2001度地方公務員韓国派遣研修 私的報告 
            
          
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  ここで述べた内容の文責は、すべて土井にあります。当日のモバイルでのメモですので、聞き間違い、入力間違いも数多くあると思いますので、あらかじめご了承ください。
  今回の日程

10月13日(土)
 9時に研修所を出発。えらくよくしゃべるバスガイドの案内で、退屈することなく、関空までの100分間をすごすことができた。よくもまああれだけのことを暗記していると感心する。おそらく他のコースも頭に入っているのだろう。
 ただ、「〜と言われていると聞いているようでございます。」などの、妙に回りくどい言い方は気になった。事実は断定してもいいのに・・・・
 また、本当か?と言うような事実もいくつかあった。堺の「仁徳天皇陵」は、仁徳天皇の墓ではないというのが定説だ。赤穂浪士も自分から切腹を選んだと言ったが、本当か?
 とは言え、優れたガイドには違いない。プロ意識を感じた。

 空港に着いてから、11番ゲートに13時10分に集合するまでの時間がやたらと長い。どこでもそうだが、飛行機は速いのは良いが、手続き等に時間がかかりすぎる。今日は、ソウルに行くだけで1日終わってしまうのがもったいない。
 テロの影響で、手荷物検査等に時間がかかると言われていたが、何てこともない。ただ、関空内のアメリカの航空会社の手続き場はほとんど閉鎖されていた。深刻な影響だ。
 関空は地盤沈下が激しいらしい。昼に入ったそば屋も、テーブルが水平ではない。毎晩のように夜間にメンテを行っていると聞いたが、こんなことで20年もつのか?

 搭乗の際に、パスポートの提出を求められた。これまでにない経験である。かなりしっかり見ていた。

13:40発の大韓航空機KE724便 スチュワーデスはどこもきれいな人ばかり。乗務員の数がいつもより多い気がする。
機内食は、軽いそばと寿司。こんなもんだろう。
 ソウルまで、実質80分で到着するそうだ。近さを実感する。

 ソウルでは、現地係員 金 松美さんが出迎える。宝塚系の美人だ。CLAIRの川島所長補佐も同行すると言うことでバスの中で挨拶をいただいた。専属カメラマンも同行する。

ここで聞いた話をメモる。
・仁川空港の建物は、単独のものとしては世界一の広さだそうだ。
・空港を出ると、高大な干潟が続く。もともと干潟に作られた空港だ。七面草?という赤い海草が美しい。金さんは干潟の価値を強調していた。
・米が実っているが、最近は米あまりだそうである。日本と似ている。
・巨大な漢江を渡るが、かつては冬には厚い氷が張ったそうだ。しかし、最近は厚い氷は張らなくなった。温暖化の影響だそうである。そういえば、高度な経済成長を、漢江の奇跡と言ったのを思い出す。
・国会議事堂が見えた。南北統一に対応して作られている。任期4年の1院政だ。
・そういえば、やたら自動車が多い。また運転が乱暴だ交通事故率が高いのがわかる。時々、空港方面へ、テープ(リボン)で飾った車が目に付く。新婚旅行へ向かう車だ。
・地形は平地が少なく、緩やかな起伏のある丘が続いている。ソウルが近づくと、その丘に民家が密集しているのがわかる。
・リサイクルの話。夜の歓迎晩餐会では、つまようじが話題になる。残飯を豚に与えるので、木のつまようじは豚にとって危険である。そこで、でんぷんでできたつまようじが作られた。分解するそうである。
・韓国の人口や面積、気候について詳しい説明があったがここでは省く。

10月14日(日)
 朝8時30分に出発してオドゥー山統一展望台へ向かう。

金さんの話から
・ 子供はゲーム中毒。夜PCバンでゲームをして昼間に寝ている。
・ 新村は大学都市。日本で言うお茶の水大学や東京芸大、慶応大などに匹敵する大学が続く。
・ 韓国は地震がないので、煉瓦作りやコンクリートの家が多い。
・ 韓国のマンションやアパートにはベランダがない。ベランダにガラスを張り、冬暖かくするため。洗濯物は室内に干す。
・ 韓国は今でも床暖房。畳は少ない。
・ なぜ、北朝鮮に共産主義思想が広まったか?
  伝統的に地主(両班)の力が強く、小作人が抑圧されていた。だから
・ 男性は高校卒業後、身体検査を受け、ABCDEの評価を受ける。そこで振り分けられ、また志願して、26ヶ月〜兵役を行う。大学生は、ふつう、1,2年大学へ行き、26ヶ月休学して軍隊に入り、また復学するそうである。
  男性は軍隊に入らないと、就職もできないし海外にも出ることはできない。

