このページは(社)静岡県建築士会浜松支部機関誌「支部だより」のコピ−に加筆したものです。

  • 01 ろじっくす?
  • 02 元浜?
  • 03 表舞台と舞台裏
  • 04 馬糞通
  • 05 坪車
  • 06 英国の土地と道
  • 07 英国の年間住宅着工件数
  • 08 英国の住宅地
  • 09 英国の中心商店街
  • 10 歴史の歯車が廻る時、
  • 11 東海道50年
  • 12 路駐歓迎
  • 13 創業の地
  • 14 猫の蚤を取るの権利
  • 15 ショッピングセンター
  • 16 市役所本館始末案
  • 17 笠井本通
  • 18 昭和10年という時代
  • 19 地区計画は面白い
  • 20 志都呂のイオン
  • -1 短信
  • 21 姉歯とは何だったのか
  • 22 江戸の練習
  • 23 建物の安全性と建築士
  • 24 ケンイはキケン
  • 25 建築審査会
  • 26 建城家居
  • 27 瘴癘の地
  • 28 人外魔境
  • 29 持家持車
  • 30 建築士のポストモダン

この項担当
古山惠一郎
〒430 浜松市元城町109-12
電話 053-453-0693, fax 053-458-2534
e-mail; ask@tcp-ip.or.jp
http://www.tcp-ip.or.jp/~ask

連載についてのお願い

古山恵一郎

「路地X」と題する連載を始めようと思います。
「まちなみ」について、或いは「まちづくり」の参考になりそうな事柄で 今まで感じたこと、気付いたことを主題にしています。

現在の日本で、「まちづくり」が直面する大きな問題は 「計画」と「生活」とのギャップだと思われます。 近くは明治以来、遠くは数千年の昔から、日本におけるまちづくりは 国家、あるいは権力者が「このようにしなさい」と上から命ずることが 大きな部分を占めていました。

長い間、それが市民の日常生活と懸け離れたものであっても、 人々はそれを「仕方が無い」として受け入れて来て、 その結果、現在の日本の都市の姿が出来上がっています。

明治以降100年間の間も、同じ様な都市建設が行なわれてきました。 しかし「近代都市」と欧米で呼ばれるものは市民・住民の手で作られるものの様で、 日本でも同じ様に市民参加のまちづくりが行なわれなければ 「近代都市」とは言えないのではないか、と考えられる様になったのが、 現在の日本におけるまちづくりの課題だと思われます。

「都市計画」の方は様々な資料によってその姿が明らかにされていますが、 「都市生活」のほうはそれ程明らかにされている訳ではありません。 例えばカラオケというものがあっても、「誰が」「何処で」「どんな歌を」 歌ったかを並べてみなければ都市生活を描き出すことは出来ません。 とりあえずは自分の目で街並を眺めて、それを積み重ねて行けば、 何か見えて来るのではないか、というのがこの連載の目的です。

そうやって手当りしだいに目に見える街並に解釈をくれていたら、さる人に 「おまえの言うことは全部本当の話かい。」と聞かれたことがありました。 さも本当のことの様なしゃべり方をしていますが、実は全て 「私にはこう見える。」と言う限りのことなのです。 (そうでない時には脚注を入れておきます。) 東大のF森教授が「考現学」と言うのを提唱しましたが、あれがそうですね。 実証的に「昔はこうであった」という事実を明らかにするのでなく、 「私には現在の姿がこう見える。」と考えるのです。 その方が「都市生活」の「現実」を捉えやすいのではないかと、 ま、その程度と言うことでおつき合いを。

「考現学」には「眼力」の修養が重要になって来ます。 古山はあんなことを言っておるが、「実はね、、」と言う事柄を 御存じの会員も沢山居られる話が出てくるものと思います。 そうした場合には是非編集部にそうした訂正、 或いは裏話の類いを御寄せ下さるよう、お願いします。 「支部だより」は専門家組織の機関誌でありますので、私のホラ話で 「支部だより」の権威が失われぬよう、読者諸兄の御協力をよろしく。

01ろじっくす? 02元浜? 03表舞台と舞台裏 04馬糞通 05坪車 06英国の土地と道
07英国の年間住宅着工件数 08英国の住宅地 09英国の中心商店街 10歴史の歯車が廻る時
11東海道50年 12路駐歓迎 13創業の地 14猫の蚤を取るの権利 15ショッピングセンター
16市役所本館始末案 17笠井本通 18昭和11年という時代 19地区計画は面白い
20 志都呂のイオン -1短信 21姉歯とは何だったのか 22江戸の練習 ケンイはキケン ケンイはキケン