の早川先生,草井小の大島先生,犬中の高木の合計10名です。

 内容は,高木からは先日の附小での冬季研修会打合会の様子と,今後の予定について。奥村先生からは「ことばの教室だより」について。天野先生からは,「小学校の優れた社会科授業の条件」(全国社会科教育学会編著)の本の紹介と,小原友行先生の「高学年:歴史学習における優れた学習指導案とその要件」という論文の紹介がありました。高橋先生からは,学習発表会で使用した「走れメロス」の台本の紹介と,翌々日に本番をむかえる学級の様子の紹介がありました。最後に,勝村先生から先日おこなわれた「2007犬山市授業改善交流会(小学校部会)全体会資料」についての説明がありました。

参加できませんでしたが、土井より、今回紹介したかったものの目次です。番号をクリックしてください。

  長良東小学校平成19年度校内拡大研究会報告
 拙稿紹介『社会科教育12月号』 
  第40回全国中学校社会科教育研究大会千葉大会
  学習指導要領の改訂 どうなの
 役立ちWeb特集  
 教育関連情報    
 MM紹介

 長良東小学校平成19年度校内拡大研究会報告
  11月10日に行われた長良東小学校平成19年度校内拡大研究会に、丹葉地区から多くの参加者がおとずれました。その日の校長日記を紹介します。
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 今日は、南中から総勢7名で、岐阜市立長良東小学校の研究会へ参加しました。この長良東小学校は、岐阜市立の公立小学校ですが、その内容はたいへんハイレベルです。
 私は、平成13,14年には大口町教委生涯学習課に勤務していました。土日は勤務で月・火が休みだったために、その休みを利用して、全国各地の有名な学校を見て回っていました。そのレポートの一部は紹介してあります。http://www.tcp-ip.or.jp/~syaraku/sankahoukoku.htm 
 その中で「これだ!」と見つけたのが、この長良東小学校だったのです。
 開校以来「自ら求めみがき合って高まる学習の創造」を研究主題に掲げ、実践的研究の積み上げを図ってきました。それが、形式的でなく、質の向上に着実に結びついていったのでしょう。全国の有名附属小学校と比べても、遜色のない実践が行われていました。
 平成14年に訪問して以来、毎年のように訪れ、その様子の一部を次に報告もしています。
  岐阜市立長良東小学校第11回研究発表会 http://www.tcp-ip.or.jp/~syaraku/nagarahi.htm 
  岐阜市立長良東小学校 河井信幸先生のお話 http://www.tcp-ip.or.jp/~syaraku/kawaihanasi.ht... 
 岐阜市立長良東小学校第12回研究発表会 http://www.tcp-ip.or.jp/~syaraku/nagara17.htm 
岐阜市立長良東小学校平成18年度校内拡大研究会参観報告
     http://www.tcp-ip.or.jp/~syaraku/nagarahigashi1... 
 今日は、平成19年度校内拡大研究会で、3時間の授業公開と、全体会、分科会がありました。その特徴の一部を列挙してみます。
○ 全校体制で、「聞く力」「話す力」を育てている。
○ 同様に、全校で互いに高め合う活動を意図的に授業に組み入れている。
○ どの授業も、集中力が途切れるようなスキをつくらない。
○ それまでの学びがわかるような教室掲示が充実している。
 これらについて、今後、具体的に紹介したいと思います。 

 拙稿紹介『社会科教育12月号』
 『社会科教育12月号』−私の教材研究・授業の組み立てメモ&ノートのマル秘公開−に有田和正先生、河田孝文先生と土井の3名が執筆しました。有田先生は説明不要ですが、河田先生も「授業技量提言集」全5冊を執筆してるTOSSでは有名な先生です。
 土井は、「教材研究はデータの整理・整頓・組み合わせ」としてまとめました。ぜひご覧ください。 
 
