21世紀の学校施設のあり方
         ― 大口町における地域に根ざした学校をめざして  社楽の会HPへ

○ はじめに
T 基本的な考え方
U 
想定される状況
V 教育方法の多様化への対応
W 地域に開かれた学校施設
X インテリジェントスクール
Y エコスクール

Z 心豊かな教育環境としての施設
[ 具体的な設備
○ “明日の学校”イメージ創作プロジェクト会議 経過報告

○ おわりに

校舎案図面

 
小学校1階平面図   小学校2階平面図
 
  中学校1階  2階  3階  4階 

は じ め に  

 明日の学校イメージ創作プロジェクト会議は、短期間ではありましたが、自主的な視察も含めて先進校の資料を収集し、会議を重ねてまいりました。そこでは大口町の将来像を描きながら、多様な教育活動が展開でき、地域社会に密着した学校建築のあり方を探ってきました。また、環境問題や少子高齢社会などの今日的課題をふまえるとともに、新しい時代の教育や社会の変化に対応できるように、未来への展望に立って検討を進めてきました。そこには、校舎建築といったハード面のみならず、教育内容のソフト面にまで検討が及びました。
 本報告書は、これらの検討結果をまとめたものであります。今後行われるであろう基本設計以後の過程において、本報告書の内容を参考にしていただくことを期待して報告します。
 
          
T 基本的な考え方
 
 学校は、地域住民のものである。
 初期の学校は村民の寄付によって建てられ、村の子どもたちが通った。まさしく“おらが村の学校”であったのだ。
 「明日の学校」のイメージづくりは、この“学校の原点”に還ることからはじめたい。
 おらが町の子どもたちが、おらが町の学校で学ぶ。そのために、自分でできる範囲で協力する。それに応えて、子どもたちも町のために協力する。
 
 この考えを根幹として、「21世紀の学校施設のあり方」について、次の5つの基本的な考え方を示したい
 
1 教育方法の多様化をはじめとする今後の学校教育の進展に対応することができる学校施設 
 今後の学校教育は、これまでのように(小学校の場合)授業の1単位時間が45分で年間35週単位で時間割を編成するということがなくなる。毎週時間割が変更になったり、1単位時間が45分だけでなく、30分の授業や60分の授業も混在するという変則的な時間割が組まれるようになる。さらに、40人を単位とする単学級での授業だけではなく、学級を解体した少人数編成での学習活動も日常化する。
 また、総合的な学習の時間では、児童・生徒の多様な表現活動の場が求められている。 これらの時間的・空間的に多様な授業形態にフレキシブルに対応できるような校舎の構造的な工夫が、これからの学校建築には不可欠である。
 
2 生涯学習をはじめとする、地域社会における人間的諸活動を支える機能の複合化を考慮した学校施設 
 総合的な学習の時間に代表されるように、教室という枠から飛び出した地域での学習活動が学校教育の大きな部分を占めるようになる。また地域の教育力の活用ということで、社会人講師などをむかえた学習活動も増えてくる。
 さらに、社会教育との連携・融合も進められるので、生涯学習課や文化団体が主催する生涯学習の場や、PTAによる研修活動の場としても学校が活用されることになる。総合型地域スポーツクラブや音楽団体の拠点として体育館や音楽ホールが、学習の場として図書館やコンピュータ室が活用されることもあろう。
 これからの学校は地域のシンボルであり、住民の精神的な支えでありたい。そのためにも、地域の誇りとなるような学校施設にしたい。
3 情報技術の進化に対応できる学校施設
 コンピュータ・ネットワークや放送などの情報技術は加速度的に進化することが予想される。光通信によるインターネット、衛星デジタルTVなど、新しい媒体での情報技術が近い将来にいくつも登場する。あらかじめ、それらの変化に対応できるような校舎の構造にすることが必要である。
 ハード面のみならず、地域と共に歩む学校づくりのために、学校からHP(ホームページ)やML(メーリングリスト)等で情報を発信することも必要である。
 また、学校の情報化が進むことにより、保護者や地域が求める情報を発信することを通して、地域そのものを情報化していくことも期待される。
4 環境に配慮した学校施設 
 外観が自然豊かな大口町にマッチしたものであることはもちろん、機能的にも環境に配慮したものでありたい。また、省エネルギーは社会の要請であり、地球環境について地域で考える象徴として学校を位置づけたい。そのためにも、できる限り環境に配慮した学校施設がのぞまれる。
5 心豊かな生き生きとした子どもを育成するとともに、安全で安心を与え、ゆとりとうるおいのある学校施設 
 児童・生徒が学校生活を生き生きと過ごせるように、豊かで暖かみのある生活環境を備えた学校施設にする必要がある。児童・生徒のラウンジスペースや美しいトイレ、果樹園・芝生など緑地エリアなど、ゆとりとうるおいのある学校生活を創出したい。
 また、車いすでも学校生活が送れるバリアフリー、侵入者を防ぐセキュリティにも十分配慮したい。 
 