車窓から
・ 休戦ラインが近づくと、川岸には有刺鉄線が張られ、所々に監視できる場所もある。道路を封鎖する扉もある。緊張感がますます高まる。
・ 交差する道路との高さの差が少ない。日本の背が高い車はぶつかるかも?
・ それにしてもキリスト教会が多い。三角尖塔が至る所に立っている。
・ 建物の密度が濃く、建物間の間隔が狭い。ソウルだけのことかもしれないが、衣食住で、住がもっとも高くつくそうだ。

統一展望台
・ 北朝鮮の様子を見ることができる。望遠鏡で見る限り、人の姿は全く見えない。自動車もない、自転車もない。ときどき牛を使って耕している姿が見えるそうだ。共産主義の宣伝のための建物まで造られた。北朝鮮は悲しいほど貧しい。
・ 金さんは言う。「南は北に振り回されている。」「統一できないよりできた方がよいが、できないならそれはそれで仕方がない」「学生時代は民族の分断という意識はあまりなかった。ここに来て、初めて実感した。」民族が分断されているという意識は、一般の人にはあまりないのかも知れない。



景福宮
・ 日本で言う京都御所だ。
・ なんと愛知県の作手中学校が修学旅行の代わりとして来ていた。うらやましい限りだ。 
・ 秀吉軍によって壊され1867年に再建。一部1996年に再建されたもの。秀吉軍は、えらいことをやってくれた。

首相官邸
・ 警戒が厳重で、私服警官がたくさんいる。写真撮影、歩道の歩行も制限されている。
・ 迎賓館前で記念写真。私服警官が,バスのナンバーをチェックしていた。さすがである。

自由時間
・ まず、南大門へ。すさまじい店の数と人の群。革製品を中心に安価で売っている。個人的に,このような雰囲気は大好きである。
  皮ジャンが5千円ぐらいから。
・ 南大門から3号線安国駅まで地下鉄で行く。W600 60円は安い。行き先を先に押してからお金を入れる。
・ 安国駅から南はインサドン。骨董屋、民芸品・書画を売っているところが多い。この雰囲気も楽しい。
  買い物の楽しみの1つは,値切ることだ。
・ 夕御飯は石焼きビビンバ。場所はミョンドン。とてもおいしかった。
・ ロッテホテルでは、インターネットをやった。30分1250円。少し高い。
  キーボードの配列が少し違うので打ちづらい。
・ 国際電話は安かった。
・ いわゆる乞食と言われた人。日本にもかつてはいたが、ソウルでは何人も見かけた。傷病兵でお金を恵んでもらっている人もいた。
・ ホテルではBS放送で日本語が聞けるので便利。ただ、韓国の番組は日本と全く変わらない。CMのセンスも高く、あか抜けている。
・ 韓国は豚を大切にする。爪楊枝もそうだったが、干支に豚年があり、正月には豚を飾る。
・ 昼食はうどんすき。割り箸のような袋に、金箸が入っていたのには驚いた。後から、割り箸を使うと罰金だと聞いた。
・ 店の多くは値切ることができる。まともに買うのは馬鹿らしく思える。もちろん免税店などは別だが・・・
・ 韓国では岩山が多いので、いわゆる木が育ちにくい。割り箸をなくしたのも、それも大きいのでは。木造の家も見かけない。
・ 韓国の若者は、電車でお年寄りに席をゆずると聞いていたが、目の前で見ることができた。これからも、いつまでも大切にしてほしい美徳だ。

10月15日(月)
9:30〜10:30
自治体国際化協会ソウル事務所訪問

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自治体国際化協会は、大きなビルに入っている。いきなりの吹き抜けには、竹林が植えてあり、雰囲気が違う。
説明は、大津での講習により予備知識があったおかげで、たいへんわかりやすいものであった。特に資料が良くまとめてあり、参考になった。

11:00〜12:00
韓国行政自治部訪問

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政府機関らしく、厳重な警戒体制。小泉首相訪韓の日なので、より厳重かもしれない。玄関前には、黒塗りの車が多数並んでいた。入り口では、金属探知器でチェック。ただ、我々は免除である。






