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開口部 | ||
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現在広く使われているアルミサッシが住宅に拡がったのは1960年代後半でした。当時ののアルミサッシを見ると大分ガタが来ています。それもアルミそのものの腐食が進んでというよりも、シールや戸車といった特定の部品が手に入らないので使えなくなる、ということの方が早いようです。マンションのアルミサッシでは36年で交換という例が多いそうで、外部金属建具の寿命は40-50年でしょうか。 伝統的な日本家屋では部屋の外側に障子がはまり、その外には濡縁があって夜には濡縁の外側に雨戸をたてて寒さを防ぐ、というものが多かったようです。障子紙一枚外は外気というわけで、冬などさぞ寒かったものと思われます。 漱石・鴎外の時代には濡縁の外側、雨戸の内側に障子の枠に似た細身の建具に新式のガラスをはめたガラス戸がもてはやされたようです。1960年代にアルミサッシが拡がるまで、木製ガラス戸の時代が続きました。 笠井や掛塚など明治から昭和初期に反映したまちなみには、今も贅沢の限りを尽くした木製ガラス戸が残されています。昔からの街並では近所との付き合いもあり「建替え」というと旦那様の一存ではなかなか大変だった、ということもあったのではないでしょうか。そこへ行くと建具や欄間に金を掛けるのは、誰はばかること無く、旦那様のポケットマネーの許す限り、ということではなかったかと思います。 そうやって昭和初期に造られてから70年余になる木製ガラス戸を見せてもらったことがあります。手入れの善し悪しもあるでしょうが、外部に面して雨風にさらされ、木材が全体に収縮して、手を入れないと危険な状態でした。それから考えると、外部に面した木製建具の寿命もやはり40-50年ということになるでしょうか。 開口部の寿命:40-50年 |