U 想定される状況
 
1 将来の日本の展望
 30年後の日本の社会はどのようになっているのか。
未来技術年表  http://jvsc.tokyo.jst.go.jp/shiryo/yosoku/ 
予防型行政   http://www.pref.gifu.jp/s21401/tihoujic/h10/no2/mokoji.htm 
 などを参考に、関係事項を予想してみる。
 
 アルツハイマー型痴呆の特効薬、がんの転移防止薬の発見などで、元気な高齢者がますます増える。定年の延長で、熟年層の健康に対する意識が高まり、スポーツ、無農薬野菜などの人気が今以上にアップする。
 男女共同参画社会が進展し、エンゼルプランの効果が現れ、少子化傾向に歯止めがかかる。保育園や児童館の需要は増加する。
 余暇が増え、生涯学習の機会の需要が増える。衛星を使った講座のネットワーク化が図られる。総合型地域スポーツクラブも定着する。
 変換効率の良い太陽光電池の発明で、太陽光発電が大きく普及する。
 情報端末の小型化により、情報収集が容易になり、知識より、応用力が重視される。小学校から携帯端末を使った授業が一般化する。入試にも持ち込みが許される。
 循環型社会は定着し、農業の価値が見直され、学校でも教育課程に組み込まれる。
 大学・高校の単位互換制度が定着し、中学校も選択授業が大幅に増える。小学校にも選択授業が導入される。生徒がテーマや教師を選択することになる。
 芸術科目は専門家による授業が増加する。
 中国・インドなどの技術力におされたため、理科振興がますます積極的に図られる。
  国際化はさらに進み、外国籍の人の割合が増加する。中学校でも第2外国語が導入 されると共に、小学校でも教科「英語」「情報」が行われ、表現力が重視される。
 
2 児童・生徒数の想定 
 小学校については、校区の見直しも考慮に入れながら、平均的な各学年3学級として計画を立てた。
 中学校については、「町内中学校区児童・生徒数実態及び推計表」に基づき、生徒数のピークと予想されている平成23年度の生徒数を想定して計画を立てた。
 
             平成23年度生徒数・学級数予測
  1年生 2年生 3年生 特 殊  計
生徒数 (人) 289 289 305  − 883
学級数(学級)   8   8   8  2  26
 
 さらに、35人学級に対応する(各学年9学級になる)ための余裕教室も、各学年のブロックに1つ(2階:国際理解教室、生徒会室、3階:ミーティングルーム)設置した。
 
V 教育方法の多様化への対応
 
1 普通教室とオープンスペース(小学校)
学習活動の多様な展開に対応するために、小学校では、普通教室とオープンスペースを連続的かつ一体的に配置し、学年ごとのまとまりを構成することにより、学級を越えた様々な活動を展開し、学年単位の活動の充実を図った。ただし、今後展開されるであろう外国語学習などでの遮音を考え、雁行型で考えた。雁行型は、瀬戸市立品野台小学校で導入され、大きな遮音効果が認められている。
学年会(学年単位の教師の打ち合わせ)や児童・保護者との相談等に対応する教師ステーション(会議室等)を各階に配置した。
全体を2階建てとし、中庭にホール、メディアステーション(図書館等)を置き、芝生・花壇で囲んだ。中庭には、ミニステージを置き、表現活動の練習・発表の場として使えるように考えた。
  
2 教科教室型(中学校)
 中学校では、教科指導における一斉指導、グループ活動、個人研究など、様々な形態に効率的に対応できるように、教科教室とオープンスペースを併設した。
 学校5日制により学力低下が危惧されるなかで、教科授業のいっそうの充実が望まれている。教科教室型に教室を配置することは、教材・資料・備品のより有効な活用がなされ、授業の質の向上に大きな効果が得られる。
 教科教室型とは、生徒が教科に合わせて、その授業の部屋へ移動するシステムである。先進校で、次の効果を確認している。
@ 授業を受けるために教室を移動するので、生徒が主体的に授業に臨むようになる。
A 教師にとって授業の準備が容易なので、より計画的でダイナミックな授業展開が可能になる。
B 授業の内容に応じて教室環境を設営できるため、生徒の興味・関心がより高まる。
C 教科のオープンスペースが常設の資料展示室になるため、資料を活用した調べ学習などを、放課などに日常的に行うことができる。
D 従来資料室に眠りがちになる資料がなくなり、有効に活用されるようになる。
E 教科の特質に応じた設計ができる。例えば英語教室は、スピーカーを頭上に配置するなど、指導の効果が上がる設計になる。
F 従来の固定的な居場所でなくなるため、いじめられがちな生徒の精神的な負担が軽くなる。
G 従来の職員室とは違い、教科センターでは教師と生徒のコミュニケーションを取りやすい。
 一方、学級の所属意識が弱くならないように次のように配慮した。
 教科教室をそれぞれのホ−ムルームにあて、毎日の朝・帰りの会、給食や道徳・学活の授業、定期テストなどで利用する。また、個人のロッカーのあるホームベースを教室の近くに配置し、クラスごとの掲示板も設けた。
 校内各所に配置された液晶掲示板には、各学級の時間ごとの教室が表示され、行事の時は案内表示に利用される。
 教科ごとのゾーンは、メディアスペース、教材教具作成収納スペース、教科センター(教員室)で構成する。関連性のある教科教室は、できるだけまとまりのある区画とした。(2階:人文系、3階:自然科学系)
 
