2012.8.1
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330㎡

2011.3.11東北大震災の復興が進められていますが、東北各地の被災地、特に郊外あるいは農山村では、集団移転事業の敷地面積基準に付いて、怨嗟の声が上がっています。

集団移転事業では補助対象となる敷地の面積を、330㎥まで、としていますが「これでは暮らしが成り立たない。」というものです。公共交通機関に恵まれない郊外では、成人家族数と同じ自家用車が無ければ通勤が出来ません。

農山村では仕事用の軽トラックが、農業或は漁業に従事する家族数必要であり、家族で何処かへ出かける為には軽トラック以外にファミリーカーが必要です。

道路から直接乗り入れるのならともかく、敷地内で家族の車を取り回す為には、駐車スペースと通路だけで330㎥の半分を越えてしまう、というわけです。

ところがこの330㎥を考えて行くと、問題はもっと大きなところまで行き着いてしまう様な気がします。とりあえず330㎥の敷地に住宅を並べてみました。





12月20日午前9時の日影は図の様なものです。

建物は次の2系統です。

・郊外型
 平屋で16坪-24坪。軒の出:910mm

・都市型:某社分譲住宅パンフより。
 ほぼ総二階36-39坪。軒の出:610mm

自家用車
・各戸4台。普通車x2、軽自動車x2

軒の出は910mmあれば夏は陽が室内に入らず、冬は室内に陽が入る設計が可能ですが、都市部では敷地面積狭小の為、軒の出を610mmとして、外壁を敷地境界から10mm程度とすることが行なわれています。太陽エネルギーの利用の上からも嘆かわしいことです。

2階建ては圧倒的に周辺への日影の影響が大きいことが分かります。ところが現在の建築基準法では、これをどうにかする手立てが無いのですね。建築基準法の日影基準は、住居専用地域のみに適用され、低層住居専用地域でなければ、日影は地上4mで計画することになっています。要するに特殊な地域以外では、一階に陽が入ることは期待出来ないという訳です。

それでもまあ建つのが図の平屋住宅-高齢者用小住宅であれば、何とか裏の家への日影の影響は少なくて済みます。それも南側にそう2階の住宅が建てば、相当に厳しいものがあります。



ところが問題はこれだけでは収まりません。分譲地であれば、入居時には土地建物の手当をしなくてはならなかったものが、次回は予算を建物に限ることが出来ます。家族のライフサイクルを容れる為には、次のステップはどうなるのでしょう。 建替え?