 第40回全国中学校社会科教育研究大会千葉大会
  主題「社会の形成者として主体的に判断し行動する力を育てる社会科学習」
  期   日 平成19年11月15日(木)・16日(金)
  開催地 千葉県千葉市 
  主   催 全国中学校社会科教育研究会・千葉県教育研究会社会科部会実行委員長挨拶
  会場案内 「知の構造化」部会 千葉大学教育学部附属中学校
       「価値の模索」部会 千葉市立緑町中学校・緑町小学校
       「社会への関わり」部会 千葉市立轟町中学校
           http://www1.cnc.jp/zenchusha/ 
   内容は次回報告します。
    全国中学校社会科教育研究会のHPもご覧ください。

 
学習指導要領の改訂 どうなの

  http://www.hi-ho.ne.jp/chiri/index.htm 
  情報が早いのでとても便利です。ぜひチェックしてみてください。

 役立ちWeb特集 
(1)文科省「新しい学習指導要領」ホームページ
  11月8日解説されたばかりの新しいページです。
 
(3)地理に強くなる!都道府県のテトリスゲーム Statetris-Japan
  http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2007/10/statetrisjapan.html やってみたいけど・・・
 
(4)置くだけ充電器
 電磁誘導方式を使用し、板状の本体にエネループを置くだけで充電できる「置くだけ充電器」のプロトタイプが登場。「機器ごと個別に充電器があるのは資源の無駄遣い」という発想からデザインした汎用充電器で、製品を個別認証し、機器に最適な充電を行なう。
 
(5)多様な意見があるということを知るためのサイト
 ・「第51州意識からの脱却 古沢襄」杜父魚文庫ブログ   
 ・「旧軍人として 沖縄県民として 」
 
(6)電子図書をインターネット上で貸出・返却  千代田区立図書館
 日本の公共図書館では初めてインターネットを活用した「Web図書館」がスタート。電子図書をインターネット上で貸出・返却を行なうもの。インターネット環境にあれば、図書館に来館することなく、いつでもどこからでもサービスを受けることができる。

6  教育関連情報
(1)新学習指導要領を前倒し、09年度から実施する方針
 渡海文部科学相は9日の閣議後の記者会見で、早ければ2011年度としてきた新学習指導要領の実施時期を前倒しし、2009年度から一部の内容を実施する方針を明らかにした。
 中央教育審議会は、新指導要領について、既に授業時間増や学習内容拡充などの方針を決めており、学校現場での「脱ゆとり」が予定より早まることになった。
 学習指導要領はほぼ10年に1度改定されている。中教審が現在、今年度内の改定に向けて審議を進めており、今月7日には、「ゆとり教育」からの転換を盛り込んだ中間報告「審議のまとめ」を正式決定した。
 文科省は、小学校で11年度、中学は12年度、高校は13年度から新指導要領を全面実施する方針だが、保護者などから「4年近く放っておかれるのか」といった声が寄せられていた。前倒しして教える内容は今後詰める。渡海文科相は「新しい方針が決まったのだから、出来るものから早く実施した方がいい」と述べた。 (2007年11月9日 読売新聞)  

(2)関東学院大ラグビー部、大麻問題で今年度の対外試合自粛
 関東学院大ラグビー部の部員2人が、ラグビー部が借り上げているマンション内で大麻を栽培し、大麻取締法違反(栽培)で現行犯逮捕された問題で、同大は9日夜、午前中に続いて異例の2度目の会見を開き、今年度の公式戦、練習試合を含む対外試合の自粛と、春口広監督の訓戒処分、3か月間の指導自粛を決めた。
 同大は午前の会見では「(逮捕された)2人はラグビー部員だが、ラグビー部自体には責任はない」などとして公式戦出場には問題がないとの見解を示したが、同大が所属する関東ラグビー協会の志賀英一会長は「関東学院大の決定は、社会常識と食い違う」として、同大の今年度の対外試合の自粛を求めた。同大は内藤幸穂理事長、春口監督らが再協議のうえ、自粛を決定。同大は関東大学リーグ1試合を残して首位にいるが、2位以下の試合結果で仮に優勝が決まっても辞退する方針を併せて伝えた。(2007年11月9日20時47分 読売新聞)
☆★☆★ コメント ☆★☆★
 個人的には慎重に考えたい。今回は、ラグビー部が借り上げているマンション内で起こったことだからわからないでもない。ただ、何でも連帯責任というのは他の部員があまりにも気の毒だ。また不合理だ。
 仮にもしもその二人が経済学部の学生で、同じ飲食店のアルバイト店員だったとしたらどうか?経済学部の学生全員出席停止とするか?飲食店営業停止とするか?おそらくしないだろう。
 また、犯罪を犯した部員が1人だったら?その一人が幽霊部員だったら?こういう場合、どこで線を引くのか?
 連帯責任は、あくまでも組織ぐるみの場合に限るべきではないのか。
  