W 地域に開かれた学校施設
 
1 学校開放への対応
(1)体育施設、音楽ホール、メディアステーション、一部の講義室等は、開放領域として学校専用地域と区別した。また、夜間・休日開放用に管理室を設置した。
(2)体育館には、一般開放用の更衣室、事務室(管理室)を設置した。この事務室を将来的には総合型地域スポーツクラブの事務所と兼用することもできる。
  屋外運動場にはクラブハウスを設置し、ラウンジをもうけ、住民が日常的に集うことができる場所とする。
 
2 かかわる力の育成
(1)少子社会と核家族化の進展に伴い、児童・生徒の人とかかわる力はますます不足することが予想される。今後は、人とかかわる機会を提供する機能が学校に期待される。そこで、校内の一部や学校と隣接した敷地に、児童館、高齢者センター、授産所等、異年齢の地域住民と日常的にふれあえる場所を設置することが望まれる。
(2)学校施設以外にも、例えば次のような取り組みにより開かれた学校をめざしたい。
・ 地域・保護者に対する学校公開を毎学期1週間計画する。
・ 学校支援ボランティアを募集し、授業の支援や図書の読み聞かせに協力を求める。
・ 学校評議員、民生児童委員会、子ども110番の家協力者、学校支援ボランティアを学校へ招き、情報交換会をおこなう。
 
3 地域防災の拠点
 学校は、地震や台風、水害などの避難場所としての機能も要求される。そのために防災備蓄倉庫をはじめ、避難住民が短期間でも生活できるような設備が必要である。また、プール水を濾過するような設備も有用である。
X インテリジェントスクール
 
1 設計・設工段階から、校内の光ファイバー網を整備する。衛星通信に対応できるように、パラボラアンテナを立てることが可能な場所を確保しておく。
2 コンピュータルーム(以下PC室)や図書館は、移動しやすい場所に配置し、必要な時にすぐに利用できるようにしたい。PC室は、中学校では2室考えた。
3 校内の全ての場所にコンピュータ・ネットワークをはりめぐらし、必要なデータが いつでも取り出せるようにした。従来のような文字や静止画像を主としたデータだけではなく、動画データや音声データも扱えるので、各教室、オープンスペースなどに コンピュータを配置し、教室間のテレビ会議ができたり、校内のサーバからデータを読み出して音楽の伴奏を鳴らしたり、ビデオ教材を見たりということを可能にした。
4 社会教育、生涯学習のための施設として、市民の情報リテラシーの向上に寄与する。
5 学校内に導入されたネットワーク、情報機器は、児童・生徒が自由に利用できる管理・運営を行う。   
6 週に1時間程度、インターネット上で授業公開ができるように、ライブカメラを設置する。欠席児童や不登校児童との連絡も容易になる。
7 校舎の各入口には防犯カメラを設置し、赤外線に反応すると事務室に連動し、かつ録画ができる装置を設置する。
8 外からかかってきた電話は校内に10カ所以上転送できるような設備にしたい。校内のインターホンとしても使用できるようにしたい。
9 職員室から冷暖房機器や戸締まりの状況が把握できるように集中管理システムを設ける。
10 その他、岐阜大学教育学部附属小中学校や小牧中学校が行っているように、学校のホームページやメーリングリストを通して、地域に対して積極的に情報を発信し、交流できる体制 を取りたい。

Y エコスクール
 
1 施設面で環境と共生する校舎として、大口町の気候風土、自然環境とマッチした外観をめざした。
2 大きめのガラス扉、トップライトを増やし、自然の日照を取り入れるようにした。
3 太陽光発電、太陽熱の利用を図った。
4 雨水をトイレの排水に利用できるようにした。
5 太陽熱温水パネルを設置し、床暖房、給食調理などで利用できるようにした。

Z 心豊かな教育環境としての施設
 
1 安全への配慮
(1)耐震性をクリアした校舎
 強化ガラスの使用など、建材にも気を配りたい。また、災害の時に避難しやすいように考えた。
 
(2)シックハウス症候群を防ぐ建材の使用
最新の情報を得て、健康に配慮したい。
(3)セキュリティに配慮した設計
   施錠の状況が一目で分かる情報パネル、ライブカメラの活用を図る。
(4)運動場の遊具や校内で生活する上で、安全に配慮した設計
 
