ブリスベン見てある記−大口町中学生海外派遣 私的随行記− bR    

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8月19日(火)
 この日は、クイーンズランド州の州都・ブリスベン市内巡り。シドニー、メルボルンに次ぐ、オーストラリア第3の都市。19世紀の面影と、近代都市の顔が混在する、不思議な町である。
 現地ガイドの小林さんによれば、バスでなく、歩いて市内を巡るツアーはたいへん珍しいらしい。バスでは見えないものが見えるので、歩くことには個人的に大賛成だ。  
 この日は、シティ・ガーデン、旧市庁舎、セントラル駅、戦没者慰霊碑、中央郵便局、ブリスベンアーケードなどを見た。その後はクイーンst.モールで自由行動にした。
 旧市庁舎は、イタリアン・ルネッサンス様式で、中央部には地上76mの時計塔がある。そのエレベーター(有料2$)はクラシックで、ユーロピアン気分が味わえる。ただ、展望台は、周囲の高層ビルに視界がかなり遮られている。
 ブリスベン市内は、道路が碁盤の目になっていて、南北に女王、東西に王子の名が付けられている。そのために観光客にはわかりやすい。

シティガーデン 旧市庁舎 セントラル駅 戦没者慰霊碑 中央郵便局

  小林さんは、ゴールドコーストに住むJTBの現地ガイドで、かつては80名ほどいたのが、今では10名ほどになってしまったそうだ。ガイドがいらない旅行スタイルが増えたのが原因らしい。オーストラリアへ来て、12年にもなってしまったという。彼のような人生もよいと思う。
 
【ブリスベン特集】
 ブリスベンは広域人口約160万人、シティでは90万人。シティ面積は1,220平方q。名古屋市が人口220万人弱、326平方qなので、人口密度の違いがわかる。
 赤道をはさんでちょうど沖縄と同じくらいの緯度になる、温暖な亜熱帯性気候の街だ。通りを車で走っても、いろいろな花が咲き乱れ、たいへん美しい。ただ、朝夕は冷えるのでエアコンが必要となる。4〜6℃ぐらいか。昼夜の温度差が激しい。

 ここでブリスベンの街で気づいたことをアトランダムに書き並べてみたい。現地ガイドの小林さんに聞いたことも付け足してみる。
○ たばこが高く、10$以上(1$=80数円)する。シドニーでは、街中でたばこを吸っている人が少なかったが、ブリスベンは多い。また、けっこう吸い殻が落ちている。
○ 車中飲食禁止。バスも電車も、車中では飲食ができない。
○ バスの最前列に客を座らせない。なぜなら、保険がきかないからだ。
○ バスも乗用車も、後ろの座席でもシートベルトをしなければならない。しないと罰金で、運転手ではなく本人が支払う。バスの天井に非常口がある。 
○ 信号が多い。一カ所で、一つの方向から見て4つある(右写真)のが普通だ。東西南北双方の信号機を合計すると、16あることになる。また、縦型、高さが低いことも特徴である。
 その理由は、豪州は車社会なので、猛スピードを出して走る。少しでも見落としが少ないように多めに設置している。もう一つは、故障が多いので、一つや二つ故障しても大丈夫なためだ。日差しが強いのも縦型にした理由だ。
○ 歩行者用信号の青が短い。2秒ほどでもう点滅を始める信号も多い。歩行者には厳しい町だ。
○ 自然食品が人気。デジマイトもその一つ。大豆をイースト発酵させた、子どものおやつにも使われる日常的な食品だ。八丁味噌感覚なのでそのつもりで挑戦してみればいいのだが、チョコクリームと間違えると悲劇が待っている。
 国としての歴史が少なく、伝統的な料理というのがない。そのために、自然食品がはやるという説明だった。
○ 食器を洗うときに流水ですすがない。水不足のためだ。洗剤がついていても「清潔感がある」という理由でそのままだそうだ。今ひとつ理解できない。  
○ シティ・トレインは、ブリスベン市内に行くためには便利な交通機関だ。切符はホームの切符売り場か、ホーム上の自販機で買う。自販機は、はじめに大人、人数、そして駅番号を押すと値段が表示されるので、その金額のコインを入れる。
○ 駅には、その時の列車情報を聞くことができる機械があり、行きたい方面を押すと、文字と音声で「○○行き列車はあと○分で到着します」というようなことを教えてくれる。
○ 電車内は飲食禁止だが、そのわりには汚い。ひびの入っているガラスも多く、多くは落書きされている。
○ 川の両側に町が開けているため、船も重要な交通機関。ブリスベン川の船からの夜景は十分楽しめる。
○ 食べ物が一般に甘く量が多い。中華料理も日本食もチョコレートも日本の標準よりかなり甘い。そしてハンバーガーはじめ、モーテルの朝食など食べきれないほどの量が出る。そのためか、中年の半数以上が肥満と思われる。
○ マイク・オールドフィールドの3枚組CDを買った。マイクはイギリスの天才ミュージシャンでヨーロッパでは今でも人気がある。高校生の頃よく聞いたが、日本ではCDは探せない。さすがにイギリス系の国、来てよかった。
○ 子どもは、クリケット、ラグビー、サッカーで遊んでいた。2003ラグビーワールドカップの店がいくつもあった。

