古山惠一郎
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住宅のアイコン化







じつはこの「建築のアイコン化」は都心のビルだけでなく、住宅にも広く深く浸透している様です。かって住宅が持っていた機能は、コンビニ弁当・携帯電話といった商品化技術によって加速度的に分解しています。機能が剥落するにつれて「住宅」が持つ意味の中での「象徴」としての役割がますます大きくなって来ていても、おかしくはありません。

古くはモノポリーのようなボードゲーム、近くはテレビゲームと同じ様に、住宅というアイコンを手に入れることが、その住宅の表象するものを手に入れることだと錯覚されています。建物の機能が近代化を遂げるまでは憧れの的だった「モダンリビング」も、現在では当たり前の事になってしまいました。図は1970年代から国家プロジェクトとして始まった多摩丘陵の開発ですが、かっては人気のあった住宅公団の主導による近代的集合住宅も、それだけでは売れない、ということからマンションの外装も近代的、先端的というよりメルヘン調に傾いています。

NHKの連続テレビドラマでも、すでに「新築戸建」の核家族用住宅ではなく、「心あたたまる下宿館」「伝統的な快適さを持った地域型住宅」なんてのが今の日本人の憧れなのですね。「地域型住宅」でなければならないのは、ハウスメーカーの商品がすでに実体を失って無意味なアイコンと化していることに誰もが気付いているのでしょう。



夢のマイホ−ム








メルヘンはバブル期にはとめどなく上昇する地価の隙間をぬって。至る所に蔓延しました。下り新幹線が小田原に近付く一つ手前のトンネルの上には、図のような分譲地が拡がっています。

東名厚木から小田原厚木道路を下がってですから、東京料金所まで毎日高速代を払って1時間程でしょうか。その先首都高を抜けてオフィスまで、となるとちょっと想像が付きません。そこまでして手に入るのは斜面を造成した土地50坪の上に建物50坪程の「戸建て」住宅なのですが、バブル期に幾らぐらいで売り出されたのでしょうか。興味があります。

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