2 バリアフリーへの配慮
(1)車いすに配慮した暖かみのある設計
車いすでの移動が可能なように、段差、扉の幅、エレベーターに配慮した。点字ブロック、点字表示も設置する。
(2)清潔なトイレ
 身体に障害がある児童の入学も考えられるし、事故等のために骨折する子もいるので、足に負担がかからないウォッシュレット付きの洋式トイレを中心にした。個室の広さにも余裕を持たせた。
  小学校では、児童の身長に配慮して、トイレの便器や手洗い場の高さを考える必要がある。 
 
3 心の健康
(1)相談室(心の教室)の設置
 身体の不調だけでなく心の不調を訴える児童にも対応するために、相談室を設置した。相談室は保健室に隣接するように配置し、廊下側からだけでなく保健室側からの出入りが出来るようにする。
 また、プライバシーの保護を考えて、心身がリラックスできるように配慮する。
(2)心の教育の推進
生徒指導主事、道徳主任、養護教諭、心の相談員を中心に、心の教育の推進計画を立て、心の教育を推進する。交流分析等の心理学の研究成果を導入し、相談室の設計にも心理カウンセラーのアドバイスを求める。
 
4 ゆとりとうるおいのある生活環境
 児童・生徒が一日の多くを過ごす学校は、生活する場としてのゆとりとうるおいが必要となる。そのため、各室や廊下・階段等も広めにとりたい。また、トイレや手洗いも機能面だけでなく、身だしなみを整えたり、コミュニケーションを図ったりする憩いの場所や居場所として考えたい。さらに、校内各所にラウンジ的なスペースを確保し、テーブルや椅子を配置し、校舎内の生活空間にゆとり感を持たせたい。
 緑豊かな校庭は、大口町の特徴でもある。児童・生徒に安らぎを与える環境として十分な植栽を確保したい。
 
[ 具体的な設備
 
1 教 室
 内装は、木材をできる限り使用し、暖かみのある雰囲気の教室にする。広さは約 80u(従来は66u)とのびのびとした空間を実現し、机も従来より、縦10p・横5p大きく考えた。机は積み重ねができるもので、教室での活動の場をより広げることも可能である。教室備品として、TV、CDデッキ、PC、プロジェクター、スクリーン、情報用コンセント(複数箇所)、戸棚を基本とする。
2 ホームベース(中学校)
  ホームベースには、生徒の持ち物の置き場、学級備品の収納する棚があり、学級活動を行うこともできる。また、簡単な仕切りで更衣できるような構造とする。(体育授 業時は、体育館で更衣する)
  ホームベース設備:ロッカー、供用物の収納棚、いす(ベンチ)、テーブル(長机形式)、掲示板、CP(複数台数)、TV、CDデッキ等の設備、情報用コンセント
 
3 多目的スペース(小学校)
 オープンスペースとは別に、学年の活動やランチルームとしても活用できる多目的スペース(学年集会室)を考えた。児童・生徒会活動や行事、雨天での体育の授業、踊りや合唱の練習にも使うことができる。
 
4 職員室(校務センター)
 地域の人や訪れる業者などが入りやすいという点や、不審者の校内立ち入りをチェックするためにも1階とし、運動場や児童・生徒の登下校が見やすい位置とした。児童・生徒が入りやすいように、透明ガラスで外から見やすく考えた。
 職員の小規模な会議や、PTAとの打ち合わせなどが簡単にできるように、10人前後の会議ができるようなスペースを別に設けた。
 室内は、学年ごとにかたまった机・椅子、1人1台のPC、教務事務に必要な事務機器、電話、書棚、掲示板、個人用ロッカー、校内電話、各種文書、教材教具等の保管スペースで構成される。(中学校では、教科備品は教科センターで保管する)
 
5 校長室
  外来者用玄関から連絡の良い位置に配置し、応接、小会議、学校の歴史や各種資料の展示保管の機能を持たせた。
  電話、PC、手洗い、TV・VTR等がセットしてある。
 
6 特殊学級
  障害の特性を考慮し、充分な安全性を確保した場所や造りにする。また、職員室、保健室との連絡、トイレとの関連に留意する。音楽、家庭科等の教科の実施に必要な設備を設置し、収納、整理のための設備もほしい。
 
7 事務室
  訪問者等との対応を円滑に行うことのできる場所や仕様とし、校長室、職員室、外来者用玄関等との連絡の良い場所を考えた。
  事務室には常時職員がいるので、防災関係設備も事務室内に置く。
  学校事務に必要な事務機器、電話、PC、個人用ロッカー、掲示板、手洗い等、校内文書の保管、保存用書庫も設置する。
  外来者との応接、打ち合わせのできる家具も置く。    
 
8 給食調理・配膳室
  給食は、給食を作る人の顔が見え、感謝の心を育むことができるように、自校調理方式とした。
  そのために、職員の着替え、休憩等のできるスペース、業者から配送される物資を搬入し検品するスペースを設置した。このスペースは、生徒の学習・生活空間から離れたサービスエリアとし、配膳部分は生徒の生活・学習空間と近接した場所とする。さらに、各階に給食を配膳するスペース、エレベーター、給食配膳ワゴンの各所へのスムーズな配膳の動線を確保した。
また、ランチルームを利用した給食の実施も考慮し、給食調理室とランチルームを隣接させた。
 
