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社団法人 静岡県建築士会会員 古山惠一郎 〒430 浜松市元城町109-12 電話 053-453-0693, fax 053-458-2534 e-mail:.ask@tcp-ip.or.jp http://www.tcp-ip.or.jp/~ask/ | |||||||
No.6 | |||||||
□イングランド全土がゴルフ場 □人間が苦労しなくても土地さえあれば豊かになれる。 □馬車の時代に整備が終わった道路網 □交通予算は道路50%、歩行者・自転車・公共交通50% | |||||||
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イングランド全土がゴルフ場地形である。 羊が草を食えば、苦労しなくても人間が豊かになれる。 延々と石垣で囲い込まれた英国の大地。 石垣の間を突っ走る通勤車。 馬車の時代の門構えを持つ商店。高級ホテルの古いのにも同じ様な門構えがある。 市日に走る田舎のバス。 「道路予算」といっても整備は新設道路が主なので、高速道路も無料でやっていける。 都市部の商業地域、歴史地域では車乗り入れ禁止のゾ−ン規制が徹底して来ている。
| 英国の土地と道
ショップモビリティの実例調査、ということで11月に英国へ行って来た。
ここでは土地と道について、彼我の違いを少し見てみよう。
スコットランドには1300mを越す「高山」があるが、
イングランドにいたっては978mというシコフェル山が最高峰であるらしい。 馬だけでなく、牛・豚でも結構表情があって 「こいつは一体何を考えているんだろう。」と思うのだが、 羊にはそこまでの表情が無い。例年に較べて雨が多いということで、 水浸しになった牧草地で黙々と草を食っている羊を見ると、ただ肉になるために生きているのでは、 という感じがする。 「わたしの毛が伸びたら刈り取って服にして下さい。肉がついて太ったら殺して食べて下さい。」
イングランド全土を石垣で区切って「人間が苦労しなくても土地さえあれば豊かになれる。」
という手に味を占めた人々は、隣国を併合しただけでは満足しなくなり、
やがて世界中に「植民地」なるものを作り上げた。
牧畜に較べて土地の生産性が数百倍、
という水田稲作農業をやっていた東アジアの民にとって、土地は水と日光同様、
タダでそこにあるものであり、額に汗して年貢を納めたものが土地の使用権を持つ、
というのが土地利用の原形であった。 などと道端で羊の顔を見ながらぼーっとしていると、 通勤車らしい小型車(日産マ−チが圧倒的に多く、プジョーと張り合っている。) がものすごいスピードで通り過ぎる。 田舎道の幅はどこでもそれほど広いわけでは無いのだが、 片側2.4mくらいまでセンタ−ラインが入れてあり、その両側にはずっと石垣が続いているのだから相当に恐い。 片側2.4mというのはおそらく2馬力か4馬力の車が一般的だった頃に出来たものだろうと思われる。 我が国で馬車の時代というのは、明治の初めから大正の中ごろまで、 50年足らずで終わってしまったのだが、英国などでは数百年に渡って続いていたはずである。 馬車の時代の門構えを残したホテル・商店などもあちこちで見かけた。
ブリストル近くの歴史的街並を売り物にする山間観光地では、面白いバスの時刻表を見た。
近くの街へは毎日何本か便があるのだが、少し離れた「バースへは水曜日」
「コルシャムへは木曜日と土曜日」にいずれも一往復とあった。 馬車の時代に長い時間を掛けて整備された道には、日産マ−チの様な小型車が良く似合う。 英国からF1ドライバーが出るのにはそういった背景があるのだろうし、 小形スポ−ツカーというのも、馬車の時代に作られた道が産み出したものだろう。 浜松市でアスファルト舗装が始まったのが昭和2年とのことだが、 道路の近代化が大規模に始まったのは戦後も昭和30年代に入ってからで、 それまでは東海道も町外れからは砂利道であった。 我々が50年程でやってしまったことを、 英国では数百年前からやって来たわけで、そうして出来た古い道を未だに使い続けている。 我が国では住宅地の裏道りにまで使わなければならない道路予算は、新設の道路などに使うのみなので、 高速道路もタダでやっていけるのだ。 東名高速道路が開通した頃には「英国には近代的高速道路など無い。」と言われていたものが、 既に主要高速道路は片側3車線で、無料となっている。 そうした英国でも、現在進められているのは歩行者を重視する各種の交通政策である。 今後10年間の交通予算は道路半分、歩行者・自転車・公共交通に半分と計画されている。 詳しくは ../urbanism/uk0011/index.htm
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