1130〜
韓国地方自治団体国際化財団 訪問

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【今日の感想】
・ 町を歩くと、日本語表記が多い。日本人相手の商売が多いことがわかる。
・ 今日は小泉首相来韓の日。町中は警戒が厳重だ。一つの重要建物の周りを数十人で守っている感じだ。それが至る所にある。デモの声も聞こえた。おそらく靖国問題・教科書問題への講義だろう。
・ 木の家はない。古いものは別として、韓国中探してもほとんどないそうである。煉瓦とコンクリートだ。
・ そういえば、今回はカメラマンが同行している。1枚800円で注文を取っていた。少し高い。
・ 公道で、車を止めて堂々と商売をしている姿が目に付く。公私の区別が甘いぞ!
・ 地下鉄の深さが低い。もしもの時のシェルター代わりという話も聞いた。
・ 日本車を見ることができないが、形はよく似ているので,全く違和感がない。部品はかなり日本から輸入しているらしい。
・ 昼食は、「土俗村」で参鶏湯を食べる。小鶏が丸ごとスープに入っているもので、とても有名らしい。おいしいが・・・日本人にはどうか?
・ 通訳のイムさんはかわいい、大学を出たばかりのお嬢さんだ。8歳から高校卒業までを日本で過ごしていたため、日本語は全く自然に話すことができる。大学時代でも、夏休みは親元の仙台で過ごすそうだ。夢は両方の言葉で見ると言っていた。
「日本と韓国は、似ているから住めば住むほど違いがわかる。ただ、よく似た顔と同じ米を食べているだけで、他は大きく違う。韓国に来たときはカルチャーショックだった。考え方が大きく違う。」と教えてくれた。よく怒っていたそうだ。それにしても、比較文化が専門のイムさんと知り合いになれたことはラッキーだ。いろいろ学びたい。

【夕飯以後】
宿泊地の始興観光ホテルの斜め前にある店(水原本カルビ屋)で、カルビのすき焼きのようなものを食べる。
その後、ホテルでサウナ(W6,000)へ。そこでアカスリ(W10,000)を頼む。こっちも、担当の中年男性も真っ裸だ。見る見るうちに玉のような垢が出てきて驚いた。とても気持ちがよい。日本のサウナは、ロッカーからタオルがあり、たいてい前を隠すが、韓国では隠すタオルさえ置いていない。裸で堂々とサウナルームへ行けばいいのだ。サウナは、やや不潔っぽい。先のないシャワー、取れかけた手すり・・・・おおざっぱすぎないか?

10月16日(火)
国家専門行政研修院


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到着までに
 朝食が人によって不揃い。コーヒーは、ミルクがない人もいる。ソウルから離れると、サービスはかなり違う。

韓国の車
 800cc  700万〜800万W
 1500cc 1200万〜1300万W
 2000cc 2000万W
 4500cc 7000万W

 日本より、若干安い程度である。
しかし、ガソリン 1L 1300W  これは高い。
   このうち、68%が税。走行税や教育税、地方税など

道路は、車線が多いが幅が狭いため、隣の車と近い気がする。高層マンションが至る所に見られる。おおむね窓のスペースが大きい。
山間部にはいると、まるで日本の景色だが、突如高層マンションと教会が登場。やはり違う。道路には、たまにではあるが故障車が止まっている。バスの天井には非常口が付いている。
お墓が見えた。墓碑を挟んで、2つの小山。それが斜面に沿って3組並んでいる。

ソウルや大都市では下水道が発達している。
高速道路も発達している。30分ほど走って、大型バスで通行料が120円。安い!

研修院では、やたら待ち時間が多い。細かい段取りなど、かなりおおらかな印象。日本人がせかせかしすぎなのか・・・・。でもあいさつには「最善を尽くしました。」日本なら「至りませんが・・・」このあたりも、文化の違いだろう。
 しかし、その割には、ビデオのスピードはものすごく速く、エネルギッシュ。

この後、グループに分かれて懇話会?
自分の相手は、瑞山市総合社会福祉館の慎 権範さん、
順天市外西面事務所 朴 海驍ウん

このメンバーに李さん、金さん、山本さんを加えて、夜遅くまでいろいろと話をすることができた。
その話の一部を紹介!

