敷地

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敷地
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「建物」ではないのですが、住宅の中で一番寿命が長いのは「敷地」ではないでしょうか。室町時代から明治維新まで「土地永代売買禁止令」によって土地は取り引きの対象ではありませんでした。現在では自由に買うことが出来ますが、昔からの屋敷ではなくて、新しい敷地を作る、というのは結構大変なことです。敷地の寿命は「古ければ古い程安全」と言えそうです。

新しく造成した土地は時間と共に落ち着いてゆくわけですが、その間に沈下することもあります。充分に安定した土地でない場合、地震に対する揺れ方も違います。昭和19年の東南海地震で被害の大きかった太田川流域では「本家は倒壊せず、新屋が倒れた。」といわれますが、これも本家の方が建物に金をかけたので丈夫だったというよりも、永年宅地として使われて地盤がしっかりしていた建物よりも、田畑を新たに埋めた敷地に立つ建物の方が揺れが弱かった、ということだと思います。

道路沿いで標高の分かっているところでは道路が出来てから80年以上立っても地盤が沈み続けていることもあるそうです。遠州地方では細江小学校、水窪小学校のように古墳時代以前から建物が建てられていた場所に小学校を建てる、ということも行われていたようです。古くからの敷地は水害などにも強いと言えるでしょう。

敷地の寿命:古ければ古い程安全

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