古山惠一郎
〒430-0946 浜松市元城町109-12
電話 053-453-0693, fax 053-458-2534
e-mail:.ask@tcp-ip.or.jp
http://www.tcp-ip.or.jp/~ask/

01 02 03 04 05 06 07 08 09 -2 -3 10 11 12 index prev next


Vancoucer BC, 1900-

街を作る

集合住宅地域

バンクーバーとシアトルは国境を挟んで車で3時間足らずの距離なのですが、街の様子は大分違います。シアトルの街作りがどちらかというと市民主体の、自由主義的な印象を受けるのに対して、バンクーバーの方が少し計画的な街づくりをしている様な感じを受けます。

米国西海岸の都市で建物を建てようとすると、近隣住民の同意、というのが最大の難関で、住宅を改築しようとする場合でも近隣の同意を得るのに半年程掛かるのはザラだとか。これに対してバンクーバーではもう少し都市のグランドデザインと言う意識が強い様です。中心市街地の再開発、などという場合には市議会の都市計画委員会がかなり重要な場となり、開発側は模型なども委員会に持ち込んで委員を説得しなければならない、ということでした。市民運動も盛んで、犬棒式に「まちづくり展覧会」のようなものに紛れ込む事も出来ました。

街並みの様子で印象的だったのは、米国でもカナダと同じなのですが、日本の都市計画区域が「低層住居専用地域」というように、「用途区域」をボリュームから規定しているのと違い、「戸建て住居地域」「集合住宅地域」と言うように用途そのものを規定している事です。

従って集合住宅が戸建住宅と混じりあう、ということはなありません。その代わり道路沿いに高層集合住宅が建つと威圧的だ、という配慮からでしょうか、幹線道路に面した部分だけは低層集合住宅、あるいは戸建住宅を計画的に配置する、という地区もありました。













もともと都心に住みたい、ということから集合住宅が選ばれるのではなく、集合住宅の方が暮らしやすい、というのが集合住宅の存在意義であると見えて、密度を上げてびっしり集合住宅が立ち並ぶ、という景色はなく、緑を充分にとってゆったりと建てられています。上の写真は都心から南へ6km程、下は都心から東へ10km程です。








戸建住宅地域

一番上の集合住宅地域は市役所の近くですが、戸建て住宅地域が隣接していました。市役所で公図をいただいてみると、こちらは表通りが24m幅、サ−ビス道路の方がが6m幅と我が国の分譲住宅地の道路なみでした。

バンクーバーに限らず、シアトル等西海岸の都市では一見3車線道路、実は外側の1車線は駐車帯、という使い方が多い様です。




Oak & 49th Sts. Vancouver, BC Canada





上左は国道99号線。米国シアトルに通じる、西海岸における「国道1号線」といったところ。

上右は国道からひとつ入った左の図付近の戸建て住宅地域。地図で見ると敷地規模は100-200坪です 。





国道99号線に面した住宅地。壁面が道路境界線から9m程下がっています。こちらは車乗り入れ禁止のようで、ガレージはありません。右の図に見る通り、車道と簡単な歩道の間に緑地帯があり、歩道の左から敷地です。







上図で細く見えるサービス道路。電気・上下水道・ガス等はこちらを通しているので表通りはすっきりしています。

車で出入りする家人はこちらを使うことが多いのでは。すると表通りに並ぶ立派な玄関は「隣のオヤジの公式訪問用」ということになるのでしょうか。「路上駐車は一時間以内」のカンバンも見かけたので「ちょい客」用なのか、このあたり近所付き合いの仕方等うかがって見ないと、よく解りません。

01 02 03 04 05 06 07 08 09 -2 -3 10 11 12 index pagetop prev next