9 会議室(ミーティングルーム)
  プレゼン方式の会議を想定し、視聴覚メディアの配置及び端末の機能的配置が必要となる。行事等の来賓、講師の控え室や会議等の同時開催も想定し複数設置した。
 
10 職員更衣室・休養室
  更衣室は、男女別、ロッカー、手洗い、シャワーの設備を設ける。
  休養室は男女別の和室、手洗い、給湯、流しの設備を設ける。
 
11 保健室
  運動場、体育館、職員室と連絡のとりやすい位置、教育相談室との機能・関係を考慮した位置とした。
  また、生徒の目に触れやすく、立ち寄りやすい便利な場所であり、救急車、レントゲン車、タクシーが近接できるスペースも必要である。
  さらに、トイレが近くにあること、保健室内のシャワーの設置、屋外に直接出入りできることも条件になる。ベッド空間を区画できる仕様とする。
  生徒のカウンセリング機能が求められるので、相談室と隣接させた。
 
12 特別教室 
  同一教科や関連性の強い教科の特別教室は、相互の連携をはかりまとまりのある区画として計画する。
  教科によっては、屋外施設と連携できる配置とする。また、多目的教室との連携を図る。それぞれ、教育メディアやコンピュータを設置する。
 
(1)理科室
 器具、材料、教材の十分な収納設備を設け、可動式の実験机を導入したい。科学系、物理系は共用できる構造を考えた。
 流し、ガス栓等の諸設備を室内周辺部に配置し、観察、飼育、栽培等のコーナーを設置した。危険な薬品を安全に管理できる保管庫を設置した。
 
(2)音楽室
小学校では400席収容の音楽ホールを設置し、音楽の授業で利用するほか、地域の人がコンサートや映画・演劇に利用できるようにした。        
 中学校では、地域の吹奏楽団の練習場としても使えるように、楽譜・楽器の収納設備、音響環境、防音装置を考えた。その他、各種楽器の展示スペース、歌唱、演奏等の発表の場となるステージ等の設備、個人練習室、グループ練習室を設けた。1、2階を吹き抜けとし、音楽ホール的な雰囲気、階段状の教室にした。
マウスピースを洗う手洗い場も設置した。
 
(3)図工室・美術室
 小学校では、戸外に直接出入りでき、流し等が活用できる設備を設けた。
 中学校では、表現活動に適した大きさの机、活動しやすい配置とし、美術教員室と隣接させ、完成品や制作途中の作品の一時保管場所を確保した。また、教室前のロビーで展示、鑑賞のための棚のスペースを確保した。
 
(4)木工室・金工室 (中学校)
 室内を個別学習等の作業空間と各種工作機械の機械空間とに区分する。戸外に直接出入りでき、流し等が活用できる設備とした。制作途中の作品の一時保管場所の確保、完成品等の保管、展示、鑑賞のための棚のスペースを確保した。
 
(5)家庭科室(調理室・被服室)
 制作途中の作品の一時保管場所の確保、完成品等の保管、展示、鑑賞のための棚のスペースを確保した。
中学校では会食の利便性を考慮し、調理室をランチルームと隣接させた。
 
(6)メディアステーション(図書室も含む)
図書室と隣接して、パソコン、DVD・VTRを視聴するスペースを設け、様々な学習活動を支える場として機能する。
   学習センター機能・・・学習活動を支えるスペース
   読書センター機能・・・学校における心のオアシス、日々の生活の中で生徒がくつろぎ自発的に読書を楽しむことができるスペース
   情報センター機能・・・情報を収集、選択、活用し、その能力を育成するスペース中学校では、教材用図書は各教科スペースに分散配置する。
 
(7)コンピュータ室
  生徒の様々な学習活動を支える学習・メディアセンターとしての機能をもつ。中学校では、2教室設置した。
 
(8)生徒指導室(中学校)
  職員室に近い位置に、相談室として設置した。
 
(9)児童会・生徒会室
  児童会・生徒会のための専用室とする。PC、印刷機を設置する。
 
(10)適応指導教室
  不登校児童・生徒の居場所として、他の学習空間から独立した、暖かい雰囲気で個別学習できる場所を設ける。該当生徒がいない時は、相談室とする。
 
