古山惠一郎
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都心型億ション

敵が低層マンションならこちらも負けてはいないぞ、と都心で頑張っていたのがウォーターフロントの都心型豪華マンションでした。「アドミラルティー」なんてそれらしい名前を付けて、ヨットの繋留権付きがウリ、というのもあるようです(ロビーの奥が船着き場です。)実はこの一帯は昔からの港湾/工場地帯で、港がコンテナ化して新港に移り、工場もそれにくっついて行ってしまって、どーしようもないところだったのを、都心型住居/業務地域として再開発したものだそうです。実は1986年のバンク−バ−交通博も、ここ一帯の再開発が真の目的だったのだそうです。
















キツラノ岬の話

犬も歩けば棒に当たった「まちづくり展覧会」で面白かった、というか「うーん」と考えさせられたのは。「金持ちは気に入らなければ引っ越してしまうから、まちづくりの役に立たん」という話。

もともとキツラノ岬一体は第一次世界大戦の頃に大港湾建設計画があって、工場などが進出して来た場所なのだそうです。それが第二次世界大戦後、コンテナ船向けの新港がフレ−ザ−河口に作られ、打ち捨てられたこの辺りは低所得者層の住宅の並ぶ場末の住宅地と化してしました。

そのうち子供が悪い事をするので、子供会活動を、という事になり、話は道路のゴミ掃除からまちづくりへと進んで行き、1980年代には市内でも有数の美しい町並みになったのだそうです。

しかし今度は困った問題が起きました。米国同様カナダでも、そうした地区景観はすぐに不動産価格に反映するのですね。そして土地・建物の値上がりと共に、あちこちから見知らぬ、まちづくりには関心の無さそうな人達が移り住んで来ました。一緒にまちづくりをして来た仲間の中には、資産活用という事で土地建物を売り、土地建物だけでなく物価もより安い他の地区へと出て行く人が増える。後に残った人達も、もともと収入がそれほど高いわけではないので、望みもしないのに高くなってしまった不動産税を払うのに四苦八苦しなければならない。というわけで、

「私達は資産価値を上げようと思って始めたわけではなく、家族が楽しく暮らせるまちにしたかっただけなのに。せっかく苦労してきれいな街にしたと思ったら、良いところはお金持ちに巻き上げられて、税金ばかり掛かって来る。どうせお金持ちはまちづくりなんて関心はないし、住んでいる場所が気に入らなくなれば、またどこかへ引っ越してしまうに違いないのに。プンプン。」

だそうです。

浜松周辺だと、「農業を続けたいのに、市街地になってしまって、」という話は良く聞きますが、住んでいる街を住みやすくしようとしていたら、同じような事になってしまった、というのも難しい話です。



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