湿原周辺の林縁では、ヒイラギが咲き見頃の状態です。
雌雄異株で、花はとても良い香りがします。
二川TV中継所がある尾根では、この古木が多く葉の刺が無くなった縁の滑らかな葉を観察することができます。

　湿原周辺の雑木林では、イワタカンアオイが咲き始めました。
同じような場所で見られるヒメカンアオイより萼筒の長さが長く、花の大きさは随分と異なります。
また、萼筒内部の格子紋がヒメカンアオイより細かいことも特徴ですから、観察したいものです。

　湿原周辺の林縁では、フユイチゴが実をつけています。
花が少ない時期、この赤い実がよく目立ちます。
この実はとても美味しく、見つけると一粒頂きたくなります。

　湿原周辺の林縁では、ムラサキシキブの実が綺麗に輝いています。
葦毛湿原周辺では、このムラサキシキブの他にヤブムラサキ、コムラサキが見られます。
どれも紫色の実が美しく、特にコムラサキは実付きが良いので見応えがあります。

　「散策路図」の17番付近では、ホソバリンドウが咲いています。
リンドウの湿原型で葉が細いのが特徴です。
写真からも随分と葉の幅が細いのが分かります。

　湿原周辺の林縁や林内では、ヒメカンアオイが咲き始めました。
葦毛湿原周辺では、このヒメカンアオイとイワタカンアオイの2種類が見られます。
花は落ち葉に埋もれるように咲くので、落ち葉を掻き分けて観察することになります。

　「散策路図」の17番の木道を挟んで反対側付近、18番付近とその木道を挟んで反対側付近では、ヤマラッキョウが咲き始めました。
最近は、この数が減っている状況で心配です。数が少なくても、多様な植物が葦毛湿原で見られるのが嬉しいことなのです。

　湿原内のあちこちで、スイランが盛りと咲いています。
花は2、3日でしぼんでしまいますが、多く枝分かれした先端に次々と花を咲かせるので、長い期間楽しめます。

　「散策路図」の１８番の木道を挟んで反対側付近では、ヤマラッキョウの蕾が膨らんできました。
食用にするヤッキョウは中国原産の種を栽培していますが、花はそっくりです。
葦毛湿原では、最近これも減少傾向にあり心配しています。

　湿原周辺では、フユノハナワラビの胞子葉が展開し始めました。
この種は光合成を行うための栄養葉と、胞子をつけて散布するための胞子葉という２種類の葉を１枚ずつ付けます。（画像右側が胞子葉）
この胞子葉は、今は青々としていますが、展開し胞子が熟してくると黄金色になります。