(11)進路指導室(中学校)
  進路に関する情報を生徒自らが検索するための掲示板、書架、視聴覚教材、コンピ ュータを設置し、進路相談もできるスペースを設ける。
 
(12)屋内体育施設(中学校) 
 教科体育、体育的行事、部活動、文化的行事、儀式、学芸的行事、各種集会、学習研究成果発表、学校開放、地域の防災拠点など、様々な用途がある。
 そのために、次のものが必要である。
 屋内運動場、武道場、保健体育教室(ミーティングルーム)、トレーニングルーム、メディアスペース(情報機器の利用、視聴覚教育メディア)、教示教具の作成・収納スペース、控え室、ステージ照明(昇降式)、音響機器、運動器具庫、部室、見学スペース、更衣室・ロッカールーム、シャワー設備、トイレ(身障者用も含む、開放と共用)、電光掲示板、出入り口(開放用、生徒用)、総合型地域スポーツクラブ事務室、収納庫、管理人室、地域開放用ミーティングルーム(講義室)、和室など。
 通風、換気、自然採光、適切な室温の確保(アリーナの床暖房、他室の空調設備)
観覧席も設置した。
 体育館の更衣室での更衣も考え運動場に隣接させた。
 防災備蓄倉庫をギャラリー下部に設けた。
 1階に武道場や地域開放施設、2階にアリーナ、4階に室内プールを配置した。
  ・武道場
    更衣室、器具庫、柔道場と剣道場を別々にする。
  ・室内プール
    更衣室、シャワー室、見学スペース、安全管理・救急措置スペース、プール水濾過設備、防災用浄水器の設置(緊急時の飲料水利用)した。
    4階に設置することにより、緊急時のトイレ用水としても利用できる。
 
(13)体育館・プール(小学校)
 中学校と同様、体育館には学校行事等の他、学校開放、地域の防災拠点など、様々な用途がある。プールは紫外線のみ防ぐ透過式とし、雨天でも利用できるようにした。
 
(14)印刷室
  校務センターに隣接させるほか、教材の複写、印刷等を行う専用スペースを学習関係諸室に配置する。
 
(15)ランチルーム兼総合学習ルーム
  学級・学年等の集団で利用し、ゆとりある生活を児童・生徒に与えるための昼食を楽しむ場所とする。食に関する教育資料等の展示掲示スペースを設ける。
  昼食以外でも、総合的な学習をはじめ、多目的、多機能の空間として利用する(地域開放、集会、発表、展示等=ホールや多目的室としての活用)
  手洗い、トイレ設備を隣接して設置し、カウンター式の配膳とし、ラウンジとしての機能もある。ミニステージも設置した。
 
(16)教育相談室(心の教室) 
  出入りが容易で、落ち着いて相談でき、児童・生徒の立ち寄りやすい位置に保健室と連携して設置する
 
(17)その他必要な諸室
  地域講師、学校支援ボランティア等が部屋、資料保管・展示できるスペースを設けた。(小学校:ボランティアルーム、中学校:地域講師室)
また、今後の教育内容に合わせて国際理解室、伝統文化室を設けた。
 
13 その他の学習関係スペース
(1)運動場
  小学校では砂塵が出にくい材質の砂、中学校では最新の人工芝を検討したい。
 
(2)放送室・スタジオ
  児童・生徒の利用に便利な位置、教師に便利で運動場を見渡せる位置の2カ所に設けた。スタジオは、教材作成機能を備え、収納スペースも設けた。二重床、床ピット 等による配線をし、パソコンでコントロールできるようにした。
  
(3)部室(中学校)
  屋内、屋外施設と連絡の良い場所で、中がよく見える透明ガラス扉にした。
 
(4)ホール・ラウンジ
  ホールは、学習や交流に活用し、学校の象徴となるつくりとする。
  表現の場になるようにステージを設け、視聴覚メディアの設備、照明、音響機器の設備も設置した。
  校内各所にラウンジや小空間、アルコープをつくり、児童・生徒が気軽に休憩、談話等に利用できる場所とする(廊下のベンチ・テーブルなど)。
  明るく落ち着いた、心を和ませる雰囲気となる意匠や構成であることが望ましい。
 
(5)昇降口
  登・下校時に利用人数に応じた充分な規模(傘立て、靴箱)で、学年別とした。
  車椅子、障害のある児童・生徒、高齢者の利用に支障がないように配慮し、段差がない緩いスロープをつくる。
来客用、職員用は別に設置した。
  
(6)トイレ・流し・手洗い
  障害のある児童・生徒、高齢者、身障者利用に支障がない作りとする。段差がなく、手すりがあり、充分な広さのトイレを各階1カ所以上併設した。
  開放用施設には、男子幼児用小便器を設け、特殊学級、保健室の近くにはトイレを設ける。床はドライ方式とし、便器は、汚れにくいもの、和式、洋式を設置した。
  小便器は、自動洗浄方式で、掃除しやすくするために床に設置しないものにした。
洋式は、ウォッシュレットとした。
  手洗いは、洗面コーナーとしてトイレ部分から独立させる。自動水栓、個別洗面器、デザイン鏡、飾り棚などゆとりとうるおいを感じさせる清潔感のあるスペースとする。また、身だしなみを整える場所でもある。
  流しは、廊下から少し入り込んだ位置に造る。(廊下に直面する配置とはしない)
 
(7)児童・生徒更衣室
小学校では、カーテンで仕切ることができるスペースを設ける。
  中学校では、体育時は体育館更衣室で更衣し、その他はホームベースで更衣できるようにする。
 