(3)全国学力テストの結果を分析する委員会が初会合(福井)
 文部科学省が24日に公表した全国学力テストの結果を分析する、県教委の学力向上推進委員会(委員長=龍野篤朗・福井市立灯明寺中校長)の初会合が30日、県庁で開かれた。
 同推進委員会は8月に設置され、福井大教授など学識経験者や教諭ら42人で構成。結果分析やデータ管理を行う七つの作業部会と、各作業部会からの報告を受けて改善策をまとめる専門委員会を持つ。
 会合で、広部正紘・教育長は「公表された資料を的確に分析し、教育現場に生かしていくことが大切」とあいさつ。各作業部会の代表者が、「少人数教育と正答率との相関関係」といった今後の分析方針を報告した。この後、全体で意見交換があり、「保護者の経済力の差が子どもの学力差につながるのかという点も調べるべき」とする声も聞かれた。
 同推進委員会は今後、分析結果や改善策などをわかりやすく概要版にまとめ、児童・生徒や保護者らに配布する予定。また、来年3月末までに詳細な報告書を仕上げるとしている。(2007年11月1日 読売新聞)
☆★☆★ コメント ☆★☆★
 こうした分析は大切なことだ。ただ、今回の問題は適切だったのかを吟味して欲しい。
 たとえば、小学校国語A問題は、18問中16問正解者が最も多い。B問題でも10問中8問。算数Aに至っては19問中19問正解者が最も多い。その難易度で正答率を分析することは意味があるのか? 
 また、取り組む方法はどうだったのか?例えば、19問中19問正解者が最多の算数Aで、学校平均正答率が10%未満は全国で9校ある。実に2問正解していないのだ。これは正しい計測の結果だろうか?
 ぜひこの結果も分析して欲しい。
 
 MM紹介
(1) 常識ぽてち【やや日刊】    ♪2007-11-11(第1129号)〜たまごや〜
■洋行とは?
 全国の山田洋行(やまだひろゆき)様、守屋元次官と山田洋行の一連の事件で、名前が同じということ甚大な迷惑をこうむっている事でしょう。お見舞いを申し上げます。
 さて、会社の名前に洋行(ようこう)と付くのは、歴史のある貿易会社です。というのも今は洋行という名前は付けませんが100年ほど前は、世界を股にかける貿易商社が好んでつけた名前だからです。洋行の洋は太平洋を表し、行は往復する、つまり洋上交易そのもののネーミングなのです。
 有名なのは内田洋行。オフィス用品で名高い会社ですが、創始者が中国との事務機器の交易を始めたことから内田洋行と名づけました。中国語で貿易商のことを洋行というからです。内田洋行は100年の歴史があり、昭和時代に登録商標「マジックインキ」で一斉を風靡しました。
 事件の中心となる山田洋行は1936年(昭和11年)の創業。拠点は横浜で、やはり貿易商として生まれています。これも70年の歴史を誇る会社です。当初から軍事関係の商材で業績を伸ばしていたようです。
 小林洋行は大正2年(1913年)の創業。今は商品先物取引の小林洋行として有名になりましたが、もとは中国から天津甘栗を輸入し販売したことで成功を収めた会社です。
 鳥羽洋行も歴史は古く、創業は明治39年(1906年)。当時日本の領地だった大連市にて機械工具・ゴム製品・鉄鋼を中心に創業した会社です。中国各地に支店を伸ばしたものの第二次世界大戦の終戦によって放棄。しかし昭和になって再興した根性のある会社です。現在では制御機器、産業用ロボット、計測計装機器など最先端技術をもつ産業機器の総合商社としてがんばっています。
 洋行とはワールドワイドなビジネスを象徴したネーミングなのです。
☆★☆★ コメント ☆★☆★ 
 何度も紹介しているが、社会科教師にはたいへんありがたいMMだ。ぜひチェックして欲しい。

