ブリスベン見てある記−大口町中学生海外派遣 私的随行記− bQ    

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8月18日(月)
 教員チームは、学校から車で10分あまりのモーテル「Carseldine Palms Motel」。インターネットでも検索できたところだが、日本では考えられないことも多く、視野が広がる。
 一見同じような部屋が並んでいるが、設備は部屋によってまちまちだった。
 さて、朝食後、8時に出て学校へ向かい生徒を迎える。生徒はホストファミリーに昼食を持たせてもらい、学校まで送ってもらう。家からの距離が違うので、中には電車で来る子、歩いてくる子もいる。ホストファミリーの子といっしょに登校する姿は見ていてほほえましい。
 生徒が集まるとさっそく「どうだった?」の聞き合い、言い合いだ。やっと日本語が話せる解放感、安心感が伝わってくる。
 送迎の様子を見ていると、アジア系の学生の多いことに気づく。後でわかったことだが、日本や韓国からの留学生が多い。車での送迎が多いが、3台に1台以上が日本車。トヨタ、ホンダ、三菱。フォードも多いが、オーストラリアの国産車(ホールデン)を探す方がはるかに難しい。トヨタや三菱は現地生産をしているので割安だが、ホンダは日本からの輸入なので高い。ベンツ、BMW、ホンダが高級車の代名詞だそうである。
 制服はかわいらしく、「まるでハリーポッターの世界」(鈴木先生談)。

 8:50から学校の施設見学。荷物を預けるための部屋は美術室だったが、ホームルーム中だった。しかし、14名しかいない。少人数だ。
 基本的に生徒はホームルームがなく、教科の部屋へ移動する。教室は先生のものであり、先生が来るまでは教室に入ることができない。「教えてあげる」「教えていただく」という当たり前の関係をここでは見ることができる。このあたりがくずれている日本はどこかおかしい。
 個人のロッカーもなく、リュックの中は分厚い教科書でびっしりだ。
 日本語教育に力を入れている学校なので、毛筆で「美術室」と漢字で書いてあった。
 
 施設見学では、広大な敷地にただ驚くばかり。広さは50ヘクタール。日本では考えられない。ノースポークパインという松の木の一種はおもしろい。この木に限らず、ボトルツリー、ボトルウオッシュなど珍しい植物が多い。日本の観葉植物の定番・ベンジャミンがあちこちに植えられているが、幹周り3m以上にもなるベンジャミンがあった。とにかくスケールが違う。大陸的だ。 
 図書館では、数年前に高校生が修学旅行で日本に訪れた写真を展示するコーナーがあった。ここでも日本語で「こんにちは」と声をかけられた。

ノースポークパイン ボトルウォッシュ ベンジャミンの大木 図書館の日本紹介コーナー Alison先生の英語の授業

 9:20からはAlison先生の英語の授業。英語の自己紹介を作成するための授業である。話をするきっかけ作りとして大切なことである。 
 そして、11時よりダニルセン教頭、ハンセン先生と打ち合わせ。ここでセントポールのLANに入ることができないことを聞きショック。大前提が覆った。すぐにプランを修正しなくてはならないが、とりあえず複数の方法を準備しておいて本当によかった。ただ、現地からのホームページ更新などはきわめて困難になった。
 
 昼食時、教会前の集団が食べ物を食い散らし注意を受けていた。しかも、服装が乱れている。それが日本人の留学生グループ集団だった。生徒1,300人の中で、制服の着方が乱れているのは日本人だけだと思う。前回5年前の豪州訪問でも聞いた話だが、もともと制服は集団誇りの象徴。乱すぐらいなら、集団から抜ければいい。こちらの人はみなそう思っている。このあたりも日本は反省する必要がある。同じ日本人として恥ずかしかった。
 だいたい、昼食時に日本人で固まるな!と言いたい。何のための留学なんだ。ちなみに学費は年間6千ドルほどだそうだ。プラス、ホームステイの費用も必要だ。安くはない。

 午後には、生徒は日本語教室の生徒と混じって授業を受けた。そこでは“KANJI QUIZ”というプリントやっていた。英単語を漢字と送りがなで表すのである。
 Bamboo thicket →(      )、  Way self、manner → (      )
 前者の「竹やぶ」はともかく、後者のような抽象的な語句になるとかなり難しい。
 そもそも一つの英単語を一つの漢字で表すのには無理がある。しかし、日本でも同じように単語のテストと称して「行く」→「go」と書かせているが、実際にはcomeやvisit、call、attend 、leaveなども文脈によっては「行く」と訳すことができる。
 ステレオタイプのような英語学習はあまり実用的でないと感じた。

 この教室は、中国語、日本語、ドイツ語、インドネシア語と並んでいる。なぜか韓国語がない。韓国からの留学生がけっこういるのに・・・。韓国語はかつて人気だったが、政変以後、人気が下がったと聞いた。政治の安定は大変重要なことであることを、こうした何気ないことからも感じ取ることができる。
 ところで、韓国の「政変」って何だ?光州事件?古すぎるけど・・・
 そういえば、両替所でも、韓国ウォンだけレート表示がない。これは、韓国の経済政策かもしれないが・・・。