ブリスベン見てある記−大口町中学生海外派遣 私的随行記− bP        

 この「ブリスベン見てある記」は、平成15年度大口町中学生海外派遣に随行して感じた主観的・個人的な感想です。限られた情報の中から感じたことなので、誤解や曲解もあるかもしれませんがその節はご指摘いただければ幸いです。文責は筆者(土井謙次)にあります。
8月18日 8月19日 8月20日 8月21日 8月22日 8月23日

8月16日(土)・17日(日)
 名古屋国際線JTBカウンター 17:30集合
 空港には、大口町の学校のほかにも、中学生グループらしき集団を多数見かける。自分が中学生の頃には、「海外へ行く」なんて考えられなかった。つくづく、今の子供たちは恵まれていると思う。
 英語には、「国際理解」を表す言葉がないと聞いたことがある。あたり前すぎて、その概念がないのだろう。(最も「国際理解」も複合語だが・・・日本は無縁すぎてその概念がなかった。)今の中学生が大人になる頃には、国際理解があたり前のレベルまで達してほしいと思う。
 個人的には「国際理解」の最適な方法は、海外に友達を作ることだと思っている。人とつながることが、文化とつながり、国とつながる。今回のようなホームステイは、その絶好のチャンスでもある。

 出発前に、豪州のSARS対策として「健康情報カード」の記入、税関への提出を求められた。実際にはその必要はなかったのだが、オーストラリア(以下「豪州」と表記)の国としての意気込みが伝わってくる。
 今回は、SARSの影響でホームステイの受け入れ先探しも難航した。しかし、これも相手から見れば当然の心配だし、相手があってこその企画である。こちらの都合だけで考えてはいけない。
 もともと、豪州は植物や食物、土壌などの検疫の厳しいことで有名である。今回も、大口町の中学生2名が荷物検査にあった。折りたたみ傘の中身まで調べていた。
 これも「国を守る」ということなのだ。国防はなにも軍備だけではない。
 日本はどうか?小川の魚は外来種に駆逐され、セイタカアワダチソウにススキがやられかけた。ケナフは人工的に繁殖させている。国を守る意識が低いと言わざるを得ない。

19:55発 AO7950便で出発。
 飛行機で寝るのは結構つらい。みんなあまり寝ていないようだ。
 機内の電気が消えたのが10:30、点灯したのが2:00(現地時間3:00)この間3時間半しかない。乗り換えのつらさだ。
 4時過ぎにケアンズ空港で乗り換え。乗り継ぎ時間があったが・・・・生徒は無防備。荷物をいすに置いたまま空港内の店へ行っている。日本の平和さを感じるが、海外では通用しない。さっそく交代で行くように指導。
 ブリスベンでは、太平洋横断飛行機の前で記念写真後出発。8:55

※ オーストラリアに着いて生徒の感想   :以下は筆者
○ 「鳥の声がかわいい」(ブリスベン空港):確かに日本の鳥の鳴き声とは違う。姿・形も全然違う。
○ 「まだ暗いのに鳥が鳴いている」(ケアンズ空港):よく気がついた。
○ 「日の出を空から初めてみた」:自分もかな?確かにきれいであった。
○ 「寒い!」(ブリスベン空港):私にはちょうどよい感じだ。バスは弱暖房だった。
○ 「どの家もきれい」(ブリスベン):確かに庭がきれいにしてある。前回(5年前)、シドニーで、芝の伸ばしすぎは罰金と聞いたがあるが、ブリスベンも同様。洗濯物も表には干すことができない。
○ 「バスのスピードが速い」:国が大きいと走るのも速くなる?

 周囲は日本車がとても多く、スピードも速い。高速はほとんどが無料。一部有料だが、90¢〜2$と日本とはケタが違う。
 周囲の木の多くはユーカリ。種類は600種以上あるらしい。コアラは、その全部の葉を食べられるわけではなく、母の食べていたものしか食べることしかできない。せいぜい2〜3種類だそうだ。母の食生活が子に影響するというのは、人間ぽっくっておもしろい。
 豪州は日本の面積の20.5倍の面積。かつては22倍と書かれていたが、パプアニューギニアが独立したから数字が変わった。こうしたところからも、世界の情勢は変化していることを実感する。豪州の人口2千万人、シドニー・メルボルン・ブリスベンにその半数が集中している。
 といっても、都市近郊も家が密集しているわけではなく、土地には余裕がある。平屋建てが多く道路も広いため、たいへん空が広い。心も広くなるわけだ。
 これだけ人口密度が少ないと、産業が育たない。特に集約的な工業などは労働力の確保が難しいと思う。したがって身の回りは輸入品ばかり。輸入品は総じて物価が高い。
 Webカメラは日本の倍。持参したデジカメは、日本では約3万円で売られているが6万円弱で並んでいた。フィルムも電池も、輸入工業製品はかなり割高。

 さて、生徒に話を戻す。
 9時過ぎにバスはセント ポールズ スクールに到着。教会へ入る。教会では、現地のガイド・良恵ディクソンさんがお出迎えしてくれた。
 生徒への注意
 ・ 自分のことをはっきり伝えること
 ・ ベッドメーキングをして出かけること
 ・ 言葉は道具。使わないとうまくならない。書く、描く、辞書を見せるなど、積極的にコミュニケーションをとること。
 ・ PET(Please Excuse me Thank you)を使うこと
 韓国からのホームステイもいっしょに教会へ来ていた。
 ここで、現地のホストファミリーに引き渡し、この日はこれで生徒とはお別れだ。今年は、ホストファミリー1軒に対して生徒は1人だけである。2人だと心強いだろうが、どうしても頼り合ってしまう。また、日本人だけで世界を作ってしまう。やはり、1軒に生徒は1人がよいと思う。自ら希望して来たのだから・・・

 その後、教員チームはブリスベンへ火曜日の研修の下見へ出発。以下略