(2)KMM 教師のエスプレッソタイム NO.166
  2 研修クリップより (前半略)
■さて、「エネルギー・環境・放射線セミナー」ですが、そのことに関して、簡単に紹介します。有馬元文部大臣の講演「日本のエネルギー問題の現状今後の教育課題」、元九州東海大学教授、大塚氏の講演「知っておきたい環境問題」、元沖縄農業試験場長、垣花氏の講演「沖縄の病害虫防除への放射線利用の成果」、最後は久留米大学医学部教授の霧箱実験でした。今回は、この実験経過をビデオで収めてきたことでした。
■ここで、有馬氏の講話を箇条書きにしてみます。
1)現在の学力現状
・義務教育は低下していない ・むしろ前回評価より向上 ・問題は高校・大学である ・ただし、記憶型知識・習熟型はいいが、分析力・応用力(PISA型)が弱い ・同一問題の比較でも前回よりかなりできている ・ゆとりの弊害とかではないことの実証
2)学力低下論争の出発点
・京大教授の「分数のできない大学生」 ・京大は学生減少しているのに、学生を1000人強とっていった ・しかも高校進学率は97%、大学進学率は45%に突入 ・「剣玉入試」の弊害 ・教養部の解体
・確かに世界順位は低下してきているが、参加国が増加 ・1983年=2位、1991年=13位、2001年=13位
3)今後の教育は
・公財政支出の増大が必要 ・日本は最下位に近い ・金をかければ学力は高まる ・テスト上位国はお金をかけている ・ブッシュ・ブレアと教育費の増大を実現 ・小泉・安倍は費用を縮減 ・20人学級の必要性 ・教員にゆとりと自由を ・ノーベル賞が出ない! ・リベラルアーツサイエンスが重要=科挙にせよ ・よく学習できるのに、日本児童は学習嫌いと答える ・世の中のネガティブ情報の排除=ほめて育てる
■大塚氏は、同名の本を執筆されておられますから、詳しくはそちらをお読みください。放射線と放射能の違いは重要で、マスコミはこれをいい加減に報道しているところがあるとのこと。
■垣花氏は、ラセンジ(チ?)バエの放射線照射による生殖細胞への操作で害を防除したことにヒントを得て、沖縄で実践されたということ。アメリカ発の技術で、世界ではまだ数例しかないということである。ゴーヤとかトマトに卵を産みつけるこのハエは、本土輸出を不可能にしてしまっていた。そこで、この技術を生かして、病害虫をいかに育てるか、ということで取りくんでいったとのこと。私にいわせれば、「逆転の発想」である。そして、野生以上のハエを育成し、生殖能力をなくしたハエを量産し、野生に放置していった。野生の雌との交尾を行うと、無精卵の卵が産みつけられ、数年で絶滅していったとのことでした。これで、本土の検疫を通り、輸出可能になっていったとのことでした。放射線はガンマ線だそうである。核査察で有名になったIAEAが主になって、この技術を進めているとのこと。
■最後は、お決まりの「霧箱」実験であった。今回は、ビデオで収録することができ、デジカメではないので、鮮明に撮ることができた。これで、子どもたちに放射線の軌跡を見せることができる。ただし、現在では、この霧箱キットが2500円で購入できるとのこと。申込先は、原子力エンジニアリング株式会社
郵便 319−1112 茨城県那珂郡東海村村松字平原3129-29
電話 029-287-3636 FAX 029-287-3399
 これで、教室での実験もビデオのみならず、簡単にできるようになったということである。
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 最近注目のMMである。情報量も多い。要チェックである。


  問い合わせは 土井謙次  syaraku@tcp-ip.or.jp