船から見た夜景 クリケットで遊ぶ子どもたち カジノ 公園のゴミ箱

○ テレビで見るスポーツもクリケットかラグビー。クリケットのルールが今ひとつわからない。
○ カジノはシドニーに比べてはるかに庶民的。いわゆる普段着で日本のパチンコ感覚に近い。
○ 豪州は世界で最も宝くじが好きな国民と聞いたが、ロトくじ売り場が至る所にあった。
○ 現地ガイドの忍さん(名古屋市緑区出身)が、「ブリスベンは名古屋市に似ている」と表現した。何となくわかる。シドニー、キャンベラに次ぐ街であること、どこか中途半端なところがそっくりだ。
○ ゴミの処理が雑。一応町中には可燃ゴミとリサイクルゴミの箱があるが、かなり曖昧だ。
○ 缶ビールが375ml入り。日本よりやや大きい。
○ 米はインディカ米がほとんど。ジャポニカ米は日本料理店でしか食べられなかった。
○ 街の至る所で国旗を見る。日本では国旗が一般的でなく、やはり寂しい。5年前は、豪州国旗の中のユニオンジャックをなくした新しい旗にするかどうか話題になっていたが、今ではそれも下火になってしまったそうだ。イギリス連邦の一員であるという方向は守っていくようである。
  5年前の豪州はかなり混乱していた気がする。白豪主義復活を主張する女性党首の政党の人気が急上昇したり、英連邦離脱をうたう政党の勢いがあったり、オリンピックを翌年に控えて街中工事をしていたりしていたが、そのころに比べるととても落ち着いて見える。 
○ コンセントには安全スイッチが付いている。これは日本でも見習うべきではないだろうか。
○ トイレのドアがしっかりしており、しかも2重になっている。日本は扉がないところもずいぶん多いのに・・・。トイレの水洗は、ほとんどがボタン式。日本はレバー式だ。
ウォッシュレットは一度も見なかった。日本人の偉大な発明は、まだ豪州には普及していないらしい。
○ Myerデパートなどでジャケットを探したが、Sサイズでもまだ大きすぎる。店員にチャイルドコーナーへ行くように勧められムッとして店を出た。
○ 食事の味付けが甘い。帰りの機内食のシリアルにはキャラメルみたいのが入っていた。しかし、隣の現地の人はおかわりをしていた。
 中華料理もワインもみな全体に甘い。しかも量は多くカロリーは高め。
○ 実に多民族。どうだろう?概算だが、ブリスベンの街を歩く3割近くは非ヨーロッパ系ではないだろうか。
 日本人は日本にいると顔はバラバラだが、ブリスベンにいると日本人とわかる。韓国人や中国人も多いが、どこか違うからおもしろい。
○ オージーイングリッシュには今回も迷った。dayの「ダイ」は対応できたが、makeの「マイク」、mateの「マイト」、eightの「アイト」は後からオージーイングリッシュであることに気づいた。
○ 地元の本屋には戦争関係の本が常に並んでいる。キャンベラの戦争記念館のスケールには圧倒されたが、ブリスベンにも駅前に戦没慰霊の施設があった。
 第二次大戦では、日本との戦いで3万人以上の死者を出した。当時の総人口は500万人ほどなので、かなり多いと言える。まだまだ戦争の痕跡は消えていない。
○ シドニーのオペラハウスのトイレにもあった注射針入れ(右写真)は、やはりこのブリスベンにもあった。まわし打ちでエイズなどの感染症を防ぐためである。
○ 日本の情報が少ない。朝の5時台にNHKのニュースが流れるが、2日ほど前のもので、しかも短い。日本の様子はほとんどわからない。
○ 町中でもインターネットはできる。値段はまちまちだが、1時間3$は安い所だ。最も漢字は使えないが・・・。空港でも3$15分でできた。
○ 地震がないが水不足。これはオーストラリア全体に言える特徴だ。
○ 最も高い建物セントラルプラザホテルは黒川紀章の設計。

 夜、南十字星を確認。同時に、天の川を見た。
 初日以外は毎日好天だ。ありがたい。