(8)廊下・階段
 避難時又は日常生活にゆとりと安全を確保するため十分な広さをとる。曲がり角は衝突防止の工夫をする(ex角に局面を作る等)
 ゆとりと潤い、落ち着きを感じさせる空間を作るため、ベンチ、テーブル、いす等設置したり、アルコープやゆとりの空間を作り、児童・生徒の待ち合わせスペースやギャラリーとする。
 車椅子や身障者の利用に支障がない構造とする。エレベーターを設置する。
(9)地域活動拠点
 学校・家庭・地域社会が連携協力するための情報提供や連絡調整の場として活用するPTA、ボランティア、総合型地域スポーツクラブの活動の拠点として、校舎(小:ボランティアルーム、中:PTA室・地域講師室)、体育館(事務所)、運動場(クラブハウス)に設置した。
 できるだけ開放部分と非開放部分の区画を分離できるような施設とする。
 更衣、シャワー、ロッカー、トイレ、下駄箱、傘立ては学校施設と兼用する。
 屋内外の体育開放施設に、開放専用の器具庫(用具収納庫)、ミーティングルーム、休憩・談話のラウンジスペースを設ける。
 
(10)倉庫、機械室・電気室
  収納・保管が十分できる広さとし、使用する場所と連絡の良い場所に複数つくる。
  機械室、電気室は、児童・生徒の学習・生活空間から離れ、サービスエリアから連絡の良いところとする。
 
(11)駐車場・駐輪場
  児童・生徒の学習・生活空間と分離させる。
 
(12)資源・ゴミ収集スペース
  再資源化及びゴミ処理を環境教育に対応させるため、必要な収納スペースを確保し分別等を徹底させる。
 
(13)中庭(小学校)
紫外線を防止する半透過式テントを設け、雨天でも活動できる芝生広場を設けた。
  夏の強い日差しや、冬の北風を遮ることもできる。また、降雪時は熱線ですぐに溶解させることで、雪の重みから耐えられるようにする。
                                      
14 その他−新しい教育活動への対応−
(1)小学校では、食と農の教育が推進できるように、田や畑、花壇のスペースを考えた。また、果樹、落葉広葉樹の林のスペースを校内に設けた。 
 
(2)これからの教育には、表現力の向上を意図した教育内容の増加が予想される。昇降ステージがあり、鳴子踊りができる「さくらホール」、合唱の練習ができる階段ステージ、演劇もできる屋外ステージを設置した。
“明日の学校”イメージ創作プロジェクト会議 活動経過
 
9月12日(水)第1回“明日の学校”イメージ創作プロジェクト会議
 教育長、教育部長より、プロジェクトの趣旨説明があった後、土井社教主事より、「校舎設計に必要とされる5つの視点」として、次の5点が提案された。
    (1)地域に開かれた学校
    (2)時間と空間を自由に使える校舎構造
    (3)情報技術の進化に対応できる校舎構造(インテリジェントスクール)
    (4)環境に配慮した学校(エコ・スクール)
    (5)安全と優しさ(バリアフリー)に配慮した学校
    次に、インターネットのWebページにより、30校ほどの最先端の学校の紹介があった。斬新な発想の校舎で、新しい考え方の教育が積極的に行われていることが理解できた。 詳細は http://www.tcp-ip.or.jp/~syaraku/sensinkou.htm 
    最後に、参考図書の紹介と今後の予定を話し合った。 
 
9月20日(木)瀬戸市立品野台小学校視察 
    設計段階より、学校関係者と地域住民による話し合いが何度も行われて建てられた小学校を6名全員で視察した。地域に開かれた学校、エコスクール、オープンスクールで、地域防災の拠点という機能を果たしていた。
     詳細は http://www.tcp-ip.or.jp/~syaraku/sinanodai.htm 
 
9月21日(金)〜22日(土)東日本(東京)HQS学習環境総合展&セミナー 参加
東京国際展示場で行われた同セミナーでは、7つの講義と1つのシンポジウム、さらに学習環境にかかわる展示会が催された。土井社教主事が参加。
    大筋ですでに織り込まれた情報であり、新しい学校建設の方向性を確認することができた。
     詳細は  http://www.tcp-ip.or.jp/~syaraku/semina.htm 
 
9月25日(火)千葉市立打瀬小学校、同 打瀬中学校、同 海浜打瀬小学校 視察 
    21世紀型の学校として名高い打瀬小学校、打瀬中学校、さらに打瀬小学校の反省点をもとに造られた海浜打瀬小学校を岩井教諭を除く5名で視察した。
    小学校では、オープンスクールの長所・短所の両面を見ることができ、参考になった。
    中学校では、教科センター方式を見ることができ、これまでのホームルームのもつ長所を生かすことができれば、今後の主流になるであろうことを確信した。
     詳細は  http://www.tcp-ip.or.jp/~syaraku/utase.htm 
 
