妻良と同じように、自然景観や海の幸、あるいは伝統芸能に恵まれているが、妻良が城米廻船への給水と漁業を中心にしてきたのと対照的に、より商業輸送へのサービス提供の趣が強かった地区であり、妻良とは違う特色を持っている。
マーガレットラインから日和山の尾根伝いに、子浦高見場への遊歩道が整備されている。
波止場の西側、高見場(松ヶ下)にはウバメガシの老木の群生地があり、県の天然記念物に指定されている。ウバメガシは昔、備長炭の原料として使われたが、子浦では、防風林、魚付林として保護され、歴史的機能を果たしてきた。
温い気候を利用して、マーガレットの露地栽培が盛んで、3月下旬から4月上旬にはマーガレット祭りが行われ、海を望む岬は花畑で飾られる。
11月2日に、東子浦の五十鈴神社の祭典、西子浦の八幡神社の祭典で行われる。東子浦は人形三番叟、西子浦は子供三番叟である。芸能保存会があるが、現在、会員が少なくて継続できない状況にある。大名行列も、同じ日に五十鈴浜で行われる。行列の通る道を砂で盛り、清めて、和装の正装で年令順に行進する。酒気は禁じられ、古式による神祀の姿を厳密に守ってきた厳粛な祭りである。
阿弥陀如来を本尊とする浄土宗の古刹。14代将軍家茂公が滞在し、お手植えの松がある。日本憲政史上に不滅の功績を残した小泉三申の墓もある。子浦は大火に遭って資料が残っていないので、西林寺の過去帳は子浦の歴史を考察する貴重な資料となっている。
日和待港として栄えた昔、子浦の遊女が客をひきとめるため、この地蔵をころがすと、風が変わり海が荒れ、船出をした帆船が戻ってきたと伝えられている。