・ 韓国では、晩酌で一人でお酒を飲む習慣はない。飲むときは、仲間と楽しみながら飲む。酒は焼酎をストレート。いらないときは「いりません」とはっきり言う。
・ 軍隊についてどう思っているかと聞くと、「国民の義務。身体検査で、A〜Eにランクで分かれるが、DとEは、ふつうの軍隊の仕事はできない。恥ずかしい。社会的な信用もなくなる。」「友達ができる場。厳しさをたたき込まれる場。甘い若者も鍛えられる。」「給料は安いが、ほとんど使うことはないので、お金は貯まる。ほとんどの国民は、兵役は仕方がないものと考えている。」「行くことは誰だったイヤだと思う。気の弱いものもおり、射撃訓練では倒れそうになる者もいる。」「人を殺すことは考えてはいない。あくまでも訓練の場」
・ 小泉首相は評判が悪い。林さんは「それまで韓国の人は全然知らなかった」、慎さんは「小泉首相にはみんな怒っている」とはっきり言ってくれた。小泉首相が来た日は、町中でデモの音が聞こえた。
・ 「教科書問題は、高齢者が騒ぎ、マスコミがあおっている。若い人は気にしていない。」と言う朴さんに対して、慎さんは「怒っている」という表現を使った。むしろ、「日露漁業交渉が一番の問題」だと言う意見に皆が賛成した。
・ 一方、日本人に対するイメージは概して評価が高い。みな親切で心があたたかいという。「交差点で右折車に対して、対向車が先に行けと手で合図したときは感動した。韓国では、絶対にない。」
・ 北朝鮮について。統一できればうれしいことだが、若者はそれにより経済的負担が増えることをおそれている。若者には、今のままを望む声が多い。
・ スポーツの人気は1 野球、2 サッカー、日本と同じ。という朴さんに対して、李さんは、「1 サッカー、2 野球」と言った。日韓戦があるとマスコミが急に盛り上がると全員が答えた。
・ 特殊教育は、専門の学校で行い、一般校では特殊学級はないそうだ。日本のでは交流の方向に向かっているというと、驚いていた。
・ 学校は、インターネット環境が整っており、各クラスにプロジェクターもある。ただ、慎さんは、コンピュータだけでなく、体を動かす学習をもっとやってほしいと言っていた。
・ 「国同士は問題があっても、個人レベルでは相互訪問などで交流をすることが、互いに理解する早道だ。」

 夜はカルビ焼き肉
宿では、飲みながら1時30分まで話をした。

10月17日(水)
水原市庁訪問


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華城・トイレ
・ 遠足で多くの幼稚園や小学校が来ていた。
・ 弁当は、おにぎりではなくのり巻きだ。遠足の定番だそうである。
  遠足を秋に行うこと、のりまきは、植民地時代に日本から伝わったものらしい。
  子供はどこでも同じだ。イムさんは「子供とおばさんはどこでも同じ」と言った。なるほど。
・ 長安門:長安とは、農民を楽にさせると言う意味だそうだ。中国の長安ももちろん同様である。
・ 弓の体験をすることができた。難しい・・・・・
・ 蛍トイレ:日本にももっといいトイレもあると思うが、管理人室があるのには驚く。

【感想など】
・ 韓国では、男女産み分け技術が進み、女の子が少ない。遠足に来ていた園児がそうだった。学校で女の子の隣に座るのは、大変なことらしい。女の子に男っぽい名前を付けると次に男の子が産まれると言い伝えられている。
・ 韓国では、カトリックが聖堂、プロテスタントが教会と呼び名を区別している。それにしても教会が多い。昼食の場所から、5つ見えた。宗教法人としてやっていけるのか心配だ。
・ 韓国では、割り箸を使うと罰金だそうだ、箸はおかずをつかむもの、スプーンはご飯を食べるもの。
・ 昼食のカルビたんはおいしかった。ワールドカップの会場の前にある。5000W。 夕食は海鮮鍋。15000W
・ 韓国の道の広さは感心する。有事の際の滑走路になるからと聞いたことがある。
・ 衣と食、交通費が安い。タクシーは1000円でソウルの端から端からまで行ける。地下鉄も60円でかなり行ける。
・ アパートは初めに5000万Wや1億Wを敷金として払う。その利息でやっていく。出るときには、そのお金が戻ってくる仕組みである。しかし,いい加減な大家は敷金まで使い込んでしまうから要注意!大家の人間性を見抜くことが大切だそうだ。
・ 若者のキムチ離れが社会問題になっているそうだ。韓国では、離乳食からキムチに慣れさせるようにしている。しかし、欧米の食習慣が普及し、キムチは避けられるようになってきた。
・ 世界の国旗が描かれている壁があったが、日本の国旗だけ足で蹴られて汚れていたそうだ。偶然ではないだろう。
・ お墓が高速道路沿いにたくさん見ることができる。土葬で、山になっている。かなり場所をとる。草をはやさないようにするのが子孫の勤めだ。今では、墓地の場所の不足が問題になっている。
・ 高地には白菜畑がたくさんある。温度差がはげしいので、甘みのあるしまった白菜になるそうだ。キムチがおいしいはずだ。
・ 高速道路から見える山は、松が多い。岩石の山も点在する。松食い虫の被害はない。
・ 韓国の高校生が学校で同級生を刺殺したニュースが流れた。あってはいけないことが、今の世の中ありそうな話であることは、韓国も日本も同様だ。
・ 夜、サウナへ行くが、アカスリはなかった。ここもおおざっぱだった。お湯が塩辛く苦かった。3,500W

