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目次 はじめに 監修の言葉 1.海の東海道と静岡県 2.千石船 3.江戸時代の港湾施設 4.伊豆の湊 5.駿河の湊 6.遠江の湊 調査を終えて


はじめに

社団法人静岡県建築士会は静岡県より「平成4年度 東海道歴史のふるさとづくり推進調査事業」として、 「海の東海道」のまちなみ調査を受託した。これはその報告書である。

静岡県は、「豊かな心と活力ある社会を目指してー21世紀へのまちづくり」を基本目標として総合計画を推進しており、 特に本事業は魅力ある住みよい県土を築くため、歴史的、文化的に価値のある建築物やまち並みを保存・再生し、 静岡県の特性を生かしたまちづくりを行なう、ことを目的としている。社団法人静岡県建築士会会員は地域にあって、 このような歴史的・文化的な環境の中で建築物の設計その他の業務に携わっており、 この事業に参加する機会が与えられたことを深く喜びとするものである。

調査は社団法人静岡県建築士会内に設置した特別委員会と、 各調査対象地域に於ける支部との密接な協力の下に行なわれた。 特別委員のみならず各支部の協力委員にあっても、 それぞれの地域の建築文化に寄与することの多い本事業への参加は意義の深いものであった。

調査対象地域のなかでもとりわけ、 地元のまちづくりに関心を寄せる方々によって「考える会」が設置された湊では、 その地域住民の歴史的なまちなみに対する深く、熱い思いに触れ、 我々建築士に課せられた任務の重要さを改めて知らされた。
これらの湊に関する調査の成果は「考える会」に参加された委員の皆様に帰するものである。 今回の調査には、現地調査にも御同行頂いた静岡学園短期大学学長若林淳之先生にご指導、監修を賜った事を記し、 ここに深甚の感謝を表する。

調査の過程で我々が得た、郷土の歴史的建築資産への造詣を、我々建築士にとってかけがえのないものとすると同時に、 本調査の成果が地域発展のために広く活用されんことを願って止まない。

平成5年3月15日

社団法人 静岡県建築士会

会長 山梨 清松