9月28日(金)岡崎市立矢作西小学校 視察
    学校環境緑化コンクール文部大臣賞受賞以来、継続して環境教育に取り組んでいる学校である。中庭に17種類の果樹が植えられ、児童が地域の人と世話をしながら実を食べる姿、毎日畑で自分の育てている苗の世話をする姿は、時代を超えて大切にしていかなければならないことを痛感した。土井社教主事が参加。
     詳細は  http://www.tcp-ip.or.jp/~syaraku/yahaginisi.htm 
 
 
9月29日(土)岐阜大学教育学部附属小中学校 視察
おそらく、日本で最もIT化が進展している中学校である。
    ペーパーレスの職員室、起案・連絡等はすべてメールや電子掲示板を使用する。
   生徒も明日の持ち物等は係がWebに載せ生徒は家で見る、学級通信も毎日メールで速報が届き、保護者も反応する。連絡放送もなく、出席簿もなし、Web教材、など夢のような光景であった。IT化により時間に余裕が生まれ、余剰時間は生徒との、もしくは職員間のコミュニケーションに使われている。土井社教主事、加藤主査が参加
     詳細は  http://www.tcp-ip.or.jp/~syaraku/gidaihuzku.htm 
 
10月2日(火)小中学校合同会議
    これまでの報告と、今後の方向性を確認。
    小学校・中学校に分かれて、具体的に形にしながら検討をする。検討経過は随時メールで全員に流し、意見交換を行う。
     小学校・・・○岩井、三輪、佐橋
     中学校・・・○土井、加藤、赤木
              (○がとりまとめ)
 
10月13日(土)〜19日(金)韓国視察
 韓国の小中学校において、ADSLが施設され、各教室にパソコンとプロジェクターが置かれている。しかし、有効活用は、まだこれからの段階である。
土井社教主事が参加。
 この間、数回にわたって各部会がもたれている。
 
10月19日(金)田中博之先生(大阪教育大学助教授)との懇談
     2010年以降の学習指導要領の改訂の方向について、専門家としての意見を伺った。
 
11月2日(金)小中学校合同会議
     小学校の図面について中心に検討をする。地域への開放と多様な教育活動の展開を理念とした校舎建築の夢を描いた。
 
11月8日(木)富山県西礪波郡福光町立吉江中学校視察
     教科教室型の学校である。一見地味であるが、教室と体育館、給食調理室とンチルームの関係など、実際の使い勝手がよく考えられた学校である。岩井教諭が参加。
 
11月15日(木)小中学校合同会議
     小学校の最終手直しと、中学校の案を検討した。
 
11月20日(火)小牧市立小牧中学校視察
 平成10年に現在の場所に新築・移転した学校である。学校支援ボランティアと共に創る学校の研究指定を文部省から委嘱され、実践を積み重ねてきた。ITも充実し、積極的に地域に情報を発信し、相互にボランティアを派遣し合っている。ソフトの面でおおいに参考になった。土井社教主事、加藤主査が参加。詳細は http://www.tcp-ip.or.jp/~syaraku/komakityu.htm 
11月22日(木) 岐阜市立加納中学校視察
 個人でも課題追究の研究を30年以上続けており、学ぶ姿勢を創ることでは名高い学校である。かつてのマンモス校で、空き教室を有効に利用している点でも参考になった。土井社教主事が参加。
     詳細は http://www.tcp-ip.or.jp/~syaraku/kanoutyu.htm  
 
11月26日(月)教育委員会
     教育委員会の場で、「21世紀の学校施設のあり方」の基本的理念を説明し、小学校・中学校の案に対して説明を行い、ご意見をいただいた。
 
11月27日(火)小中合同部会
     図面をもとに、最終の検討を行った。
 
11月30日(金)町長に報告

12月10日(月)
大口町議会総務文教委員会で報告
お わ り に  
  
 今回のイメージは、予算・敷地等をあまり考慮に入れずに、あくまでも夢の学校として考えました。
 しかし、“夢”はハード面だけでは実現しません。実際に活用する教師集団や地域住民が設計の理念を理解し、ハード・ソフトの両面から充実を図ることが重要です。また、保護者や地域住民と共に新しい学校づくりを考え、検討をくり返す中で、新しい学校も地域の中の“おらが町の学校”としての存在を確かなものとしていくのではないでしょうか。今回、多くの先進的事例を見るなかでうまく行っていると思われる学校は、設計や施工の段階で、教員や住民の意見を聴く機会を何度も設けていました。大口町でも、その体制を組むことが必要でしょう。そうしたなかで、理念が共通理解され、真に新しい学校が創られることになると思われます。  
 このプロジェクトにあたり、私たちの視察を快く許可し説明していただい先進校、アドバイスをいただいた先生方に御礼申し上げます。

プロジェクトメンバー    
土 井 謙 次(教育委員会生涯学習課) 
佐 橋 竜 午(教育委員会学校教育課) 
岩 井 裕 志(大口町立大口北小学校教諭) 
三 輪 芳 久(大口町立大口西小学校教諭) 
加 藤 公 史(大口町立大口中学校主査)
赤 木 達 也(大口町立大口中学校教諭)