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目次 はじめに 監修の言葉 1.海の東海道と静岡県 2.千石船 3.江戸時代の港湾施設 4.伊豆の湊 5.駿河の湊 6.遠江の湊 調査を終えて
6-1.川崎 6-2.相良 6-3.御前崎 6-4.福田 6-5.掛塚 6-6.今切 6-2-1.はじめに 2.相良湊の概要 3.まちなみの現況と伝承 4.まちなみについての課題 5.次年度の課題 6.資料

6-2. 相良湊

6-2-1.はじめに

社団法人静岡県建築士会は静岡県より「平成4年度 東海道歴史のふるさとづくり推進調査事業」として、 「海の東海道」のまちなみ調査を受託した。これはその報告書である。 静岡県は、「豊かな心と活力ある社会を目指してー21世紀へのまちづくり」を基本目標として総合計画を推進しており、 特に本事業は魅力ある住みよい県土を築くため、歴史的、文化的に価値のある建築物やまち並みを保存・再生し、 静岡県の特性を生かしたまちづくりを行なうことを目的としている。 社団法人静岡県建築士会会員は地域にあって、このような歴史的・文化的な環境の中で建築物の設計その他の業務に携わっており、 この事業に参加する機会が与えられたことを深く喜びとするものである。 調査は社団法人静岡県建築士会内に設置した特別委員会と、榛原支部との密接な協力の下に行なわれた。

相良湊は相良町の歴史的な中心をなす地域であり、将来においても町の核となるべき地域である。 相良町においては、中心市街地の区画整理、東名高速道路の相良・牧の原インターチェンジによって都市基幹施設の整備が進んでいる。 また、静岡空港が隣接地に計画されており、地域の姿が将来に向かって大きく変わりつつある。

21世紀の相良を考える際に、守り、伝えられてきた歴史的建築資産はまたとない拠りどころとなるものである。 地域に今回の調査に際しても掛塚の歴史的、文化的資産を生かしたまちなみづくりに関心を良せる地元の皆さんにより 「歴史財を生かしたまちづくりを考える会」が設置された。 本調査報告はこの「考える会」における討議の成果を中心にまとめられたものであり、 「考える会」の委員各位、相良町当局始め関係各位への敬意と感謝を表する。

近代化、都市化が急速に進んでいる現在、相良町の核、としての相良湊には大きな期待が寄せられている。 本報告書が地域の発展のために広く活用されることを願ってやまない。