| 最近、多くの論文を読ませていただく機会を得ました。まずは実践がしっかりしたものであること、それに加え必要なデータをどの場面でどう取るかを単元に入る前に検討しておくことの大切さを感じています。実践がすばらしくても、データがうまく示せないと、実践報告としてはいいですが、論文の形式にすることが非常に難しくなります。 | ||
テーマ1:生徒の実態を数値化してみよう
現在の「生徒の実態(A)」をとらえ、問題点を改善したり、ある力をさらに高めたりして「求める生徒像(B)」に迫っていくのが研究(授業改善)である。そのために仮説(「Cすれば、AがBになるであろう。」)を考え、具体的な手立て(C)でアイディアを練る。それがわかっていても、ついつい論文にまとめてみると、「いろいろ手をつくした(あれこれ工夫をして授業をがんばった)ら、AがBになった」式のものを見かける。これでは、その先生の実践のまとめにはなるかもしれないが、他の単元、他の場面で使える「知見」にならない。まずは研究をシンプルにするために、生徒の実態の数値化をお勧めしたい。
「最近、英作文で基本的な英文でよく間違える」というのが「生徒の実態(A)」だとすると、「求める生徒像(B)」は、「基本的な英文が書けるようになる」ということになるが、どんな状態になれば(B)を達成したのか判断が難しい。これを数値化してみる。
「5分間の英文和訳を5問出題したら、主語+動詞の語順を間違えた割合は、40%である。」のように考えてみることができる。現在40%(A)とわかれば、10%(B)に減らしたいという目標ができる。授業でいくつかの手立てを行った後で、同じテストをしてみれば、何%になったかどうか、達成できたかどうかが明らかになる。これで研究がシンプルにスタートできる。
テーマ2:何でもうまくいったと結論付けない
実に多くの手立てが述べられていて、実践の様子、生徒の様子が述べられ、「したがって仮説通りになった」とまとめられる論文を目にすることも少なくない。「いろいろがんばったら、仮説通りになった。」式にまとめず、具体的に、「こういう手立てをすると、このタイプの生徒には効果を発揮することがわかったが、このタイプの生徒には利かなかった。」のように、効果があった部分、なかった部分を明らかにして、その後の実践でも使える「知見」を探す作業を考察の項目で行いたい。
テーマ3:単元に入る前にデータをどう取るかを決める
研究授業をやることになり、指導案を書いて研究授業をがんばった。そうしたら教務主任から、「せっかく研究授業がんばったんだから、論文にまとめてみないか。」と言われることがあるかもしれない。これは、むちゃぶりである。その気でデータを集めながら実践を進めていかないと、あとで論文にしようと思っても客観的に生徒の変容を示すデータが見つからず、作文をするはめになる。これでは、本当に正しい「知見」が得られるかどうかもわからない。単元途中からでは、実践報告は書けても、教育論文にするのは難しい。やるのであれば、単元に入る前に、仮説を決め、手立てを決めると同時に、どう検証するのか、データの集め方も決め、単元に入る前のデータをまずとってから(生徒の実態として)単元に入っていきたい。
| 研究授業をどうやって教育論文という形にしてまとめていけばよいのかを解説してあります。 | |
| 愛知万博という行事を利用したプロジェクト型の授業実践です。 | |
| ALTとの1対1の会話をカセットテープに録音し、テープおこしをして会話を振り返る実践です。 | |
| ポートフォリオにワークシートを整理し、学びを振り返っていく実践です。 | |
| インターネット上にある「未成年の主張」というウェブサイトを使っての実践です。 | |
| 電子メールや国際交流会を通したプロジェクト型の授業実践です。 | |
| クリスマスのショッピング(買い物場面)での実践です。 | |
| ALTとの会話場面を単元で何度か設定した授業実践です。 | |