10月18日(木)
朝食
 食後のコーヒー
  味は全くなし。色が付いた白湯だ。
 
北朝鮮特集
  北朝鮮へ通じる道は封鎖できるようになっていた。
  江陵の海岸では、軍がサーチライトで照らしながら警戒していた。
 道路が広いのは飛行機の滑走路とするため、地下鉄が深いところを走るのはシェルター代わりと聞いたことがある。 

江陵市庁訪問

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烏竹軒見学

朝鮮王朝時代の、李栗谷・通称 李珥(5,000Wの肖像の人)とその生母で韓国における理想の母、申師任堂の生家。
年間100万人が訪れる

【感想など】
・ 道路で米を干している。歩道や車道の路側帯で干しているところがすごい。公私の区別がない。
・ 市内バス 700W。時刻表はなく、1日30本運行となっている。
・ 昼食は純豆腐チゲ 

江原道環東海出張所、江原道水産養殖試験場

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このあと、
再びソウルへ戻る。
この間、キムさん、イムさんに聞いたことなどをまとめてみる。

学校関係
・ 中学校・高等学校は制服である。一度、私服になったが、問題があり復活したそうだ。
・ いじめは、「いじめ」と言う言葉が日本語で通じるそうだ。韓国でも、日本を追って増えてきたそうである。学級崩壊・不登校も同様に増えているそうである。
 そもそも、韓国は伝統的に「先生は怖い存在、雲の上の人。私の頃は鞭を持って、怒ってばかりいた」(イムさん)だそうである。基本的に大人に対する礼儀は、日本よりも守られている。日本では、先生と生徒はは友達のようであり、それを「うらやましいけど、いきすぎ」ととらえている。
 韓国でも教師による体罰が問題になり、体罰は禁止されたそうだ。親の過保護により、学校に抗議する親が増えていることも、日本と似ている。
 韓国の教育熱の高さは有名だが、弁当を二つもって、朝早くから夜遅くまで勉強をする。学校の近くに有料の読書室があり、そこで一人でこもって勉強するのだそうだ。もちろん、塾もおおはやりである。 日本のようなエレベーター式の学校は少なく、それも日本以上に進学競争が厳しい原因の一つだ。 
・ イムさんの韓国人観は概して厳しい。
  日本人は、通訳の仕事の前には資料をくれるのに、韓国人はそのようなことは少ない。
  借りたものは返さない。
  時間にルーズで、10分、20分の遅れは当たり前、「コリアンタイム」という言葉があるほど。
  トンカツがおいしくない。日本のようなおいしいトンカツを食べたい。
    
 逆によい点は、
  韓国には割り勘がなく、「割り勘は水くさい。前回払ってもらったから今回は払う」などの情がある。
  食べ物のおかわり自由。
  春川(チョンチャン)のタッカルビはおいしい。
  ヘルシーな食べ物が多い。
  物価が安い。
  はきはきして、自分の考えをはっきり言う。積極的でストレート。男性が女性を口説くのに「100回倒して倒れない木はない」ということわざがあるほど。
  シルバーシートに座っていると大人に説教される。

 かつて韓国では、日本は行儀の良い国であると言われていた。しかし、今ではイメージが変わったそうである。残念なことだが、現実を見るともっともである。教育のどの部分が変わったのか、反省する必要がある。

