2010.4.15
-風の中の家 1
-風の中の家 2
-生態系に配慮した敷地
-省エネに配慮した敷地
-潮風のオープンキッチン
-床と壁
-夏と冬
-現代茶の間
-風の中の家 3
-
-Slide Show
-実施図面(pdf)


現場を眺めると、浜松市の中心市街地と比べてさえ、今回の敷地は誠に恵まれています。庇を大きく出すことも、面積に余裕があってのことです。通風も良好です。周辺は昭和40年代に畑作園芸の優等生だったところですが、夏場の気温も市役所周辺とは大分違うはずです。

そう考えると、断熱材を230mmにするとか、窓をrow-Eガラスにするとかいっても、街中で多大なエネルギーを消費しつつ暮らすよりも、畑の中の敷地の方が、はるかに省エネではないでしょうか。低エネルギー消費の観点からの「田園都市」もあって良いはずです。

廃車を増やしてエコポイントをくれるくらいなら、省エネ敷地にもe-siteなんちゃってエコポイントをくれてもよいと思います。ところが今回のエコポイントにしても、住宅会社の一括契約でなければ対応しない、というのも変な話です。

江戸時代、元旦に諸大名が将軍へ年賀登城の折、足袋着用が許されたのは2万石以上であって、2万石以下は国主と言えども素足に草鞋で雪を蹴って登城したそうです。体を鍛えて無暖房というのは徹底的な省エネではあります。しかしそうは言っても、現代の住宅として、断熱は必要ですね。現代人が軟弱になったと言うより、部屋を細かく仕切って、人の居るところだけ暖房する、あるいはこたつの中だけを暖かくしておく、というのは、女性は女中のようなもの、という時代ならともかく、現代の生活様式には合いません。

この住宅も外壁と屋根を、エコポイント規格より遥かに高性能な、断熱仕様にしてあります。断熱材は壁140mm、屋根230mmのセルロースファイバーを吹き込んでいます。まだまだ浜松では珍しいかもしれませんが、長野県はこちらの方面では先進地です。施工は飯田市のエコトピアさん。飯田自体は浜松の隣町だけあって、気候もそれほど違いませんが、八ヶ岳などの別荘地、白馬村までの県北と、高断熱な地域がサービスエリアになっているようです。この建物では構造面材は合板を使用していますが、市街地向きの防火構造仕様もあります。




殿様か下男か
御殿か獄舎か
殿と獄
禍根