・ 今回最も知りたかった教科諸問題をはじめとする反日感情ついて
  イムさんが韓国語を話した後に日本語を話すと、お年寄りに「どっちの味方なんだ!」と言われるそうである。「誇り高き韓国人が、なぜ日本語なんか話すの!」とも。韓国人は、日本人を必要以上に意識している。
  教科諸問題についても、日本人は「いつまでこだわっているんだ」と言うが、韓国人は違う。「なぜ心を込めて謝らないんだ」「賠償金がほしくて言っているんではない。本当に悪いと思っているか確かめたいだけ。」と思っている。
  教科諸問題の時でも、「その話題でみんなもちきりだった」そうだ。
  学校では、日本軍が行った人体実験や殺戮など、繰り返し教えられる。先生は、ヒステリックなほど興奮して訴える。ドラマでも日本軍の蛮行を扱ったものが多い。とにかく、日本は悪いと、小さい頃から刷り込まれるのだ。
 韓国では、愛国心=反日感情なのである。
 日本で大半を育ったイムさんでさえ、「ご先祖様を思うと、日本軍のことは許せない」という。当然であろう。イムさんのご両親は、創氏改名で、「新一」「幸子」という名前を付けさせられた。今もそのままである。「名前を変えさせられたのが、最も民族的屈辱」と言ってみえるそうだ。
 もっともである。
 
 日本では「韓国政府とマスコミが騒ぐだけで、一般国民ではそれほどの関心はない」という報道もあったが、現実はそうではなさそうだ。相手の立場で考えると、もっともである。
 基本的に、「韓国人は分断国家としての危機感があり、日本人は平和ぼけ」という言葉が象徴している。

 韓国の男は、軍隊を出て初めて一人前の男として認められる。軍隊から帰ってきてつきあう人は、結婚を意識しているそうだ。
 民防衛訓練もあり(最近はないが・・・・)、その日は突然サイレンがあると地下街などに逃げ込むのだそうだ。北朝鮮が攻め込んでくれば、ソウルなど2時間もかからない。危機感を持つのは当然といえよう。

・ その逆として、防災意識を考えると若干の理解の助けになる。
  韓国では、地震が起こると夢にも思っていないから、その備えはない。日本は、それほど気にしていなくても、やはりいつ起こっても・・という覚悟はできている。
  最近,ソウルでは大雨が降り、10人以上が感電で亡くなったそうだ。それも、水害の備えがなさすぎた例だ。
  実際、ソウルで大地震がおこったら壊滅状態だろう。高層ビルのほとんどは倒壊する。
  韓国の人は、天の災害に対する警戒は低いのである。

・ 墓場が話題になる。
  もともと韓国は仏教国だ。儒教は宗教と言うよりは、国民の道徳的な規範だ。キリスト教徒も多いが、先祖は仏教徒だ。
 仏教では、僧は火葬、民間は土葬だ。両班を始め、風水によって占われた方角に先祖の山があり,亡くなるとそこに埋葬される。直径1mほど、高さ7,80センチの小山が築かれる。夫婦は、場合によっては一つの山に、または離れて二つの山に葬られる。
 赤ちゃんは、火葬して、骨を川に流すそうである。
 ただ、現実的に考えて、それだけの土地が足りるはずがない。政府では、日本のように火葬にして、先祖代々の墓碑を建てる方向に検討が行われているようである。もっともだ。とにかく、ちょっとした丘があると墓地が必ずある。 
 都会から離れたところに先祖のお墓があるので、お墓参りも容易ではない。険しい山を登った後、当然のように容赦なく生い茂る草を刈ることから始めなければならない。

・ ソウルをだけを見て、韓国を見た気持ちになってはいけない。ソウルと地方はかなり違う。ソウルではかなり日本が通じるが、江陵ではほとんど通じない。施設・設備もかなり違う。長い間中央集権国家だった韓国は、ソウルに投資が集中しすぎた。

・ それにしても日本のメーカーの看板を見ない。SONYなど、どこに行ってもありそうなものだが、全く見なかった。
・ 韓国で見たテレビニュースでは、アメリカのテロ関連のニュースはほとんど目にしなかった。たまたまなのか?
  小泉首相訪韓のニュースは、テレビも新聞もトップだった。トップの写真は、反省しているようなもの、頭を下げているようなもののどちらかだった。
・ PCバンをのぞいたが、正直言って健康的とは言えない雰囲気だった。もし、若者が入り浸りのようだと、教育的には少し心配である。